パイロットになるには?5分で分かる、仕事内容や年収、資格など

更新:2018.5.14 作成:2018.5.14

代表的なあこがれの職業であるパイロット。男性であれば、一度は夢にする世界かもしれません。今回は、パイロットになる方法や、実際に仕事の内容、年収、その職業に関するおすすめの本などをご紹介します。

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パイロットの仕事内容、年収は?

パイロットとは、ひと言でいえば飛行機を操縦する職業についている人のことを指します。そのなかでも航空会社のエアラインパイロットの仕事内容は、主に旅客機の操縦。目的地まで、旅行などそれぞれの目的で旅客機に乗る人や貨物を安全に届けることが責務です。

飛行機の操縦というと華やかに聞こえますが、実際はどのような仕事が行われているのでしょうか。

まず出発前には、そのフライトに搭乗する機長、副機長、キャビンアテンダントでミーティング。そして飛行機を操縦する前にはコックピットに入り、入念なチェックを行います。燃料の確認や機器への飛行データの入力、計器類の確認などを機長、副機長の2人が分担して行います。

飛行機は、入念なフライト計画を元に運行されているもの。なぜかというと、道路と同じように空の世界でも複数の飛行機が飛んでいるからです。計画を無視したり誤った空路を飛んでしまっては、当然のことながら大事故につながってしまいます。

それを防ぐために、道路でいう信号機の役割を、空港にある管制塔が行っています。空港に着いたからといって、どの飛行機でも勝手に離陸や着陸を行っていいわけではありません。パイロットは管制塔の指示に従い、離陸や着陸を行っているのです。

主に操縦をおこなうのが機長であり、管制塔との連絡や、機長のサポートをおこなうのが副操縦士の役割です。

飛行機は、天候に大きく左右される乗り物。そのためいつでも快適に運行できるわけではありません。急な天候不良などのトラブルがあり、100%目的地に着陸できる訳ではないのです。細かい変化に気づき、対応できる能力が必要な職業といえるでしょう。

さて気になる年収ですが、大手航空会社だと2,000万前後となっているそう。一昔前までは、航空会社の数も少なかったため、高収入の職業でしたが、昨今では、中規模の航空会社だと年収800万ほどのところもあるようです。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(平成28年)によると、航空機操縦士の平均数値は以下のとおりとなっています。

  • 平均年齢 45.8歳
     
  • 勤続年数 19.1年
  • 労働時間 139時間/月
     
  • 超過労働 1時間/月
  • 月額給与 1,523,200円
     
  • 年間賞与 2,195,500円
  • 平均年収 20,473,900円
     

出典:厚生労働省「平成28年 賃金構造基本統計調査」

試験の難易度、合格率、採用条件は?大学という選択肢もご紹介!

パイロットになるには、国土交通大臣の技能証明を受け、指定の資格を取得しなくてはなりません。代表的な資格としては、「事業用操縦士」「定期運送用操縦士」「自家用操縦士」の3つがあり、それぞれ操縦できる範囲なども定められています。エアラインパイロットになるには、「定期運送用操縦士」の資格が必須条件です。

<定期運送用操縦士(飛行機)の受験資格>

・21歳以上であること。

・総飛行時間1500時間以上の経験

 イ.100時間以上の野外飛行を含む250時間以上の機長としての飛行

 ロ.200時間以上の野外飛行

 ハ.100時間以上の夜間の飛行

 ニ.75時間以上の計器飛行
(出典:国土交通省)

また、パイロットを目指すルートは3つあります。

  1. 航空大学校へ進学し、ライセンスを取得した後に就職する
     
  2. パイロットの養成コースを持つ大学に入学し、ライセンスを取得した後に就職する
     
  3. 航空会社に就職し、自社の養成パイロットとなる
     

ひとつひとつ細かく見ていきましょう。
 

1.航空大学校へ進学してライセンスを取得した後に就職する

航空大学校とはパイロットを育てるための、日本で唯一の公的教育機関です。宮崎県にしかありませんでしたが、現在は北海道の帯広空港と宮城県の仙台空港に隣接した分校ができました。

航空大学校に入学する条件は、高等専門学校卒業者か、4年生大学に2年以上在籍していること。つまり、大学の3年次編入と同じ条件です。

学費は年間130万円です。全寮制で、気象学や実践的な操縦技術を4年かけて習得します。この場合、実際にパイロットとして企業に就職するためには、6年という月日がかかるルートです。

2.パイロット養成コースを持つ大学に入学し、ライセンスを取得した後に就職する

パイロット養成コースを持つ大学は2018年5月現在以下の通りで、すべて私立の大学です。

 

  • 東海大学
     
  • 法政大学
     
  • 桜美林大学
     
  • 帝京大学
     
  • 崇城大学
     

 

このルートであれば、通常の大学生と同じ4年制なので、4年間でライセンスを取得し、就職となります。各大学のコースにはそれぞれ特徴があります。こちらもひとつひとつ紹介しましょう。

