広告で気になる漫画を徹底分析!次にくるタイトルは『報復刑』だ!

更新:2021.11.13

最近さまざまなところで見るようになった漫画の広告。印象的なキャッチフレーズや画像で気になっていたという方も多いのではないでしょうか?今回はそんな広告で注目されている漫画作品を分析!特に引きの強いグロ系に特化しておすすめの作品まで調べてみました。

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広告で気になる漫画を徹底分析!次にくるタイトルは『報復刑』だ!

報復刑(1) (ビッグコミックス)

トータス杉村
小学館

 

まとめサイトやおもしろ記事を見ていると、何気なく目にする漫画の広告。たまにとても内容が気になる漫画、ありませんか?

そんな方に、最近流行りの「広告でよく出る漫画」について分析し、その中のジャンルでも特にグロ系に注目。その系統の作品の中から『善悪の屑(外道の歌)』、『報復刑』についての魅力をご紹介します!

 

広告を出している電子書店、広告になった漫画を一覧でまとめてみた!

まずは広告を出している電子書店をまとめてみました。

<電子書店>

 

  • めちゃコミック
     
  • コミックシーモア
     
  • まんが王国
     
  • BookLive
     
  • Renta!
     
  • Yahoo!ブックストア
     
  • handyコミック
     
  • コミなび
     

 

各電子書店、様々な作品で広告を出しているようですが、バナーに使用されている漫画にもジャンルがあることに気が付きました。

ここからはそれぞれのジャンルでざっくり分けてみましょう。

(1)グロ系

著者
カトウ タカヒロ
出版日
2017-01-12

殺人や暴力、猟奇的なシーンがバナー広告で使用され、思わず目を覆ってしまいたくなるような漫画作品です。

例:『善悪の屑』『うなぎ鬼』『生贄投票』『食糧人類-Starving Anonymous-』『地獄の教頭』『ジンメン』『オーダーメイド』『ギフト±』など

(2)社会問題系

著者
沖田 ×華
出版日
2015-05-13

ネット上の問題や借金、虐待、養護施設などを題材としており、続きが気になるような衝撃のある漫画作品です。

例:『地獄を見た女たち~ギフト~』『SNS地獄』『ゴミ屋敷とトイプードルと私』『ちいさいひと 青葉児童相談所物語』『透明なゆりかご』

(3)コンプレックス系

著者
尾崎 衣良
出版日
2015-04-10

外見や出自、関係性にコンプレックスを抱く登場人物にフォーカスした漫画作品です。

例:『深夜のダメ恋図鑑』『ヒル』『先生の白い嘘』『オーダーメイド』

(4)恋愛系

著者
ムサヲ
出版日

胸キュン告白やクスッと笑ってしまうシーンが特徴的な漫画作品です。

例:『ヲタクに恋は難しい』『恋と嘘』『凪のお暇』『私の少年』

(5)ちょいエロ系

著者
嶋木 あこ
出版日
2016-08-26

ギャグエロから不倫、浮気など、どこかアダルトな雰囲気が漂う漫画作品です。

例:『ぼくの輪廻』『金魚妻』『エロスの種子』『復讐の未亡人』『終末のハーレム』『漫画家とヤクザ』『君は淫らな僕の女王』

『ぼくの輪廻』広告バナー

(6)ガチエロ系

 

肌色率が高く、見るからに性行為を連想させる漫画作品です。

例:『ノラネコ少女との暮らしかた』『俺得修学旅行』『人妻交姦ゲーム』『スクールカースト』

 

(7)その他時期モノ

著者
花田 陵
出版日
2013-09-20

アニメ化・映画化作品など、一時的に話題になる漫画作品です。

 

 

例:『デビルズライン』『クズの本懐』『恋は雨上がりのように』『東京タラレバ娘』(※2018年3月現在)

『恋は雨上がりのように』広告バナー

このように様々な漫画作品が、電子書店の広告に使われています。このなかでも、よくバナーをクリックしてしまうのが(1)グロ系なのではないでしょうか。

今回は、これまでのグロ系作品に注目しつつ、次に広告できそうな作品をピックアップしたいと思います!

グロ系広告の代名詞、漫画『善悪の屑』はなぜこんなにも流行るのか。

『善悪の屑』(全5巻)は、少年画報社「ヤングキング」で連載されていた渡邊ダイスケ先生の作品。現在は『善悪の屑』の続編としてタイトルを変更した、第2部『外道の歌』が連載されています。

一時期あらゆるWEBサイトで広告バナーを見かけない日はなかった本作。まずは簡単にあらすじをご紹介します。

著者
渡邊 ダイスケ
出版日
2016-08-08

『善悪の屑』あらすじ
世の中には、法で裁くことのできない罪がある。
重い記憶を背負ったふたりの男が行うのは「復讐の代行」。
一人息子を殺され、自らも性的暴行を受けたシングルマザー。イジメにより孫を殺されたおばあさんなど、2人の男の元には日々苦しみを背負った被害者が訪れる。
屑には屑による制裁を。「正義」とは何かを考えずにはいられない衝撃的問題作!

