漫画『帝の至宝』が無料!中華風ファンタジーの魅力を全巻ネタバレ紹介!

更新:2021.11.27

平民の香蘭と帝の志季。まるで接点のなかった2人ですが、ある事件を機に友人となり、一緒に過ごすうちに互いに好意を持つように。身分違いの恋は成就するのか、少し切なくてキュンとする『帝の至宝』が、スマホで無料で読むことができますよ。

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漫画『帝の至宝』が無料!年の差×中華ファンタジーの魅力を全巻ネタバレ紹介!

著者
仲野 えみこ
出版日
2009-11-05

ただの平民だった少女・香蘭は、ひょんなことをきっかけに帝である志季と友だちに。18歳にも関わらず幼い少女のような見た目の香蘭を、志季は非常に甘く子どもに接するような態度で可愛がります。

近づいては離れるを繰り返しながら「友情」を育んでいく2人が、自分の想いに気づき、身分差や年齢を気にしながら、お互いを大切に想い合いすれ違う、切なさとトキメキが交互にやってくるのが魅力的な『帝の至宝』。

2人の気持ちの変化から目が離せない本作の魅力について、全巻ネタバレを含めて紹介していきます。

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漫画『帝の至宝』のあらすじ

漫画『帝の至宝』のあらすじ
出典:『帝の至宝』1巻

国からの厳しい徴収に苦しむ村人を救うため、王宮に盗みに入った香蘭。しかし王宮内では第一皇子が暗殺されたと犯人探しが行われていました。その騒ぎのなか出会った青年が犯人なのではないかと疑った香蘭でしたが、実は彼は殺されたはずの第一皇子・志季だったのです。

香蘭から国の現状を聞いた志季は、1度は捨てる覚悟をした帝位を継ぐことを決意し、帝の座につくことに。当時傷を負っていた志季を助けた縁で、香蘭は「帝の友だち」という特殊な立ち位置につきますが、香蘭の志季に対する想いは、いつの間にか友愛から恋心へと変わっていたのです。

帝と平民の娘、身分の違う友人の誕生【1巻ネタバレ注意】

先帝の暴政で平民は苦しい暮らしを、王室や貴族は豊かな暮らしをしていた晶。そんな国の平民、香蘭は税で苦しむ村人のために宝を盗み出そうと王宮に侵入しますが、結局追い出されてしまいます。

翌日、第一皇子を殺した暗殺者が国内逃亡していると聞いた香蘭は、昨夜王宮内で出会った青年がそうではないかと疑い、帝から褒美の宝を貰うため捜索をすることに。そう決意した直後、村の裏山で怪我を負った例の青年・志季に出会うのです。

著者
仲野 えみこ
出版日
2009-11-05

香蘭は志季が暗殺者ではないかと疑うものの、怪我人を放っておくこともできず、こっそり面倒を見ることに。仮に志季が暗殺者だった場合、危ない目に遭うのは香蘭なのに、まずは怪我の心配をするあたり、彼女の優しさがうかがえますね。

志季は、帝に即位したかった第二皇子の策略により死んだことにされた第一皇子でした。1度は捨てる覚悟をした帝位ですが、王宮の外では、香蘭のように心優しい平民が貴族のせいで苦しい思いをしていることを知り、帝として悪政を正すため王宮へと戻ったのです。

王宮に戻った志季は、すぐに帝として即位しましたが、裏山で怪我を治してくれた香蘭を自分の友人として、自由に王宮に出入りできるようにしました。

普通で考えれば、ただの農村出身の娘が帝と対等に接するのはなかなか難しいもの。自分が帝であると気取らない志季と、どんな人でも誠意をもって対応をする香蘭だからこそ実現した関係と言えますね。

また、志季が香蘭を友人として受け止めた理由には、彼女の容姿も関係しているかもしれません。香蘭は18歳の女性で、年齢的に言えば結婚していておかしくない大人の女性です。しかし、その見た目は10歳〜12歳ほどの幼い少女のようで……。

実年齢を知った志季は、それでも小さい香蘭を子どものように可愛がりますが、見た目が幼いとはいえ、年頃の少女と仲良さげにしていれば、周りのほうが色々と考えるもの。身分も容姿も違いすぎる2人の「友情」はこのまま何事もなく育まれるのか、今後の2人の関係から目が離せません。

