小説投稿サイト「小説家になろう」の人気作が、書籍化されました。2019年にはアニメ放送も始まる話題の本作の魅力を、全巻ご紹介していきます。
小説投稿サイト「小説家になろう」で連載されており、漫画化やアニメ化もされている『ありふれた職業で世界最強』。現代の高校生が異世界に召喚されるという、いわゆる異世界転生モノのライトノベルですが、本作の特徴は、主人公のハジメだけでなく彼のクラスメイトがまるっと召喚されるところです。
彼らが召喚されたのは、「トータス」という名前の異世界。そこでは人間族のほかに魔人族と亜人族が暮らしていて、魔人族が強力な魔物を使役するようになってから人間たちは劣勢に立たされていました。
そこで人間族は、魔人族と渡り合える勇者となりうる人物を見つけるために、ハジメたちを召喚したのでした。
まだ高校生の彼らが、絶望を乗り越えて可愛い女の子たちと出会い、最強になっていく物語です。
自他ともに認めるオタクな高校生・南雲ハジメ。学校のマドンナである白崎香織から何かと親身にされていることもあり、いじめの標的になっていました。
そんなある日、ハジメとそのクラスメイトたちが突然異世界「トータス」へと召喚されてしまいます。周りのクラスメイトたちが次々と協力な能力を身につけるなか、彼が手に入れたのは戦闘向きではない「錬成師」という力だけでした……。
- 著者
- 白米良
- 出版日
- 2015-06-24
シリーズの始まりである1巻では、ハジメが絶望のなかで見た目も性格も変貌していくエピソードが描かれています。
彼は異世界に飛ばされた後、クラスメイトらによって、トータスに存在するもっとも危険な7つの場所といわれる七大迷宮のひとつ、「オルクス大迷宮」という奈落の底に突き落とされてしまうのです。危険地帯で力の弱いハジメが無傷でいられるわけがなく、彼は物語の開始早々、左腕を失うという大ケガを負ってしまいました。
恐怖と痛みが彼を襲い、さらに周りには強力な魔物がウヨウヨ。食べ物もなく、絶望感と、どうして自分だけがという理不尽さへの怒りがこみ上げてきます。
すると彼の心は変貌し、魔物を食らうことでその能力を取りこむことができるようになるのです。
いじめられっ子で力の弱い主人公が異世界で最強の存在になるのは定番のストーリーですが、本作の特徴は、ハジメがヒーローではなくヒールの方向で強くなっていくところでしょう。性格がまるで変わってしまい、誰であろうと容赦せず、必要であれば魔物に襲われている人々も見捨てるような非道さを見せていくのです。
その一方で、「オルクス大迷宮」で運命の出会いを果たした吸血鬼族のユエや、この後に登場する仲間のことは大切に思うなど、いわゆるダークヒーロー的な一面も見せていきます。
本作のメインヒロインであるユエは、「オルクス大迷宮」に封印されていた吸血鬼族の生き残りの少女。後にハジメとは恋人同士になるのですが、2人のイチャイチャシーンも描かれていくのでご注目ください。さらに今後はヒロインも増え、ハジメがハーレム状態にもなるので期待大です。
クラスメイトにはめられて「オルクス大迷宮」に落ちてしまったハジメですが、そこで力を手に入れ、ユエと出会い、無事に地上へ戻ってくることができました。
喜んだのも束の間、魔物に襲われている兎人族の少女と遭遇します。シア・ハウリアという名の彼女は、ハジメを探していたと言い出して……⁉
- 著者
- RoGa
- 出版日
- 2017-09-25
本巻で新たに登場するのが、兎人族のシア・ハウリアという少女。うさ耳が可愛い彼女は「未来視」という未来を視ることができる能力を持っており、その力を頼りにハジメを探しに来たと言います。彼女が視た未来では、兎人族の一族の危機を彼が救っているそうなのです。
ハジメは当初その依頼を断りますが、ひょんなことから元の世界へ戻るための手がかりが大迷宮の攻略にあることがわかり、シアも加入したハジメとユエのパーティーで「ライセン大迷宮」に挑むことになりました。
すでに無双っぷりを発揮しているハジメなので簡単に攻略するのではと思いきや、彼の力に制約がついてしまうなどのトラブルもあり、ハラハラしながら読むことができます。また本シリーズの特徴のひとつである、他作品のパロディネタやネットスラングなども存分に盛り込まれていますよ。
また、ハジメと一緒に旅に出るために特訓を受けるシアと、彼女を容赦なく指導するユエの様子がコメディタッチで描かれているので、そちらも必見です。
賑やかで明るいシアが仲間に加わったことで、彼らにどんな変化があるのでしょうか。
7大迷宮のひとつ「ライセン大迷宮」を攻略したハジメたちは、中立商業都市フューレンへやってきました。
しかし、街で因縁を付けてきた貴族の男とのいざこざをギルドに問題視されてしまい、ギルドからの依頼を引き受けなければいけなくなってしまいます。
その依頼とは、ウィル・クデタという冒険者を探すこと。捜索のために「湖畔の町ウル」へ向かうことになるのですが、そこには意外な再会が待ち受けていました……。
- 著者
- 白米良
- 出版日
- 2016-02-24
本巻で新たに登場するヒロインは、ティオ・クラルスという竜人族の女性と、ハジメと一緒に異世界に召喚されてきた高校教師・畑山愛子です。
愛子は召喚の際に「豊穣の女神」という二つ名を付けられ、農業系のスキルを使うようになっていました。常に生徒の味方でいたい、頼られる大人でありたいという信念を持っていて人望が厚く、彼女を守るために「愛ちゃん護衛隊」という組織までできています。