『善悪の屑』の特徴は、法で裁けない犯罪に対して主人公・鴨ノ目が、時には非道ともいえる手で復讐を行うことです。冷徹に、拷問のような手段で犯罪者を裁くシーンがよくバナーに使われています。

しかしこの作品、ただグロいだけという理由で人の目を引くのかというと、それとは少し違う気がします。

『善悪の屑』の真骨頂は、被害者が苦しみ・悲しみを乗り越えるため、「復讐代行」という形で無念を晴らす肩代わりをしていることにあるのです。そこには切なさや、苦悩があります。こんな見応えある内容が注目された理由でもあるのでしょう。

読む人を選ぶ作品ではありますが、決して単なる暴力的な漫画というわけではないのです。

次に広告にされそうなのはこの作品!『善悪の屑』に次ぐ漫画『報復刑』

『善悪の屑』の魅力に触れた次にご紹介するのは、小学館から発売されている『報復刑』です!

現在は電子配信だけのようですが、この『報復刑』も殺人犯罪によって、大事な人を奪われた遺族に寄り添った内容となっています。まずはこの作品も、あらすじをご紹介します。

 

『報復刑』あらすじ
もし報復が合法的に認められたとしたら……。
舞台は日本。死刑制度が廃止され、新たに「報復刑」が成立しています。 
中学生の息子を殺された父。夫が局部を包丁で切られ、そのあとに無残な殺され方をした妻。長年苦労をともにした妻をいたずらな思いで殺された老人。 
彼らの心からの声、憤り、悲しみが「報復刑」によって犯人に罪を問う時、どんな事件が起こるのでしょうか?
 

舞台は20XX年、「死刑制度」が廃止され新たに「報復刑」が制定された日本。報復刑とは、大事な人を奪われた遺族が加害者に対し、自ら裁くことができる刑です。

『善悪の屑』との違いは、被害者の遺族が自分で加害者を裁く(=殺す)ことができることです。1巻のエピソードの中から、印象的だった話をご紹介します。

残された遺族の心情を描く物語は、これまでに映画・ドラマ・漫画でも数多く描かれてきました。

「加害者が死ねば、遺族は救われるのか」

正義とは何か、人間の善意とは何かを深く考えさせられるテーマとなっています。

加害者が幼少期父親から酷い虐待を受け、罪を犯してしまったという背景があったとしても、残された遺族にとっては同情する理由とはなりません。

「報復刑」も、「殺人」であることに変わりはない。

それでも遺族は報復刑を希望し、実行する。時には加害者の心からの反省を汲んで、途中で刑の執行を放棄し、前を向いて歩き始める遺族もいます。

自分が遺族の場になった時、どうするだろうか。そんなことを考えさせられます。

作中の人物たちの心情描写は多種多様で、とてもリアルです。そんな人物たちをみて、どう感じるかを試していただきたい一作だと思います。

また、バナー広告は印象的な引きの強いシーンが命!

『報復刑』はそういったシーンの多さも、読者がどうしても「続きが気になる」要因となっているのではないでしょうか。

作中第一話で、就職活動中の一人娘を殺された父親が、加害者ふたりに報復刑を実行するシーンから、一部抜粋してご紹介いたします。

反省している、と地に頭を下げて涙ぐむ加害者のひとりに対し、遺族である父親が浴びせた言葉がこれです。

「本当に反省しているのならできるだろう。」(『報復刑』1巻より引用)

冷静でありながら、加害者が本当に心の底から反省しているのかどうかを、見極めるかのような問いです。

「できるわけがない」と自殺を拒否し、報復刑執行から見逃してもらうため、心無い謝罪をしながら逃げ惑う加害者を見下ろし、父親が放った言葉は……。

また、この他にもおすすめのシーンがあります。

もうすぐ子どもが産まれる妊婦の夫が、男性の大事な部分を…といった、言葉にするにもおぞましいほど、無残な殺され方をしました。怒りと悲しみを抱きながら、残された妊婦は報復刑を実行することを選びます。

犯人を前にし、抑えきれない感情をあらわにするシーンが印象的でした。実はすでに、電子書店でバナー広告が出されていたようなので、ご紹介します。

『報復刑』広告バナー

「死」とは、本当に恐ろしいもの。

死んでしまったら明日は来ない、訪れるはずだった幸せを感じることもできない。他人の人生を奪うことが、どれほど大きい罪なのか。大事な人を奪った側・奪われた側も、その後の人生が大きく狂う出来事、それが「殺人」なのだと感じ得ないエピソードとなっておりました。

『善悪の屑』に引き続き、正義とは何か、を考える『報復刑』。次の電子書籍の広告ブームの一端を担うのではないでしょうか。この他にも見所満載の作品ですので、ぜひ作品をご覧ください。

※本記事に掲載されている画像は、すべて権利者の許可を得ています。

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