身分の違う恋を題材にした作品を紹介した<身分差が切ないおすすめ少女漫画ランキングベスト6!>もおすすめです。あわせてご覧ください。

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避けられない妃問題、志季の本心は【2巻ネタバレ注意】

街中で知り合った、当たらない占い師の少年、吏元の言葉で志季のことを異性として好きだと自覚した香蘭。しかし、相手は国を支え、世継ぎを残して王朝を続けていかなければならない帝。即位後、妃をとる気も後宮をつくる気もない志季に、臣下の方が焦り、色々と手を回します。

志季と貴族の娘たちのお見合い当日、香蘭の友人で貴族の娘である夸白と夸紅に、2人の付き人としてお見合いに連れて行ってもらえることに。そこには美しく着飾った娘たちが多くいて、香蘭は改めて志季との身分差を痛感します。

著者
仲野 えみこ
出版日
2010-09-03

身分の差をわかっていても、少しでも側にいようと色々努力をするあたり、香蘭の真っ直ぐさと素直が見てとれます。決して自分の想いは口に出さず、悲しい気持ちを押し込み、志季の前では笑顔を見せる香蘭の姿には、胸打たれるものがありますね。

避けられない現実に、香蘭は見合い会場からそっと立ち去りますが、そのとき見えた涙に、志季は急いで香蘭を追いかけます。

「私は誰が泣くより香蘭が泣くのが一番嫌だよ」(『帝の至宝』2巻より引用)

小さい香蘭に目線を合わせるように屈み、香蘭の手を握りながら、志季は真っ直ぐ香蘭を見つめて伝えました。その言葉の真意は、香蘭が望むようなものではないにしろ、少なくとも妃選びより友人である自分を選んでくれたことが、香蘭は嬉しいようでした。

しかし、もともと来るもの拒まず去る者追わずで、少々天然なところがある志季は、それ以上に思わせぶりな態度をとります。諦められないのは志季の行動のせいだと考える香蘭ですが、それは正しいかもしれませんね。

志季は香蘭に対して、いまいち距離の取り方が掴めていないようでした。考えより行動が先に出るタイプなのか、志季はその一挙手一投足で、どんどん香蘭の心を奪っていきます。

魔性とも思える志季の手腕に負けることなく、香蘭は「友人」でいられるのか、志季を「大切」だと思うその感情は本当に友情なのか、気になりますね。

香蘭の行動力の要因【3巻ネタバレ注意】

香蘭は時間を見つけては志季の元へ行き、志季も時間を見つけては香蘭の元を訪れるのが日常的となったある日、志季は香蘭の家に落とし物の簪(かんざし)を届けに向かいます。

志季が家に行くと、香蘭はおらず、香蘭とともに暮らしている村長のおじいさんしかいないようでした。香蘭の帰りを待つ間、志季は村長から今の香蘭の行動力の要因を知ることに。

著者
仲野えみこ
出版日
2011-05-02

もともとみなしごで、村に捨てられていた香蘭。昔から小さく体が弱かったこともあり、村長は彼女を甘やかすくらい大切に育てていたそう。そのためか、今の香蘭からは想像できないほど甘えん坊だったのだとか。

そんな香蘭が、自分は二の次に、誰かのために自分の持てる力を全て使うようになったのは、8年ほど前、とある村人に言われた言葉が原因でした。香蘭はその言葉に嘆くことも反発することもなく、自分を押し殺し他人を優先するようになったのです。

いつも明るくまっすぐな香蘭の、少し悲しい過去のお話は、これまで香蘭がとってきた行動と合点がいき、非常に胸を締めつけられるものがあります。

そんな、いつも自分を後回しにする香蘭が、唯一大事にしているものが、志季の届けてくれた簪でした。この簪は、志季と香蘭が出会って間もないころ、志季が香蘭に贈ったものだったのです。

物をもらってもすぐにお金に換えてしまう香蘭が、毎日大事に欠かさず簪をつけているという事実に、恋する乙女の心境やいじらしさが垣間見えます。

自分の境遇に負けず、悲しい過去を見せず、一生懸命立ち回る香蘭の姿に、やれることを精一杯やろうという勇気と前向きさをもらうことができるでしょう。

隣国の皇子が波乱を呼ぶ?志季の年齢も発覚!【4巻ネタバレ注意】

隣国「録」の皇子、春玉が留学のため晶にやってきます。春玉と志季は幼いころから互いの国を行き来する、幼馴染のような仲ですが、録では平民と貴族の仲が悪く、春玉も香蘭のことをよく思っていないようでした。