【東海大学】

-ANA全面協力と国土交通省の支援

-日米の操縦士免許取得可能

【法政大学】

-自家用操縦士および、事業用操縦士の免許取得を目指している

-パイロットだけでなく、機械+航空の知識を持ったエンジニアを育てる

【桜美林大学】

-全寮制

-18ヶ月間アメリカでの操縦訓練がある

-航空の知識と同時に、パイロットに必要な英語力も身につけることができる

【帝京大学】

-操縦実習、操縦学演習は業務委託先の茨城県下妻市の㈱アルファーアビエィションで学ぶ

-3年終了時までに事業用操縦士の資格を取得

【崇城大学】

-自前の演習場がある

-元エアラインパイロットの指導を受けることができる

このように、様々な特徴を持った大学があるようです。次に、パイロットの身体条件について見ていきます。

パイロットは、目が重要です。そのため、入社当初はもちろんですが、入社した後も毎年検査を受ける必要があります。検査項目は以下の通りです。

  • 遠見視力
     
  • 中距離視力
     
  • 近見視力
     
  • 両眼視機能
     
  • 視野
     
  • 眼球運動
     
  • 色覚
     

視力は矯正視力で0.7以上あれば、免許の取得は可能ですが、この基準はあくまで、免許取得に関してです。実際の企業の応募条件で、視力1.0以上としているところもありますので、各社様々です。

身長の条件は、航空大学校の入学条件があります。158センチ以上ないと航空大学校に入学することはできません。パイロットになりたい人は、身長はともかく、目を大事にして視力を落とさないようにすることが重要ですね。

将来性はどうなの?女性でもなれる?

一見華やかな職業名ので人手が困っていないイメージですが、業界では世界的にパイロット不足に陥っています。たった2人辞めただけでも、運行計画を変えなければいけないほどです。

日本での2017年のパイロット数は5700人ですが、この先数年で6700〜7300人ほど必要だと言われています。なりたい人にとっては、売り手市場で、いい傾向かもしれませんね。

実はあまり知られていませんが、パイロットは女性でもなることが可能です。確かに現段階では女性パイロットは非常に少なく、身長制限は男性と同じ158センチなので、男性よりも平均的に身長が低い女性にとって不利な面はありますが、条件をクリアすれば女性がなれないという規定はありません。

今後、パイロットが不足していくなかで、間口が広がればもっともっと女性が活躍できる場所が広がるのではないでしょうか。

ノンフィクションだからこその説得力!『グッド・フライト、グッド・ナイト──パイロットが誘う最高の空旅』

著者
マーク・ヴァンホーナッカー
出版日
2016-02-24

ブリティッシュ・エアウェイズのパイロットであるマーク・ヴァンホーナッカーが書いたノンフィクション書籍です。ボーイング747を操縦し、世界中の空を飛び回っていた著者の体験談や空に対する愛がつまっています。

著者がパイロットに憧れた理由や、パイロットになるまでの経緯が書いてある本作。彼は、最短ルートでパイロットになったわけでありません。経営コンサルタントの仕事を経たあと学校に入り直し、29歳で夢のパイロットになりました。

パイロットになりたい方やパイロットをあきらめきれていない方にとっても、希望を与えてくれる本です。情緒的な空の世界や、メカニックや機械好きの空の世界、ワクワクやハラハラの空の世界。色々な空の世界が、まるでそこにあるかのように描かれています。

パイロットになったらどんなことを経験できるのか、どんな学びがあるのか、どんな体験が待っているのかを学ばせてくれるのがこの本です。パイロットになる人もならない人も、物語として爽快感と読み応えがあるので、ぜひおすすめしたい1冊です。

プロジェクトマネジメントが学べる!『パイロットが空から学んだ一番大切なこと』

著者
坂井 優基
出版日

この本はパイロットという仕事の側面から書かれた、プロジェクトマネジメントの本です。

著者は、「飛行機が動くためには、実に様々な人が陰で働いています。これらの人にいかに気持ちよく正しい仕事をしてもらえるようにするかも機長の仕事のひとつです」だと言うのです。また、「意見を口に出せる空気を作るために、機長はチームにヒアリングするのが役目」とも書かれています。

フライトは、毎回毎回メンバーが違います。もちろん初対面のことも多いです。それでも、お互い命を預け合わなければいけません。つまり、顔合わせから、離陸までという短い時間の中でお互いを信頼し合わなければなりません。いかにチームメンバーの本音を引き出し、円滑に業務を行っていくことができるかをこの本から学ぶことができます。

パイロットは操縦技術はもちろんのことですが、根回しなどのコミュニケーション能力や、危機管理能力が非常に重要な職業です。そういった、外からは見えないパイロット業務の本質の多くをこの本は教えてくれます。

パイロットを目指す方や現在パイロットの方はもちろんですが、パイロットではなくてもチームで仕事をする方には学ぶべきことが非常に多い本です。

パイロットの教科書的な存在!『プロフェッショナル・パイロット』

著者
杉江 弘
出版日
2010-07-30

パイロットの仕事内容が詳細に記載されている本著。これを読めば、普段見ることができないパイロットの細かい業務まで知ることができるパイロットの教科書的な本でしょう。

この本を読めば、フライト計画や離陸前のミーティングといった、細かく実務的なこともしっかり記載されているので、普段パイロットがどういった業務を行っていて、どんなことに気をつけなければいけないのか等を明確にイメージすることができます。

著者は、「目標を高く持って理想とするフライトを定年まで探究し続けることこそがプロフェッショナル・パイロットの条件と言えるものである」と言っています。フライトをしていく中で、チームもお客様もフライト条件もすべて違うのがパイロットです。

ベストフライトをすることにマニュアルはありません。この本では、マニュアルがない中で、いかにプロとしてベストフライトを目指していけるかが学べる内容となっています。

この本は、パイロットの疑似体験ができるほど非常に細かく書かれているので、航空の知識がまったくないと少し難しい本かもしれませんが、知識がある方には非常に読み応えのある内容となっています。パイロットを目指して勉強中の方や、現在パイロットの方にとって成長ができる1冊でしょう。