意外と知らないハイエナの生態!……両性具有⁉種類、性格、狩りなども解説

更新:2018.5.22 作成:2018.5.22

獲物を横取りし、死肉を漁っているイメージのあるハイエナ。しかしよく調べてみると、彼らの本当の姿は違うようです。この記事では、生態や種類ごとの特徴、狩りの仕方、性格、はたまた両性具有の謎について解説していきます。あわせておすすめの関連本をご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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ハイエナの生態

 

食肉目ハイエナ科に属する動物の総称です。外見はイヌに似ていますが、イヌ科ではありません。

コンゴ盆地とサハラ砂漠を除き、インドやアラビア半島、アフリカ大陸などに広く分布しています。サバンナや低木林地帯を好み、夜行性のため日中は穴や岩陰で休んで生活しています。

寿命は野生で10~20年、飼育下では20~30年程度で、おなじくサバンナの肉食動物であるライオンやチーターに比べると長寿です。また飼育下では40年以上生きたという記録もあり、ペットとして定着している犬や猫に比べても長いといえるでしょう。

4本ある足のうち、前2本は後ろの2本より長く、前半身がより発達しています。そのため、立っている時の姿勢がやや後ろに傾斜しているのが特徴です。

ハイエナの種類

 

ハイエナ科には以下の4種がいます。

ブチハイエナ

サハラ砂漠以南のアフリカに広く分布しています。体長は120~180cm、体重は55~85kgで、もっとも大型の種類です。「ブチ」とあるように、体に黒い色の斑が点在しているのが特徴。

メスをリーダーとした群れを形成し、共同の巣穴で生活しています。仲間と協力して狩りをし、ヌーやシマウマ、トムソンガゼルなど大型の哺乳類も倒すことができます。

シマハイエナ

サハラ砂漠以北のアフリカ、インドやアラビア半島に分布しています。体長は100~120cm、体重は37~55kg。体に黒い縞模様が入っているのが特徴です。

群れを形成せず単独で生活していて、現在は生息数が減少しているようです。

カッショクハイエナ

アフリカ南部に分布しています。体長は110~140cm、体重は40~55kg。灰褐色や暗褐色の毛色をしていて、体毛がやや長いのが特徴です。四肢には暗褐色の縞が見られます。

家族単位の群れで生活しており、現在は生息数の減少によって絶滅危惧種に指定されています。

アードウルフ

主にアフリカ東部、南部に分布しています。体長は85~105cm、体重は9~14kgで、もっとも小型の種類です。黄色を帯びた灰色の毛色をしていて、全身に黒い縞模様が入っています。

家族単位で生活し、シロアリをはじめとした昆虫が主食です。

ハイエナは両性具有⁉

 

ブチハイエナのメスは、オスよりもひと回り大きい体をしています。また陰核がオスのペニスと同等以上のサイズに肥大しており、根元には脂肪の入った塊があるため、睾丸のようにも見えるのです。

尿道、産道を兼ねているほか、興奮状態になると勃起をすることもあるため、長いあいだ両性具有だと信じられてきました。古代ローマの研究者は、彼らは交尾をしなくても出産できるという記録を残しているそうです。

ただ実際は、交尾をする際にメスがこの擬ペニスをひっこめることで膣をつくります。産道としては細長いため出産はかなり難しく、初産の場合は半分以上が死産になってしまうそう。母体にも傷がつき、5分の1は出産の際に負った傷が原因で死に至るようです。

ハイエナはライオンの獲物を横取りしてる?実は狩りの名人

 

他の動物が仕留めた獲物を横取りしているイメージが強いハイエナ。しかし実際は、自ら獲物を倒して食すことのほうが多いようです。

足の速さはチーターやライオンに比べるとやや劣りますが、それでも時速65kmと俊足。最大の強みは無尽蔵ともいえるスタミナです。

ターゲットを定めると群れで執拗に追い続け、相手が疲れたところで決着をつけます。ハント成功率は非常に高く、6割以上。また食べる際は肉や内臓などほかの動物が好む部位から先に食べるよう工夫しているため、横取りされにくいのです。

非常に強力な顎を持っていて、骨を噛み砕くこともできます。消化器官も発達しているため、そのまま骨の中の栄養をとることができるのです。他の動物が残した死骸の骨を食べることもあることから、横取りしているイメージが強く、また「サバンナの掃除屋」とも呼ばれています。

ハイエナの性格

 

「性格が悪そうな動物ランキング」で上位にランクインしているハイエナ。実は、秩序ある社会性をもっていることがわかっています。

種類にもよりますが基本的には群れで生活し、仲間同士はもちろん、他の群れと争うことはほとんどありません。また怪我をしている仲間には餌を与えてあげるなど手助けをしてあげるため、なんと負傷している個体のほうが生存率が高いようです。

子育ても群れの仲間で協力しておこないます。生後1年の生存率は6割以上で、これは野生動物としては高い数字なのです。

狩りをする際も、無闇に攻撃を仕掛けるわけではありません。仲間の数と相手の数をきちんと把握し、自ら攻撃をするのは数的優位の時だけ。とても賢い動物であることがわかりますね。

世界的カメラマンが写真とともに綴る

著者の岩合光昭は、世界で活躍する動物写真家です。雑誌「ナショナルジオグラフィック」の表紙に、日本人で初めて作品が採用されました。

「アニマル度が上がった」など独特の表現を用いることでも有名です。彼の言う「アニマル度」とは、「野生の勘」のこと。アニマル度の高い岩合だからこそ捉えることができた写真と文章がたっぷり収められた一冊です。
 

著者
岩合 光昭
出版日
2015-12-17

本書は「アフリカ・サバンナの狩人たち」「北極圏の大物たち」「南極圏に営巣する海鳥たち」「人気者の知られざる野生」の4章で構成されています。

冒頭はハイエナについて。「ぼくはハイエナの味方です!」と、彼らの狩りの様子やライオンとの関係性が写真で切り取られ、愛のある観察眼で語られています。

長いあいだ野生動物を追い続けてきた岩合の語り口は、まるで動物と通じ合っているかのよう。愛と知識にあふれた一冊です。
 

サバンナでハイエナに出会ったら……⁉

「科学漫画サバイバル」シリーズの1冊目。漫画なので、物語を楽しく読みすすめるうちに動物に関する知識もつく優れもので、小さなお子さんにもおすすめです。

タンザニアのセレンゲティ国立公園にヌーを見に来た3人組が主人公。ひょんなことから、サバンナに取り残されてしまいました。そこには獰猛な動物たちがいて……果たして彼らの運命は?
 

著者
洪在徹
出版日
2009-03-06

サバンナの大自然に取り残されてしまった3人の周りでは、衝撃的な出来事が次々と起こっていきます。

弱肉強食の世界でどのように食事をとり、水を飲み、眠るのか……水辺に潜む危険やライオンの脅威、マサイ族の戦死など刺激的な出会いが盛りだくさんです。もちろんハイエナも登場。彼らがどのように関わっていくのか、お楽しみに。

ハラハラドキドキの展開が続き、一気に読み進めることができる一冊です。
 

意外にも仲間想いの性格をしているハイエナ。厳しい環境で生きていくために、身体能力が発達していったこともわかります。ご紹介した本を読んでいただければ、さらに彼らのことが好きになるはず。ぜひお試しください。