「平民」という偏見は確かにありますが、それ以外にも、志季が自分より香蘭を優先するのが面白くないという複雑な心境もあるよう。「友情の嫉妬」は恋愛以上に厄介ですよね。

著者
仲野 えみこ
出版日
2012-04-05

ただ「みんな好き合って仲がよければいいじゃない」という姿勢の志季は、春玉と香蘭を一緒に行動させようとしたり、春玉に晶の城下の様子を見せようとしたりするなど、春玉のやきもちには気づいていない様子。

志季が香蘭に優しくするほど、春玉の嫉妬心は燃え上がっていきます。おおらかといえば聞こえもいいですが、志季はなかなか大雑把というか、人の心の機微には疎いのでした。

香蘭が通う、平民も貴族も、身分・性別・年齢関係なく通える学校に、春玉を入学させてはと手配した志季ですが、春玉はついカッとなってしまい、香蘭に当たってしまいます。

仲が悪い、というだけで録の平民と貴族の関係を片付けるには、色々と根深いものがあるようで、春玉も香蘭が善人であることはわかっているようですが、どうしても素直になりきれなかったのです。

大勢の人がいる前で、香蘭に恥をかかせてしまったことを後悔してか、ぼけっとした友人の今後を心配してか、春玉は、これまで接してきたなかで気づいた香蘭の気持ちを志季に伝えてしまいます。

それを聞いた志季が今後どのような行動に出るのか、ドキドキの展開が続きます。

また、4巻では志季の側近のひとりである円夏の誕生日の話があり、そこで香蘭は初めて、志季の年齢を気にするように。

子どものような見た目なのに18歳という香蘭のギャップは、当初から何度も話題に上がっていましたが、志季の年齢はずっとわからずじまいでした。結局、香蘭は志季に年齢を教えてもらうことは出来ませんでしたが、なぜ歳を隠すのか、本当は何歳なのか、ぜひ読んで確かめていただければと存じます。

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志季の答えとその心の内は……【5巻ネタバレ注意】

春玉から香蘭の気持ちを志季に伝えてしまったと聞かされた香蘭。いつもと様子が違ったのはそのせいかと悩む香蘭に、春玉から言われたことをそのまま志季は尋ね返します。

最初は誤魔化すつもりだった香蘭ですが、そう遠くない日に何人か妃をとるという志季の言葉に、耐えきれず想いを吐露します。

「……好き…」(『帝の至宝』5巻より引用)

一瞬嬉しそうな表情を浮かべる志季ですが、香蘭は諦めることを伝え、その場を後に。しばらく会わない日々が続いたある日、志季が学校に来ることを知った香蘭は姿を隠しますが、うっかり眠ってしまい志季に見つかってしまいます。

著者
仲野 えみこ
出版日
2013-02-05

久しぶりに会った2人ですが、どうも認識に誤差があるよう。振られたという香蘭に志季は驚き、志季が驚いたことに香蘭が驚きます。好きだけど妃になりたいわけではないという香蘭に志季は驚き、香蘭も驚き……。

それぞれがそれぞれで結論を出し、また心のなかで考えたことを口に出さないので、2人の認識は常に少しずれているのです。

2人は再び「友だち」でいることを約束しますが、振れたという香蘭の発言に驚いたということは、志季としてはそんなつもりはなかったということ。香蘭は志季が自分のことを女性として意識していないと考えているようでしたが、実際はそんなこともないようでした。

志季は間違いなく香蘭を好いているのに、どこか一歩踏み出せない様子。それには志季が帝になる前、国が戦争をしていていたころの出来事が関係しているようで……。

志季が香蘭に見せてこなかった部分を見た香蘭がとった行動は、志季にとって、香蘭にとって良い結果を招くのでしょうか。香蘭の突拍子もないような提案は読んでいる側も驚いてしまうかもしれませんね。

志季の婚約者が登場、志季と香蘭の行く末は【6巻ネタバレ注意】

帝よりも力があるとされる皇太后。一向に妃をとる気配の志季にしびれを切らし、春玉のいとこである録の姫・華茗を婚約者として晶に招待していました。

皇太后に逆らうことのできない志季は、私的な外出も面会も禁止され、再び香蘭と会えないことに。婚約の噂を聞きつけた香蘭も王宮にやってきますが、皇太后の命により会うことはおろか、王宮に入ることさえ叶いません。

