どうも、橋本淳です。4月ですか。早いですね。暖かくなり、気持ちのよい毎日。 花粉症の方を横目に見ながら、桜見物で馬鹿騒ぎをしてる方を背中で感じながら、舞台の本番に向けている毎日です。
舞台「PHOTOGRAPH51」は4月6日から開幕です。
稽古中はよく、リセットしたい欲と感情をリフレッシュしたい欲に駆られます。
それが日々にチャージになったりならなかったりする。映画を見たり本を読んだりで補います。夜も暖かくなってきたので、窓を開け、夜風に当たりながら、今月はこの3冊をご紹介。魚喃キリコさん 特集です。
嗚呼、心が掻き乱される。
嗚呼、心に染み渡る。
あのセリフ。
や
あの画。
皆さまも、ぜひ。
- 著者
- 魚喃 キリコ
- 出版日
ツチダは同棲中のせいちゃんの夢を叶えるために生活を支えている。ミュージシャンのせいちゃんは、曲も書けずにスランプに陥っている状態。ヒモ状態である。支える側のツチダは、生活にも困ってきて水商売を始め、客の1人と愛人関係になっていまう。それに気づいたせいちゃんは、働き始めるようになる。そして、ツチダは以前付き合っていた恋人・ハギオと再会してしまう。過去の恋、過去の思い出にのめり込んでいってしまうツチダであった。
昨年、映画化もされました。南瓜とマヨネーズ。
いや傑作です。コマの割り方も素敵だし、何よりセリフのないコマにこそ、どんどん引き込まれて没頭していく。人物に心情にのめり込みます。さらにはナレーションの詩のような美しさ。読み進めていけばいくほど、心が締め付けられ、切なく儚く、じわぁぁと沁みてくるこの感情。いったい何なのだろうかと、戸惑う自分。切なくて感情がモロモロと出てきます。
心に刺さった一節
大きな声を出すかわりに 顔をぐしゃぐしゃにゆがませて ただ ただ しゃくりあげるように泣いた
- 著者
- 魚喃 キリコ
- 出版日
高校生の霧島カヤ子は、留年し周囲から浮いていた遠藤に惹かれる。2人は仲良くなる。遠藤は、霧島の知らない世界を教えてくれる。2人の時間を多く過ごしているうちに、カヤ子は遠藤に憧れを強く持つようになり、さらに、自分の可能性にも気づいていく。
なんちゅー切なさなんだ。読後はまさにそんな言葉が漏れ出します。なんとも云えぬもどかしさに心はかき乱されます。女の子同士の話ですが、オッサンに片足半突っ込んでいるワタクシにも響きます。ラストの電車のシーンのコマ割りは見事としか言い様がないです。ほとんど文字はないけれど、鼓動や感情がビシビシ伝わってきます。あぁウルウルしてしまう……。
心に刺さった一節
あたしたちは きっとすごく純粋で それだけなんだ それで汚いことを してしまっても 本当にそれが いけないことなのかな
- 著者
- 魚喃 キリコ
- 出版日
23編の短編集。様々な恋、愛の形を独特の視点で描いている。こんなに心に響くのはなんでだろうと、思いながら読んでいました。実際に自分が経験したことのないことだけど、なぜか、あれ? なんかもしかしたら昔こんな事あったっけと、錯覚を起こしてしまう。
目の奥の方に、ズシリとくる感じ、目の奥の方に流れる涙。これこそ魚喃キリコさんの作品を読後の感覚。だからハマってしまうのでしょうか。
完全に個人的見解ですが……オススメです。
心に刺さった一節
ズルく キタナく とてもアマイ