この巻で目を引くのは、ハジメの「強さ」でしょう。パワーももちろんですが、自分たちの邪魔をする者は誰であっても容赦しないという芯の強さがあります。ウルの町に危機が迫った時も、彼は自分の仲間を守るために町は助けないという選択をしました。
また、新登場のティアも見どころ満載です。竜人族である彼女は竜に姿を変えることができ、寿命も長く年齢はすでに563歳。
力も強くて頼りになるかと思いきや、ハジメとの出会いをきっかけにドMな自分に目覚めてしまうのです。彼女の活躍は本巻以降たっぷりと見ることができるので、要チェックですね。
「湖畔の町ルウ」での騒動もひと段落し、ハジメたちは保護したウィルとともに、再び「中立商業都市フューレン」に戻ってきました。
しばしの休日をとることにした彼は、シアと水族館に出かけます。しかし平穏無事なデートとはいかず……⁉
- 著者
- 白米良
- 出版日
- 2016-07-27
4巻で新しく登場するヒロインは、なんと幼女。ミュウという名前の海人族の女の子で、奴隷商人から逃げてきたところを偶然ハジメたちに助けられることになりました。
また、ハジメがクラスメイトと再会し、助けを求められるエピソードも描かれます。
天之河光輝が率いるパーティーは、迷宮に入ったものの魔物の大群とそれを率いる魔人族の女に負けてしまい、迷宮内での敗走を余儀なくされていました。そこで彼らは、ハジメに救出を依頼してきたのです。
かつて自分をいじめていたクラスメイトを助けるなんて、ハジメにとっては至極面倒なことでしたが、学校のマドンナだった白崎香織がいたため、彼は迷宮へ向かうことにします。
ということで感のよい方は気付いたかもしれませんが、香織も本作のヒロインとして再登場しました。ストーリーはもちろん、ハジメのハーレムっぷりもだいぶ賑やかになってきたので、そちらもお楽しみください。
香織をパーティーに加え、ハジメたちはミュウの故郷である「海上の町エリセン」を目指して「グリューエン大砂漠」を進んでいました。
その道中、魔物に襲われていた青年を助けます。彼は「砂漠のオアシス・アンカジ公国」の領主の息子だというのですが……⁉
- 著者
- 白米良
- 出版日
- 2016-12-21
ミュウの故郷である「海上の町エリセン」には、7大迷宮のひとつである「メルジーネ海底遺跡」が存在していました。そこへ向かう途中で、ハジメたちはアンカジ公国の領主の息子であるビィズと遭遇します。
彼は謎の病気にかかっていましたが、ヒーラーである香織の診察と治療で回復します。しかしなんと、この病気は彼だけでなくアンカジ公国全体に蔓延しているというのです。
ビィズはその病を治す手立てを探し、同時に近隣諸国へ助けを求めるために国を出ていたところをハジメと遭遇したのでした。
治療のためには「静因石」という鉱石の粉末が必要で、その鉱石があるのは7大迷宮のひとつである「グリューエン大火山」です。もとより迷宮を制覇したかったハジメたちは、鉱石を取るついでに火山に向かうことにしました。
また本巻では、「メルジーネ海底遺跡」という7大迷宮も登場します。これまではたいてい1巻で1つの迷宮をクリアしてきたハジメたちですが、今回は一気に2つ。スピーディーな展開を楽しむことができます。
彼らが戦うことになる魔物たちも、異世界ライトノベルでお馴染みの竜にはじまり、インパクトのある巨大なクリオネまでバラエティに富んでいるので、ハジメの無双バトルに彩が与えられています。主人公最強系の物語ですが、そんな彼をもピンチにさせる強敵が登場するので、戦闘シーンに注目してみてください。
「メルジーネ海底遺跡」を攻略し、ミュウと別れを告げたハジメたち。次は7大迷宮のひとつ「ハルツィナ樹海」を目指すことにします。
しかしその道中で、またしても思わぬ再会が。ある隊商が盗賊に襲われているところを助けたところ、そのなかにハイリヒ王国の王女・リリアーナがいたのです。そしてハジメは、彼女から衝撃の事実を知らされるのでした……。
- 著者
- 白米良
- 出版日
- 2017-05-24
本巻で登場するリリアーナは、ハイリヒ王国の王女です。ハイリヒ王国は、そもそもハジメたちが「トータス」へ召喚されることになった原因の国。
リリアーナはもともと彼らの味方だったはずなのですが、国の重鎮たちが「聖教教会」の狂信的な信者となった結果、ハジメたちは異端者扱いされてしまい、さらに教師の愛子がさらわれてしまったのです。彼女を助けるため、ハジメは聖教教会の総本山であり7大迷宮のひとつである「神山」へと向かうことにしました。
一方で王都には、魔物の軍団が押し寄せてきます。「神山」で迷宮攻略に挑むハジメと、王都で数万の魔物を相手にするエとシアの戦いがくり広げられていきます。
自分の信念に反するものであれば、誰であっても見捨ててきたハジメ。自ら愛子の救出に向かう姿からは、彼女のことをしっかり仲間だと想っている様子がうかがえます。
彼の強さは相変わらずですが、そんなハジメをも苦戦させるさまざまな要素や敵が用意されているので、本巻のバトルシーンも注目です。
ユエとシアも数万の魔物を相手に大活躍。スケールが大きく、SFのような超兵器がたくさん登場するので、飽きることはありません。
ちなみに本巻のラストで、香織に意外な変化が訪れます。どんなことが起こるのか……ぜひ実際に確認してみてください。
過酷だった「神山」での戦いと、王都での数万の魔物との戦いを乗り越えたハジメたち。次に向かうのは「帝都フェルニル」です。この旅には、クラスメイトである光輝も同行することになりました。
その道中で、シアの一族であるハウリア族と遭遇します。彼らは帝国兵との戦闘真っ最中で……!?