著者
仲野えみこ
出版日
2013-11-05

そんな香蘭を王宮内に引き入れたのは、女官の格好をした華茗でした。華茗は非常に明るく、そして変わった性格をしているようで、香蘭が志季に会いたいというと、それを手伝うためにこっそり自分の部屋へと連れてきたのです。

しかし、華茗を前にどうやって志季に会えばいいのか戸惑った香蘭は、志季に会わずにそのまま外へと出て行きました。華茗から香蘭がいたことを聞かされた志季は香蘭を追おうとしますが、皇太后のこともあり、そのまま華茗のもとに戻ります。

この志季と華茗の結婚には政略的なことも絡んでいました。志季の治める晶と、春玉の父が治める録、そしてもうひとつ「吾」という三国は危うい均衡のなか、それぞれを牽制しあい国を治めている状態だったのです。

好きや嫌いで済む話なら良かったのですが、やはり一国を治める王ともなると、そんな私的な感情に流されて物事を決定するわけにはいかないのでしょう。しかし、志季はこれまで様々な戦略を立て、無傷で味方を増やしてきた人物。

たとえ逆らえない皇太后相手であっても、志季は香蘭のために色々と手を回します。その一方で、ついに皇太后に香蘭の存在が知られ、香蘭と皇太后が対峙することに。国で最も権力のある相手に香蘭が放った言葉は、皇太后自身、心のどこかで願っていたことだったのかもしれませんね。

香蘭の想いや願いは昔からまったく変わりません。その想いに、志季や皇太后はどういった答えを見せるのか、志季と香蘭が再び会うシーンは、胸キュン必至の見どころとなっていますよ。

近づいては離れる、2人の最後の結末は……【7巻ネタバレ注意】

志季はついに、香蘭を妃に迎えることを決めます。春玉が国に帰る日、みんなの前で公開プロポーズをした志季。香蘭に惹かれているような様子もうかがえた春玉の気持ちを考えると、少し苦しいものもありますが、大切な友人の決心を笑って見届けます。

最初は大人気ないところもあり、何かと反発していた春玉ですが、やはり根はとても優しい人物なのです。彼はきっと、国同士の諍いなどより最終的には友人という人情をとる人物なのではないでしょうか。

著者
仲野 えみこ
出版日
2014-10-03

そんな彼が国へ戻って数日、録から和平同盟を破棄する旨の通達が届きます。華茗との婚約がなくなったから起こった事態かも知れませんね。国同士の戦争が起きようとしているなか、香蘭のもとにはひとりの女性が尋ねてきていました。

彼女は18年前、この村に香蘭を捨てた、香蘭の実の母親だったのです。占い師に大きくなったら国を滅ぼすと言われたから、周りの目もあり置き去りにしてしまったという母の告白に、香蘭は絶対にそんなことにならないと言い、母にあまり自分を責めないよう諭します。

しかし、その直後訪ねてきた志季に、録との戦争のことを聞き、母から聞いた占い師の言葉が事実ではないかと恐ろしくなってしまいました。自分のせいで、志季が、国が本当に滅びてしまうのではないかと。

「…ごめん志季 あたし一緒に行けない お妃さまになんてなれない」(『帝の至宝』7巻より引用)

香蘭にとっても志季にとっても悲しく厳しい一言になったのではないでしょうか。離れる覚悟を決めて言った言葉ではありますが、香蘭は友人に諭され、自分が放った言葉の過ちに気づきます。

初めは何も持っていなかった香蘭ですが、いつの間にか自分のために一生懸命動いてくれる友人たちに囲まれていました。これも全て志季と出会ったおかげです。

志季を追い戦場の陣営に向かった香蘭は、志季との想いを確かめ合い、国が滅びないために、戦争をやめさせられないか、志季に問いかけます。香蘭の提案を受けて色々と動き回った結果、録と休戦することができましたが、その条件として香蘭を人質に要求してきました。

志季はそれを拒否しますが、事態を知った香蘭が自ら人質を申し出ます。人質になれば、国に帰れるかさえもわからない状況。しかし、それを止める術はなく、香蘭は数日のうちに人質として録に行くことに。

くっついて離れて、再び近づいた2人の距離が、今度は国境さえも越えて離れようとしていました。今までで1番、心は近づいたのに、2人は側にいることができないのです。志季は香蘭を取り戻すことができるのか、最終回まで目が離せない展開が続きます。


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幸せな時間が来たと思ったらすぐにそれが崩れてしまう本作。7巻という短い巻数のなかで多くのドキドキな展開が待ち受ける作品となっていますよ。

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