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みうらじゅんの「むかし」と「いま」のおすすめ本5選!サブカルの帝王

更新:2020.12.2 作成:2016.11.6

言わずと知れたサブカルチャーの帝王みうらじゅん。彼はその旺盛すぎる好奇心で様々なものを流行の波に乗せ、人々に新しい考え方を伝えてきました。興味の対照はエロから仏像まで様々な分野に及びます。 彼のそのエネルギーはどのようにして生み出されてきたのでしょうか?今回は青春をこじらせまくった「むかし」とそれを経て大人になった「いま」のみうらじゅんが感じられる本5冊をご紹介します。

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漫画、エッセイ、バンドとマルチに活躍するみうらじゅん

みうらじゅんは1958年京都府生まれの漫画家。大学在学中に糸井重里の事務所に出入りし、特に何をする訳でもなく頼まれるとたまにイラストのカットを書いていたそうです。その後1980年「月刊漫画ガロ」でデビューし、1982年「週刊ヤングマガジン」でちばてつや賞を受賞後は各雑誌でエッセイやイラストを書くようになります。

1980年後半からはラジオやテレビにも出演。「いかすバンド天国」で「大島渚」という名でバンド活動をするなど多岐にわたって活躍しています。

もはや日常に定着した言葉『マイブームの魂』

数々のサブカルチャーを生み出してきたみうらじゅんは新しい概念を新しい言葉で世間にプレゼンします。クソゲー、DT、ゆるキャラ……。その中でもはや日常語となったのが「マイブーム」ではないでしょうか。1997年「現代用語の基礎知識」による新語・流行語大賞のトップテンに選出・表彰されたことで一気に普及しました。
著者
みうら じゅん
出版日

マイブームとは個人的な好みを、自分の中の流行と言い換えること。そして最も重要なのはそれを発信し、マイブームが本当の大ブームになるよう努力することだとみうらじゅんは言います。まさにこれこそが彼の本質でしょう。

本書は1997年当時彼の中で流行っていた人や物を圧倒的な熱量で押しています。何言ってるんだ?と思わせる間もないほどいいとしか思えない!と言われ続けると、確かに気になるもの。何かを追い求める熱の高さにういた彼独特の世界は、笑いながらも少しうらやましくなります。

おすすめの仏像見てみようかなぁ……、自分も何か始めてみようかなぁ……。そうなってしまえばもう、みうらじゅんのペースです。

自分探しの旅って疲れるわー!『青春ノイローゼ』

勇者でありたい!ヒロインでありたい!誰しも自分が主役で大事。ただ成長するにつれて現実を知り、自分にふさわしいポジションで収まるもの。青春時代の「自分は特別なんじゃないか」という思いはしぼんでいきます。しかしみうらじゅんは違う!この本は中年になっても青春真っ只中の彼の、自分探しの心の旅を描いた自伝的エッセイ集です。
著者
みうら じゅん
出版日

連載当初は、脇役だけど存在感のある芸能人と自分を比較して主役じゃないと気がすまなかった自分の反省に活かそうとスタートしました。しかしそこはやはり彼のフィールド外。結局自分のことに終始します。

みうらじゅんは様々なことに興味を持ちますが、同時にとても我流。その強い自意識と闘う様子は共感出来そうで、なんでそういう方向に行っちゃうの!?と突っ込まずにもいられない面白さがあります。彼と一緒に青春のあのどろどろの中にタイムスリップしてみませんか?

少し切ない青春『その昔、君と僕が恋をしてた頃』

『青春ノイローゼ』がギャグ目線で書かれた彼の青春なら、本作で描かれるのはピュアな甘酸っぱい彼の青春。みうらじゅんは物語をセンチメンタルに語るのもとてもうまいのです。
著者
みうら じゅん
出版日
2013-08-24

いつだって背伸びして、自分とのギャップに苦しんでいた。そんな彼の青春時代がばかばかしい、だらしないシチュエーションに囲まれながら、どこか感傷的に描かれます。

みうらじゅんは笑えるエンタメとしてエッセイを書くことが多いですが、それだけで終わるのはやはりもったいない!彼の青春時代にギャグ、真面目、両方面からアプローチしてみると、より彼の「むかし」が深く理解できます。ひとりのどこにでもいる、でも変な男の子のむかしのはなしです。

ゆるーく話そう『どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか』

サブカル界のアイドルリリー・フランキーとみうらじゅんの最初で最後の対談集です。

肩の力が抜けていてなんだかかっこいいふたりの大人が「死」「人生」「友情」「仕事」などの固いテーマについて「いやぁー、どうやらみんな死ぬって聞いたんだけど」という飲み屋にいる様なノリでテキトーに語ります。そんなノリでありながらも「人生の本質を深く語り直しておきたい」との要望から1年かけて繰り返された対談集、名言が続出します。
著者
["みうらじゅん", "リリー・フランキー"]
出版日
2011-11-23

それらの名言に共通するのは彼ら独自の達観。中年のおじさんふたりの人生観は人を追いつめることのないだらしない優しさに溢れています。タイトルこそ「死」というキーワードが入っていますが、読み終わった後には、その対極にある気持ちにさせられるもの。何か重い気持ちが楽になったな、とりあえず明日も頑張ってみるか、という前向きな気持ちになれます。

考えすぎてしまう疲れた人に彼らは力むことなく励ましてくれます。生を受けた時点で勝ちを知っている、「負けてティッシュにくるまれてるやつとは、わけが違う」あなたなんだから大丈夫だよと。

みうらじゅんの流儀『「ない仕事」の作り方』

彼は自信の職業を「イラストレーターなど」という表記の「など」だと語っています。皆さんはみうらじゅんが何やってるかよくわかんない人だと感じているのではないでしょうか?まさにそれは彼の意図していることで、既存の概念や職業図鑑にはないような穴場を探すことが彼の仕事なのです。そして企画、ネーミング、デザイン、執筆、営業までを自分ひとりで行なう仕事を「1人電通」とも言い換えます。
著者
みうら じゅん
出版日
2015-11-24

本書は彼がその仕事スタイルを初めてまとめたもの。幼少期に見る現在の姿へのヒントや、どのようにして「マイブーム」や「ゆるキャラ」を仕掛けていったのか。最も重要なことは定めた対象に圧倒的に熱心になれるかだと言います。

単純作業が減り、どのように人と差別化していくかが重要になってくる現代で、だれにも被らない自律した仕事をするみうらじゅんの仕事術はどのような仕事をしている人にも役立つもの。今までのコラムやエッセイもこれを読んでから読むと更に深く味わえる、彼自身の核が記されたものです。

いかかでしたか?その多彩な才能と求め続けるエネルギーでサブカルの帝王と呼ばれるようになったみうらじゅん。思考を仕事にすることのできた希有な存在の彼が語る言葉は、彼にしか出せないものばかり。青春を引きずり続け、それをうまく仕事に昇華した変遷をたどれば、悩みも悪いものじゃないなと思わせてくれます。

彼の「むかし」と「いま」を読んで、自分の嫌なところも何かの形で自分を力づけるものにしたいですね。