【第6回】つぶやきシローのつぶやき読書/いつも遠慮してぺこぺこしているの

【第6回】つぶやきシローのつぶやき読書/いつも遠慮してぺこぺこしているの

更新:2021.12.2

小説家としてもデビューをしているつぶやきシロー。しかしどうやら、読書に対してはかなりの抵抗があるらしい。彼に「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。 第6回の今回は、生き方を考えるきっかけになるかもしれない、こんな本を読んでもらいました。

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シールの付いたバナナをゲットした時の幸福感

スーパーのレジに並んでいるとイライラすることがある。それは前に並んでいる人を見てしまうから。そしてその前の人が支払いをもたついているから。

財布の小銭入れの中に指を突っ込んで、10円玉にぴったりくっついた1円玉が取りにくかったり、100円玉かと思ったら50円玉だったりしているのかな。しまいには、小銭をばらまいて、店員さんに数えてもらっている。

僕は、レジに並んでいる間に、小銭をそれぞれ何枚持っているか把握しておく。
そして、あった場合は、5円玉1枚と1円玉4枚だけ取り出し、最大端数の9円がすぐ出せるように握りしめています。1~9円の全てに対応できます。よーしドンとこい!いくらでもいいぞ、すぐに払ってやる、払いたいんだ、もういくらでもいい、最後の一桁が0でも、この9円払わせてくれ!

そして、会計の最後が9円だった時!
即座に9円を出したことに驚くレジの人。財布の小銭入れはスッキリ。しかもその5円玉が緑がかった、ちょっと汚い5円玉で、それを流出できたとなれば、これ以上ない幸せを感じます。

タイトル
「どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた」

著者
["吉田 尚記", "石川 善樹"]
出版日
2017-09-21

難しい本じゃないよ。
予防医学の研究者とニッポン放送のアナウンサーが対談形式で繰り広げていて読みやすい。
二人とも頭いいんだね。

「幸せ」に関するこういう本って、どこか宗教的になったりするケースがあるけど、その心配はなかった。逆に、そこまで科学的でもなく、二人の会話が横道にそれたり、それ過ぎたりしておもしろい。

本気で幸せについて考えたい人にとっては、少し物足りないかもしれない。
ちゃんと答えをくれよ!って思うかもしれない。

だって、約200ページの本なんだけど、最後の第7章のタイトルが、「幸せに生きる方法が見えてきた!」だからね。遅い!

180ページ目でやっと。
フリが長い!
しかも、見えたんじゃなくて、見えてきたって。

でも、そういうことなのかもしれないね。
「幸せに生きる方法」なんて、
そういうことかもしれない。

ずっと模索し続けて、目の前の小っちゃな幸せに一喜一憂し、振り回されつつも満足するよう自分に言い聞かせ、人生が終わりに近づいた時にやっと、もしかして「幸せに生きる方法」って、こうすればいいのかな?なんて感じ取れたら大成功なのかもね。

そう思うと、この本全体が人生の縮図に見えてくる。
各章の中が細かい項目に分かれており、スイスイ読める。項目にキャッチ―なワードを使って大風呂敷を敷いた割には、着地そこ?っていうギャップもあるけど、そこは対談、気にならないくらい次を読みたくなる。

わかりやすく楽しい文章で、読んでいる間は幸せだった。この時間をもらえただけでも、ありがたい。いい本だ。

あ、終わりそうになっちゃったから、ちょっと目に止まったところを抜粋して書いとくね。

僕は、どちらかというとネガティブな方なんだけど、「人は下を向くとネガティブになるし、逆に上を向くとポジティブになるらしい」と太字で書いてある。

そういえば、元気がない時は、無理やりにでも鏡を見て笑顔を作っていると、脳が勘違いして気分が上昇するなんて言われている。けれど僕は、そのメカニズムを知った上で、絶対だろうな!僕の鬱状態をなめるなよ!と喧嘩腰で鏡を見るから全然ポジティブにならないのだ。

ちなみに、その人がポジティブ感情やネガティブ感情のどちらを感じやすいかは、遺伝でかなり決まってくるらしい。知らなかった。

そういえば、小学校の修学旅行の時、母親からお小遣いのお金を盗まれてもいいように、お金を4か所に分けて隠しておけと言われた。母親も相当ネガティブだ。言う通りにしたけど、全額盗まれないにしても、逆にお金を盗まれる可能性は高くなるのにね。

あと、「面白い」で進む人もいれば、「怒り」でどこまでも突き進む人もいるし、人の原動力はさまざまらしい。自分を本当に動かしてくれる感情は何かを理解しておくことは、絶対に人生の役に立つはずだと言っている。

僕の場合は「怒り」かな。やっぱネガティブだよね。バカにされ続けていて、ちょっとマヒしちゃってるけどね。でも人が怒っているって、面白かったりするんだよね。結果「怒り」を笑いに変えて「面白い」で進んでいる人に僕も入るのかな。

日本は、「世界幸福度ランキング」51位。
よく、幸福度が高いと言われているブータンは、なんと97位。
1位は、ノルウェーでした。

「幸せ」への影響力の強い順は、1位「個人所得」。
やっぱ、お金なのかな。わかりやすい。
2位は「困った時に助けてくれる人がいる」。
3位は「健康」、やっときた!お金もなく困った時に助けてくれる人が誰もいない僕は、人間ドッグ行ってないけど、健康だと信じています。

問題は4位「自分の人生を自由に選べるか」。
本当は自由なのにどうして自由にやらないか?
それは今の自分の状態が嫌いじゃないからだと言っている。

「もっと自分の欲望に忠実であればよかった」は、人が死ぬ前に後悔することトップ3に入る。
じゃあ、不倫しちゃおっかな~ってなるけどね。

そういえばホンシェルジュから送られてきた中に「はじめての不倫学」という本があったから、次回はこれにしようかな。

確かに、人の迷惑を顧みず欲望のまま生きられたら幸せかもしれないと思う時もあるよね。
けどどうしても、自分勝手にできないよね、悪いもん。
でもこれじゃいけないんでしょ、自分の欲望を押し通さないと、幸せになれないし、死ぬ前に後悔するんでしょ。

明日仕事場でいろんな人と会うんだよね。
年上の先輩やきれいな人や偉い人や、いっぱい会うんだよね。
いつも遠慮してぺこぺこしているの。
よーし、今日は欲望のまま、にんにくいっぱい食ってやる!

この記事が含まれる特集

  • つぶやき読書

    お笑い芸人のつぶやきシローさん。小説家としてもデビューをしています。しかし、「本を1冊読むのに数ヶ月かかることもある」など、読書に対してかなりの抵抗があるらしい。「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。隔週金曜日更新!

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