こぶしファクトリー広瀬彩海が推薦する湊かなえ作品

こぶしファクトリー広瀬彩海が推薦する湊かなえ作品

更新:2021.11.13

こぶしファクトリーの広瀬彩海です。 暖かくなってきました。いかがお過ごしでしょうか? 私はゴールデンウィークにたくさんのライブやイベントに出演させて頂きます。 毎日その準備や、イベントで充実した毎日を送っているなか、家に帰ると気付いたら寝てしまうことも多く、なかなか読書時間が取れず、規則正しい生活を……と反省しています。 そんな最近はまた湊かなえさんの作品を読み返していました。 そんな私は以前、湊かなえさんの記事を書かせて頂いたことがあるのですが、今回はその第二弾ということで、おすすめの湊かなえさんの作品をご紹介します。 イヤミスの女王と言われる湊かなえさんですが、比較的イヤミスというジャンルに触れたことのない方でも読みやすい小説なども紹介していますので、ぜひご覧ください。

ブックカルテ リンク

サファイア

著者
湊かなえ
出版日
2015-05-15

全7話が収録された短編集で、それぞれ宝石がテーマとなった物語になっており、全てが全て「イヤミス」というわけでもなく、比較的あっさりと読めるのではないかと思います。連作となっている「サファイア」「ガーネット」は湊かなえさん節炸裂で、湊かなえさんが好きな方ならきっと好きになってしまう。そんな魅力に溢れた2話になっているのではないかと思います。

そしてなにより、私が湊かなえさんの小説が好きな最大の理由である言葉のチョイス、使い方、言い回しなどの魅力も満載で、言葉や文字に触れるだけで、こんなにも楽しいものかと感じることができる1冊になっています。

母性

著者
湊 かなえ
出版日
2015-06-26

その名の通り、母娘の物語。1人の女性が主人公になっていますが、湊かなえさん自身が女性だからこそ描ける主人公、そして女性のいやらしさ、愛されたいという欲求が、ものすごく現実味を帯びていて、鳥肌が立ちました。

そして本物の愛と偽りの取り繕った愛、どこか似ていて、何かが、何もかもが違うその2つの愛。その本質に迫った小説です。

母と娘と、その娘の中でくり広げられる無償の愛の物語。娘に向けたと思われた愛は、本当はどこに向かっていたのか……。

母親になれば「母性」は自然と芽生えるのか? 母親になってみないとそれは分かりませんが、母という存在、娘という存在が、お互いにとってどれだけ大きなものか。湊かなえさんの優しいタッチで描かれた小説です。女性はもちろん、男性にもぜひ読んでいただきたいです。

花の鎖

著者
湊 かなえ
出版日

3人の女性が主人公となっている物語です。湊かなえさんならではの描き方で、3人それぞれの視点から話は進んでいきます。この3人の女性の関係性や、謎の人物「K」の正体、そして、3人が受け継いできたものなど、結末には胸が締め付けられます。親子、家族の愛だけでなく、3人の周りを取り囲む人々の愛にも触れる心温まる物語です。

ただ、登場人物の関係が途中で分からなくなってしまうこともあるかもしれないので、そこだけはよく注意して読んで頂けたら、より一層楽しむことができるのではないかと思います。

物語自体は読んでいて涙が止まらなくなるほど感動します。読後感は悪いという印象はまったく受けなかったので、イヤミスというジャンルが得意でない方でも楽しめる内容になっているんじゃないかと思います。

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