- 著者
- 白米良
- 出版日
- 2017-12-25
本巻では迷宮の攻略はありません。その代わり、クラスメイトの光輝がハジメたちに同行するというサプライズが起こります。
彼はスポーツ万能で成績優秀、さらにイケメンという絵に描いたような完璧人間で、異世界にやってきた際は勇者に選ばれました。しかし思い込みの激しい性格で、敵である魔人でも「人である」と考えると殺せなかったり、力は「人のために」使うと主張したりしています。
当然、敵を容赦なく殺し、力は自分と自分の仲間のためにしか使わないハジメとは相容れません。ハウリア族と帝国軍の戦いに入りこんでいくのです。
ハウリア族は100人ほどしかおらず、圧倒的な戦力の差がある帝国軍との戦いはハラハラもの。このなかでハジメたちはどのように力を発揮していくのでしょうか。
ハウリア族と帝国兵の戦いを終えたハジメ達は、ついに「ハルツィナ樹海」に挑戦することになりました。「ハルツィナ樹海」は、七大迷宮の1つ。しかし、攻略を目指すハジメ達に訪れた試練は予想外のもので……!?
- 著者
- 白米良
- 出版日
- 2018-04-25
前巻はシアの一族であるハウリア族と帝国兵の戦いが描かれましたが、本巻でもメインはシア。ハジメは、ハウリア族の戦いを経て彼女との関係に悩んでいましたが、本巻ではその関係性に変化が訪れます。
その変化によって、本巻の展開は割と糖度高めのものとなっています。かなり甘い。その辺りの詳細については、ぜひ本編を読んで実際に楽しんでみてください。
本巻のメインストーリーは、「ハルツィナ樹海」の攻略です。今回の試練はかなり難易度が高く、また予想外のものであるためかなり楽しめるでしょう。
ちなみに、このボス戦については、WEB版とはかなり変わっているのだそう。WEB版も愛読している読者にとってはまた違う展開を楽しむことができるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
遂に元の世界へ戻るための手がかりを得たハジメたちが次に目指すのは、最後の大迷宮・氷雪洞窟!
雪と氷に覆われた、極寒の大迷宮で彼らを待ち受けていたのは……もうひとりの自分! ?
- 著者
- 白米良
- 出版日
- 2018-12-25
最後の大迷宮である、氷雪洞窟。辛く厳しい戦いが待ち受けていそうでしたが……ハジメによって仲間たちにアーティファクト教化が施されたり、移動には飛空艇・フェルニルを使用したりで、なんとも余裕のある迷宮攻略が始まりました。
しかしこの迷宮には、とある恐ろしい敵が潜んでいたのです。その敵とは、自分自身。この氷雪洞窟は、自分の心との闘いの場だったのでした。
第9巻の見どころは、なんといっても「自分との闘い」です!
迷宮攻略の途中でひとりになったハジメは、氷雪洞窟がつくり出した偽物の自分と闘うことになります。心の闇を突いてくるもうひとりの自分に対し、ハジメはどのように対戦するのでしょうか?自分に打ち勝つ為の、ハジメのこれまでにない戦闘法に注目です!
そして、この巻で注目したいもうひとりのキャラクターは、雫です。なかなか素直になれない雫も、氷雪洞窟では自分自身と相対することになるのですが……自身との闘いを経て、生まれ変わったような雫の動向も要チェックです!
いかがでしたか?本作は小説投稿サイト「小説家になろう」でまだまだ連載が続いています。書籍化にあたって加筆修正されている部分も多いので、気になった方はどちらもチェックしてみてくださいね。