農業を始めるには?5分で分かる、仕事内容や種類、収入、補助金など

更新:2021.11.13

スローライフと呼ばれる生活スタイルや田舎暮らしの人気が高まる中、若い世代にも注目されている「農業」。農業を始めるにはどんな準備が必要なのか、1年の仕事の流れや、気になる収入・各種補助金について紹介していきます。記事の後半で、農業についてよく分かる本も紹介しますので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

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農業の仕事内容、種類は?

まずはじめに、農業の基本的な仕事内容や種類をみていきましょう。 

様々な食物を栽培、収穫し出荷することを「農業」といいます。 食物を栽培するには、太陽の照射時間や気温、雨量、土の性質など条件が重要で、南北で気候が異なる日本では、実に様々な農作物が栽培されています。 

日本の農業と主力といえば、日本人の主食である米の「稲作」。また米以外にも、野菜や、果物を育てる農家があります。温暖な地域では柑橘類を、寒冷地ではじゃがいもや大根などの根菜を、というように、その地域の気候条件に合う農作物が作られています。 また近年では観葉植物や、観賞用・食用の花を育てる花木農家、ハーブの栽培も注目されているジャンルです。 

農業には、 農業を中心に生計を立てる「専業農家」と、農業と他の仕事を両立させる「兼業農家」という2種類の働き方があります。農業に携わる人の高齢化や、農地のある地域の過疎化が進み、農業を担う若い人材が求められています。

農業の収入は?補助金って出るの?

農業の収入は、 就労形態(専業農家か兼業農家か、自営か雇用就農か)や経営規模、 育てる品目などによって異なり幅があるもの。

また、自然災害に影響を受けるという点も、覚えておかなければいけません。天候の条件が良い年は、農作物を量産し高値で販売できるため、年収増が期待できます。一方、大雨や台風で、果実が落ちたり稲が倒れる被害があると、年間の売り上げが落ち込むこともあります。
 

平成26年度の農業経営統計調査によると、農業平均年収は456万円で、 地域別年収ランキングでは1位が北海道、2位が東北、3位が北陸、 4位が関東という結果でした。安定した収入を得るために、ビニールハウスを利用して天候に左右されない栽培を目指したり、兼業する農家も増えており、経営の形態によって年収1000万円を越すことも夢ではありません。

またIT技術の発達に伴い、ネット販売で農作物を上手にPRし収入を増やしたり、ロボットなどのテクノロジーで農業の可能性を広げるなど、農業で収入を増やすチャンスは大いにあるといえるでしょう。
 

農業ってどうやって始めるの?脱サラして転職などはできる?

田舎暮らしの人気とともに、自然の中で体を動かし農業をしたい、と脱サラをして転職を考えている人もいるのではないでしょうか。

農業を始めるには、特別な学歴や資格は必要ありませんが、農業大学校や専門学校の農業園芸コースなどで勉強をしたり、アルバイトや契約社員として経験を積む人が多いようです。また、市販の農業に関する書籍からも、基本的な情報や最新技術など様々な情報を得ることができます。

次に資金についてですが、農業法人などに就職する場合は、給料をもらいながら働くことになり、特別な準備は必要ありません。 個人で開業する場合は、農地を確保し農耕用具を揃える必要があり、500万円以上の初期費用が必要だと言われています。

農業を始める人のために、農林水産省が様々な支援を行っており、「年間150万円を最長2年間受け取ることができる」という制度があります。( 45歳未満であること・都道府県が認めた研究機関で1年以上研修すること等の条件あり) こういった様々な支援制度や補助金事業を賢く活用することも重要でしょう。

農業のリアルが語られる!

