すっかり暖かくなり、桜の花びらも美しく咲き誇る季節になりました。皆さん、いかがお過ごしですか? 私がホンシェルジュで連載させていただいてから、2年が経ちました。こんなに長く、大好きな本に関わるお仕事をさせていただけるとは思ってもいなかったので、本当に嬉しいですし、幸せでいっぱいです。3年目もよろしくお願います! さて今月は、「人の死」にまつわるお話を紹介します。最近少しずつ、死というものに向き合う機会が増えてきました。答えなんて分からないですし、あるかどうかさえもわかりませんが、少しでも向き合うきっかけになったらいいなと思います。
- 著者
- 湯本 香樹実
- 出版日
- 1994-03-01
人が死ぬ瞬間を自分たちの目で見るために、生ける屍のような老人を観察し始めた少年たちのお話です。ハッピーエンドともバッドエンドとも言えない、ある少年の青春の1ページを切り取った、そんな印象を受けました。
人の死を経て、また自分の人生を歩んでいく。教訓として、経験として、私たちの中で生きていてくれるんだと感じました。
寂しさの中にある温もりだったり、不器用さの中にある優しさだったり。少年たちが大人へ変わっていく、成長していく姿がとても逞しく見えました。皆様もぜひ。
- 著者
- 梨木 香歩
- 出版日
- 2001-08-01
皆さん一度はこのタイトルを聞いたことがあるのではないでしょうか。よく学校の図書室に置いてありましたが、なかなか手に取る機会がなく、ようやく読めました。中学生の女の子と、西の魔女こと女の子のおばあちゃんのお話です。
中学生の思春期特有の悩みだったり、感性の鋭さだったり、私にもそんな時期があったなーと思い出させてくれるようでした。そしておばあちゃん。優しさの中にある強さ。芯の通ったかっこいい女性で、私もおばあちゃんの言葉に感銘を受けました。
「死」というものに対する受け取り方が、少しばかり変わったような気がします。皆様もぜひ。
本とアイドル
アイドルが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、詩集に写真集に絵本。幅広い本と出会えます。インタビューも。