適当なことを、言う。~新・"やまゆう"のなまぬる子育て相談処~

適当なことを、言う。~新・"やまゆう"のなまぬる子育て相談処~

更新:2021.4.5

長野で農家の嫁をやりつつ、息子を育てつつ、俳優をしている山本裕子(やまゆう)のなまぬるい子育て連載第11回。毎週水曜更新です。今回のお悩み相談は「質問期」について。山本裕子はどう答える?

山本裕子プロフィール画像
俳優
山本裕子
劇団・青年団所属。1974年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。ドラマ『踊る大捜査線』にはまり、警察官僚を目指すか、このまま司法試験に向け勉強を続けるか、散々迷った末、勢い余って俳優になる。現在長野県在住。四歳の男児持ち。「トマト農家の嫁」と「俳優」二足の草鞋を履く。 【出演情報】 映画「シスターフッド」 監督:西原孝至 アップリンク吉祥寺にて特集上映 2020年1月4日(土)19:50の回 https://joji.uplink.co.jp/movie/2019/4221
  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

適当なことを、言う。

子育て中の皆様ならびにそうでない皆様アンドおとっつあんおっかさん、おつかれさまです、やまゆうです。

毎日寒いですね。なんだよ最強寒波って。わたし、おしり下まで丈のある、内側にモコモコついた極厚のパーカーを、お風呂入るとき以外もう片時も脱げません。

頭から黒いフードすっぽりかぶって、

「ううう…さむい…さむいィィィ…」

とぶつぶつ呟きながら、猫背気味に晩ごはんの鍋かき回す姿はさながら魔女だ。悪いほうのやつ。

では今週も元気にレッツラゴー。

____________________

2才8か月の女の子の母です。

いま「なんで?」「どうして?」がブームらしく、1日に何十回も聞かれます。

「○○だねー」→「なんで?」→「××だからだよ」→「どうして?」→「それは、えっと、□□だから…」→「なんで?」、以下ループ。

発達に大切なことだし、できるだけきちんと答えたいと思っていますが、朝から晩まで質問攻めで、ついついイラッとしてしまいます。あーあ。(P.N.大さじ小さじ)

____________________

うちの小さじがどっかいっちゃって、見つかりません。どこいったんかな。小さじだけ買うのもなんだかしゃくだしなあ。

あの質問攻撃、「なんでなんで期」とか「質問期」とか呼ぶらしいですね。

「適当に流したりせず、根気よく丁寧に答えてあげましょう」

とか書いてあるけど、そんな正論言われてもな。会話ループで毎日が不条理SFだぜ。

「さむいねー」

「寒いねー」

「なんでさむいの?」

「冬だからねぇ」

「なんでふゆなの?」

「(お、そこきたか)んー、暑いときと、寒いときが順番にくるのよ。そんで、今はその寒いほうなんだよ」

「あー!それでさむいのかー!」

「(ホッ)そうそう~」

「なんで?」

「……え?」

「なんでさむいの?」

「え、だからさー…」

「なんで?」

「…えっと、太陽が、あ、おひさまがさ、地球に向いてる角度でさ、あったかくなったり寒くなったりするんだけど、あ、地球っていうのは、セイくん(仮名)が今いる、ここ、ホラここのことで、えっとー、なんだ、まず公転と自転ていうのがあるのよ、地球がね、おひさまの周りを、こう、まわるのが公転でさ、えーっと……

あ!見てみて!ポストがあるよ~~~!」

忍法・母無理やり話題を変える、の術。

ねえ大さじ小さじさん、知ってる?この「質問期」ってなんか、6才くらいまで続くみたいですよ。あたしたち、そんな長期間、真摯に質問に向き合っていけると思う?耐えられると思う?!

「そーねー、なんでだろーねー(棒)」

「母ちゃんにもわかんないなー不思議だねー(棒)」

最近、どんどんスルースキルが上がってきましたよ。

なんか、ぜんぶ子育てのせいにするのもあれですけどね、出産前の己と比べて、適当に返事することが格段に増えた気がする。もう、脊髄反射でしゃべってんじゃねーか?

お子って、こっちが何してようがタイミング構わず話しかけてくるからさ、そんで「待て!」ができないからさ、ごはん作ってる最中だったり、本読んでたり、運転中だったり、なんかしら作業してるときにわあわあ話しかけられると、つい脳稼働率0.03%くらいで流しちゃう。というか、口が勝手に答えている。自動運転だ。

「かあちゃんかあちゃんー!かあちゃんは、まほうがっこう、いった?」

「はいはい行ったよー、母ちゃん包丁使ってるからこっちこないのよ」

「じゃあ、そら、とべるの?」

「もちろん飛べるよー、ほら、だからこっち来ちゃだめだってば」

「じゃあ、とんでみて?ねえ!ねえ、いま!」

「はいはい、今はごはん作ってるからねーまた今度ねー」

「いーまー!いまとんでほしいの!」

「だーかーら、危ないってば!フライパン今すっごい熱いんだよ?ああもう!

魔法はね、ひとに見られちゃいけないの!だから、今はダメ!」

「なんで?」

「なんで?!だって、みんながびっくりしちゃうじゃん!」

「なんで?」

「えええ?!おじいちゃんにごはんだよーて言ってきて!ほら、言えるかな~~よーい、どん!」

ウソ、をついているわけでは、ないの。

「飛べる?」「飛べないよ」「ふーん」で会話終わるより、どーんと設定に乗っかったほうが、なんか会話の幅が広がるかと思って。

そしたらね。広がりがとまりません。

今現在2月時点で、

  • 母ちゃんは12才のときに魔法学校に入った。なお父ちゃんは行ってない。 
  • ホウキで空を飛んだり、巨大化したり、なんかいろいろできる。 
  • サンタクロースも、魔女の宅急便のキキも、鬼太郎も、そのへんみんな卒業生。 
  • 学校は大阪にある。 
  • 今度のハロウィンには、ホウキの母ちゃんの前にまたがって、じいじばあばの家まで飛んで行く。 

というとこまで決まっています。

問題のホウキ。

なんだか前頭葉が発達してきたのか、お子もだんだん過去の会話の内容を覚えてるようになって、ちょっと辻褄合わないこと言うと、

「え?○○○っていってたじゃない!」

とか的確に指摘してきやがるので、迂闊なことが言えなくなってきてしまった。迂闊なことばっか言ってきたのに!

このままでは母ちゃんはただのウソつきだ。

どなたか、魔法学校をご存じの方いらっしゃいませんか。わたし、10月末日までにホウキで空飛べるようにならんといかんのです。では、逃げるようにまた来週。

_____________

お悩み、ご相談、愚痴などの送り先はこちらまで。

次回:2月28日水曜更新予定

この記事が含まれる特集

もっと見る もっと見る