著者
久松 達央
出版日
2013-09-14

29歳で脱サラをして、年間五十品目の有機野菜を栽培し販売実績を上げている著者が書いたのが本書。  

「有機農法は安全で美味しい」「無農薬は安全」「農業にはガッツが必要」など、先入観やイメージで語られるこれらの言葉には、多くの誤解があると著者は言います。農業が漠然と持たれるイメージの奥に、どのような現実があるのでしょうか。 

 有機農業が持たれる好意的なイメージや同業者の戦略、 農業界の抱える問題などを冷静に分析しながら、小さい農家がどのように事業を持続していくか、著者の農業ビジネスの手法や信念をもとに語っていきます。  

「農業ほどクリエイティブで知的興奮に満ちた仕事はそうない。農業はもっと強い産業にならなくてはならない」 と語る著者が、楽しみながら正直に向き合ってきた「キレイゴト抜きの農業論」。農業以外のビジネスにも通じるヒントが満載です。

話題のキーワードをリアルな視点から解説!

著者
岩佐 大輝
出版日
2018-03-20

土地なし、ノウハウなし、資金なしでも大丈夫。 いまの年収を落とさずに農業をはじめられるとしたら……。これから農業を始める方にぴったりの、目からウロコの新規就農本です。

 著者は、テレビ番組でも特集が組まれ、「被災地復興」「IT×農業」「新規就農支援」の分野で今注目の起業家・岩佐大輝。 未経験から始めたイチゴの園芸施設を数年で軌道に乗せ、 農業を始める人の支援にも精力的に取り組んでいます。  

農業をしていくなかで、一番大切なのは「続ける」ことだと著者はいいます。そのためには、スタート時に、今後の道筋をしっかりと描くことが肝心です。 

作ったのに売れなかったらどうする?補助金に頼るとよくない?有機農業のほうがいい?ロボットは投入すべき?など、ズバリ「農業のそこが知りたかった」というリアルな疑問を解決する情報が満載の本著。

MBA取得者でもある著者が、農業未経験の人にこそ読んでもらいたいノウハウを散りばめました。特に「農業をはじめるための6つのステップ」を読めば、明るい未来のイメージが湧いてくるでしょう。

「小さな農家」が目指している道に、学ぶ!

著者
西田栄喜
出版日
2016-02-05

著者の西田栄喜は、脱サラをして、「日本一小さい専業農家」として農業をスタートした人物。野菜セットと漬物を、ネットを中心に販売するという内容のこのビジネス。「小さな農家」は、どのようにファンを増やしていったのでしょうか。

大きなビジネスにしよう、と意気込んでスタートした著者ですが、実際に販売をし始めて価値観が大きく変わっていったと語ります。化学物質過敏症のお客さんが、野菜を始めて食べることができた、と感激して下さったことをきっかけに、規模よりも大事なビジネスの本質に気づいたのです。 

食べ物は命を育むもの、農業こそ人を幸せにできる仕事。そう確信できたころから経営が軌道に乗るようになっていきました。

「幸せのために働く」と断言する著者が、野菜・漬物のつくり方、自分らしさのPR、ファンを増やすコミュニケーション方法などを大公開します。小さな農家が全国のファンに愛されるヒミツが満載です。

農業の未来にワクワクする!

著者
窪田 新之助
出版日
2017-02-21

日本の農業にどんなイメージを持っていますか?想像してみてください、夜の間に収穫ロボットが働いて、朝には農作物が積み上がっている光景を。至る所でAIやロボットが活躍し、質の良い農作物を量産できる未来が待っているとしたら、ワクワクしませんか。  

大好評の「GDP4%の日本農業は自動車産業を超える」に続く第2弾が本書。高齢化や農家の減少など、課題も抱える農業だからこそ、日本の得意分野であるIoTやAI技術、ロボットを急速に取り込み「注目のハイテク産業」に様変わりしようとしている現状をありありと描きます。

本著を読めば、農業のイメージが大きく変わること間違いありません。いずれロボットがほとんどの作業を担い、作業時間は9割削減、輸出額1兆円も目前に迫っています。技術の進んだ農業は、国土全体を豊かにして自動車産業を超えると、自信をもって著者は語ります。これからの農業の明るい未来とビジネスチャンスが垣間見れる1冊です。

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