片岡人生と近藤一馬のタッグが描く『デッドマン・ワンダーランド』。無実の罪で死刑を宣告された少年が、監獄でサバイバルアクションをくり広げます。各キャラクターの魅力や最終巻の見どころをご紹介していきましょう。
「月刊少年エース」で2007年から連載されていた本作。2011年にはテレビアニメ化もされました。
主人公の少年が、ある日無実の罪で捕まり死刑を宣告され、「デッドマン・ワンダーランド」という刑務所に収監されてしまいます。
本作の魅力は、なんといっても監獄内でくり広げられる壮絶なバトル。臨場感たっぷりです。
主人公を含む囚人たちには「コード」という名前が付けられるのですが、ここにも謎が隠されているのでぜひ注目してみてください。
- 著者
- ["片岡 人生", "近藤 一馬"]
- 出版日
- 2007-09-26
主人公は五十嵐丸太(いがらしがんた)、ごく普通の中学生です。その日もいつもどおり学校で友人と過ごしていると、突然巨大な「赤い男」が現れ、彼を除くすべてのクラスメイトが殺されてしまいました。
そしてガンタはこの惨劇の犯人にされてしまい、なんと「死刑」に。日本に唯一ある完全民営化刑務所「デッドマン・ワンダーランド」に収監されるのです。
そこで彼は不思議な能力「罪の枝」を使えるようになり、「デッドマン」と呼ばれる存在になりました。不条理が蔓延る刑務所から脱出することができるのでしょうか。
本作の主人公。「赤い男」から襲撃を受け、唯一生き残った少年です。そのおかげで事件の犯人にされてしまいました。
「赤い男」から赤いダイヤを撃ち込まれたことにより、「罪の枝」という特殊能力を使える「デッドマン」という存在になります。
コード名は「ウッドペッカー」。1巻の冒頭で、ウッドペッカーの歌が流れているのですが、これはガンタのことを指しているのでしょうか……?
幼少期は母親とともに「国立医療防疫センター」で過ごしていたことがわかっていて、そこである衝撃的な事件を目撃したせいでトラウマを受け、ある人との約束も含めた思い出をすべて忘れてしまいました。
この時の記憶を取り戻すことが、本作に横たわる大きな謎を解決することに繋がります。ただ、謎を解くことが彼にとって幸せなのかどうかは別問題。物語の行きつく先が気になりますね。
- 著者
- ["片岡 人生", "近藤 一馬"]
- 出版日
- 2007-12-01
本作のヒロイン。真っ白な長い髪の毛が特徴的です。ガンタとは「デッドマン・ワンダーランド」内で出会いました。ただシロは彼と幼馴染で親友だと自称していて……。
彼女自身はデッドマンではなく、「罪の枝」も使えませんが、そもそもの身体能力が異常。また痛覚を失っているので、バトルにおいてはかなりのポテンシャルを持ちあわせています。戦闘中、ガンタのことをフォローする場面も見られました。
とにかくガンタのことが大好き。会いたいがために牢屋に忍び込んだり、手料理を振る舞ったりと純粋で献身的な性格です。
- 著者
- ["近藤 一馬", "片岡 人生"]
- 出版日
- 2008-05-26
「デッドマン・ワンダーランド」の囚人、鷹見水名月(たかみみなつき)。一見引っ込み思案で物腰の柔らかい美少女ですが、それは表向きの姿です。
本来の彼女は誰のことも信用できない性格で、放送禁止用語を乱発し、乱暴で狂気的で攻撃的。ただこのような性格になってしまったのは、かつて起きた「東京大震災」の際、母親が彼女のことを振り払って逃げていったことがきっかけのようでした。
コード名は「ハミング・バード」。髪の毛と血をからめて鞭のように使い、攻撃してくるデッドマンです。ガンタと戦って負けたことで髪の毛を失いましたが、その後はやや素直になり、彼らを助けてくれる姿も見られました。
本作のキーマンであり、すべての元凶。名前のとおり真っ赤な見た目をしています。「デッドマン・ワンダーランド」が発足される要因となった「東京大震災」を引き起こし、ガンタの同級生を皆殺しにした張本人です。
血を高速で超圧縮し、物体を消滅させるという「罪の枝」を使うデッドマン。
刑務所内に設置されている「マザーグースシステム」によって普段は封印されているようですが、その封印が解かれるのはどんな時なのでしょうか。
そして赤い男の正体は何なのでしょうか。
最初から最後まで「不条理」との戦いが描かれている本作。主人公のガンタが、証拠もなく大量殺人犯として死刑を宣告されるところからはじまり、監獄内では陰湿な虐めや常識の通じない制度に悩まされ、「デッドマン」になった後は仲間同士で強制的な殺し合いをさせられ、負けた者は実験台になり……
そんななか、あの「赤い男」が再びガンタに襲いかかってくるのです。
乗り越えても乗り越えても矢継ぎ早にやってくる不条理に、とうとう最終巻で終止符が打たれるのですが、ガンタはどのように決着をつけるのでしょうか。「赤い男」との決戦が見どころになっています。
- 著者
- ["片岡 人生", "近藤 一馬"]
- 出版日
- 2013-08-22
カギを握るのは、「レチッド・エッグ」という言葉。ガンタが「赤い男」に打ち込まれたものは「アンチ・レチッド・エッグ」と呼ばれており、対をなす存在だということがわかりました。
そして、ガンタのコード名と同じ、「ウッド・ペッカー」の歌が流れます。1巻でも意味ありげに描かれたその歌の歌詞がこちら。
悪さばかりのウッドペッカー
今日も穴あけ 森ボロだらけ
怒ったウッド・ゴッド くちばしを毒に変えた
困ったウッドペッカー 巣穴が毒に ご飯も毒に
友達に触れれば 死ぬばかり 悲しんだ ウッドペッカー
毒の涙がキラキラ光る(『デッドマン・ワンダーランド』13巻より引用)
「アンチ・レチッド・エッグ」を持つ「ウッドペッカー」のガンタ、彼が関わった人たちが次々と死んでいく現状を歌ったものなのでしょうか。
しかし作中でとある女性が、この歌はシロをモデルにして作ったと発言しています。ガンタとシロの関係の秘密も、ここに隠されていそうですね。
最終巻では真実がすべて明かされ、「赤い男」とも決着がつきます。最後に笑うのは誰なのか、そもそも誰かが笑えるのか、ぜひその目で確かめてみてください。
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謎だらけで不条理だらけの『デッドマン・ワンダーランド』。シロの正体や「赤い男」の真実に、読めばきっと震えてしまうはずです。