BiSHモモコグミカンパニーが選ぶ、心の拠りどころにしたい二冊

BiSHモモコグミカンパニーが選ぶ、心の拠りどころにしたい二冊

更新:2021.11.13

みなさんの最近の心の拠りどころはなんでしょうか? 心の拠りどころとは、わたしにとってはこれがあるからがんばれる、というようなものです。人でも音楽でも映画でも、BiSHでも(だったらうれしい!)いいですが、たまには本を心の拠りころにしてもいいかもしれません。本を開いて主人公が葛藤している姿を読むと自分もがんばりたいと思えたりします。今回は、最近読んだ心の拠りどころになりそうな二冊を紹介します。

ブックカルテ リンク

全部、幸せになるため

著者
西 加奈子
出版日
2018-03-01

あなたには、自分だけの“おまじない”はありますか。世の中にはその人にしかわからないワケの分からないものからみんなが知っているものまで、様々なおまじないがあります。そんな数あるおまじないでも一つ共通点があります。それは形は違えどどれも自分が幸せになるのが目的であることです。おまじないの先にはその人が望む幸せの形があるのです。

西加奈子さんの短編小説集。どの章も読みやすく面白いです。わたしのオススメは最後の章の「ドラゴン・スープレックス」です。幸せの形はおまじないのように様々であることや、おまじないが持つ“不思議な力”の正体がよく分かった気がしました。そしてわたしも自分だけのおまじないを持っていたいと思いました。

理想と現実

著者
住野 よる
出版日
2018-03-02

わたしたちはきっともがきながら大人になっていくのだと思います。こんな人間になりたいという理想をたくさん抱えながら。しかし、そんな理想を現実化するには願っているだけではなく、側から見たらキラキラした理想とは似つかないような汚い手段が必要なときもあるのです。そして、主人公の、自分が正しいと信じたものが自分の大切な人にとってもいつまでも同じであってほしいという青くさい部分にとても共感できました。人間ははみな自分のために生きるものです。どんなに大切な人でも自分の理想を押し付けるのは、ときにはその人の存在を否定し、傷つけることにもなるのかもしれません。住野よるさんの最新作。他人との距離に悩んでいる人にもオススメです。

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