【第5回】つぶやきシローのつぶやき読書/愛すべき、残念な人だね。

【第5回】つぶやきシローのつぶやき読書/愛すべき、残念な人だね。

更新:2021.11.28

小説家としてもデビューをしているつぶやきシロー。しかしどうやら、読書に対してはかなりの抵抗があるらしい。彼に「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。 第5回の今回は、これまでのイメージが覆るかもしれない、こんな本を読んでもらいました。

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マリーアントワネットは、「パンがなければ~」とは言っていない

聞いたよ、坂本龍馬が歴史の教科書から消えるかもしれないんだって?

教科書問題は、たまに音楽も話題にのぼるけど、ほとんどが歴史だね。

鎌倉幕府が1192年じゃないとか、足利尊氏の肖像画は別人とか、聖徳太子の表記問題とか、なにかと騒がせるよね。

どうやら、覚えることが多すぎてただの暗記科目化しているから、上杉謙信、武田信玄、吉田松陰、ガリレオガリレイ、クレオパトラ、マリーアントワネットなど、たいしたことをしていない人は消していこうという考えらしい。

中学生のとき思わなかった?歴史は増え続けるわけで、後から生まれてくる人の方が覚えることが多くて大変だよねって。

よく、戦国時代とか三国志好きの人いるよね。
「三国志だと、俺は張飛が好きなんだよね」とかって、知らないよ!
なんか、全部自慢に聞こえるんだよね。
どお?俺詳しいでしょ!って感じで、偉人の凄さを語って、「へ~」って言われたいのかな。

自分が褒められた気に錯覚するんだろうね。
たまに歴史上の人物の名言を、自分の名言として女の子の前で発表しちゃう人いるね。
わかるよ~、モテたいもんね。
愛すべき、残念な人だね。

タイトル「ざんねんな偉人伝」

著者
真山 知幸
出版日
2017-07-25

有名な偉人が65人。
そういう人は最初っから天才なんだ、元が違うから自分には無理なんだと思わず、同じ人間なんだよと、偉人たちの欠点を紹介することで、偉人を身近に感じることができる本。

偉人一人に対して、2ページから4ページという少ない分量。だから、次だれ?次だれ?ってどんどん読めちゃう。

偉人ごとに似顔絵があるんだけど、そこには吹出で一言書いてある。

例えば、夏目漱石の吹出は、「飼っていた猫を『ネコ』とよんでいました」とか、ベートーヴェンは、「若い頃はアイドル系でした」、サルバドールダリは、「口ひげは水あめで固めてます」、紫式部は、「清少納言なんて、大したことないわね」など、偉人の一言ネタも面白い。

偉人で、何でもできちゃう人いるね。
教科書から消えそうなガリレオさんは、「それでも地球は動いている」という名言が有名だから、天文学者かなと思ったら、ピサの斜塔から二つの球を落とすし、じゃあ物理学者なのかな、いやいや哲学者でもあるんだよね。

ゲーテは、小説家だけでなく政治家、科学者、哲学者、劇作家なんだって。
本職どれ?ってなるね。
何でもできすぎて、信用できないって言うか。

あと、当時は携帯電話とかメールがないからしょうがないけど、手紙が多く残されてるね。

その手紙でみんな女性がらみを暴露されてる。
恋人へ送った恥ずかしい手紙で性癖がバレたり。
ノーベルの元彼女なんか、200通を超える手紙をネタにノーベルを脅迫し、数億円をもぎ取り、さらにノーベル没後はその手紙を売って、お金儲けしている。とんだ爆弾娘だ。
証拠は残しちゃいけないね、こわいこわい。

あと偉人は、一生独身か何回も結婚するかのどっちかが多いね。

ゴッホが結婚を申し込みに彼女の家に行った時、相手の親が反対して娘に会わせてもらえなかったんだって。
そしたらゴッホは、ロウソクに手をかざして、手のひらをじりじりと焼きはじめ、「我慢した時間だけ彼女に会わせてほしい」って言ったんだって。すごいね、ひまわりおじさん。

因みに、与謝野晶子は既婚の男性と不倫略奪婚。
13人の子供を産んでいる。(※1)
人数で言うと、バッハは二度結婚し、20人の子供がいる。で、ケチだったんだって。

ケチで言うと、徳川家康もケチだったらしい。
古くなった足袋をなかなか捨てなかったらしい。

わかるけどね、昔、パンツのゴムがゆるゆるだから、最後に穿いて、そのまま捨てようと思ってたのに、また洗濯機に入れちゃうんだよね。じゃあ、せっかく洗ったから、最後に穿いてから捨てようと思っていたのに、また洗濯機に入れちゃうってやつでしょ。

お金にまつわる話で言えば、「資本論」のマルクスなんだけど、自身の資本(もとでとなるお金)の管理は、浪費家でかなりルーズだったらしい。

宮沢賢治は、「雨にも負けず、風邪にも負けず~」って、苦労人のイメージだけど、金持ちのボンボンで浪費家だったらしい。

野口英世も、浪費家でお金にルーズなのに、まさかの、お札の肖像画だね。

あと、やっぱ変わり者さんが多いね。
ニュートンさん、リンゴおじさんね。集中するとズボン穿くの忘れて外出するし、電話のベルさん、自分で発明しといて、電話はうるさいからって、自分の部屋には置かなかったんだって。

夏目漱石は、生徒から「辞書と違います」と言われると、「辞書が間違ってる」と異常な負けず嫌いだし、森鴎外の好きな食べ物はまんじゅう茶漬けだし、ダ・ヴィンチは同性愛で逮捕されるし。

あとエジソン、ちょっと発明すると「~のエジソン」って言われるよね。「~のダルビッシュ」くらい使われているね。そのエジソン、税金を払ってなくて、役所から呼び出し食らったから、しぶしぶ行ったんだって。係員が名前を尋ねるとエジソンは、「私の名前?わかりません」だって、残念だね。

でもやっぱり実物を見ていないわけで、写真で判断するに、一番の変わり者さんはアインシュタインだね。相対性理論より、あのベロを出している写真だもんね。
あれ、マスコミがしつこく写真を撮るから、使い物にならないように、わざと「あっかんべー」をしたんだよね。
でも新聞に使われちゃって、「不愉快だ」なんて苦情まで来たらしいけど、本人は気に入ったらしく、焼き増しを頼んで貰ったらしい。

みんな個性的で素晴らしい。
Part2出してほしいな、スポーツ選手編で。

(※1)与謝野晶子の子供の人数は諸説ありますが、今回は紹介した本にしたがって13人としています。(編集部)

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  • つぶやき読書

    お笑い芸人のつぶやきシローさん。小説家としてもデビューをしています。しかし、「本を1冊読むのに数ヶ月かかることもある」など、読書に対してかなりの抵抗があるらしい。「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。隔週金曜日更新!

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