小さな体で木の実をほおばったり、木をするすると登っていく姿が愛らしくて人気のシマリス。その可愛らしさから、シマリスをモチーフにしたキャラクターもたくさん作られています。実は飼育をすることも可能で、癒しをもたらしてくれるペットとしても注目されているのです。今回はそんな彼らの生態、性格、冬眠など飼育する際の注意点をお伝えしていきます。あわせて可愛すぎる写真集などおすすめの関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
ネズミ目リス科シマリス属に分類されるリスの総称で、縦縞のついた15センチほどの体と、長くてふさふさの尻尾が特徴です。ハムスターのような頬袋を持っていて、多くの餌を巣穴に持ち運ぶ習性があります。
土の中や木の空洞に巣を作り、1日に15時間も睡眠をとるのだそうです。行動範囲は地上から樹上まで幅広く、木の実のほか植物の芽、キノコ、虫、カエルなどを食べます。
野生の寿命は5年以下だといわれていますが、飼育下では10年ほど生きる個体もいるのだとか。
冬眠する種としない種がいますが、日本に生息しているものは基本的に冬眠をします。秋になると巣穴へ大量の餌を運びこみ、出入り口を塞いで枯れ葉などの中に潜って過ごします。脂肪を溜め込むわけではないので、冬眠中にも餌を食べたり排泄をしたりするために時々は目を覚ますようです。巣穴から出た際は、木の上で毛づくろいをしたりと、そのかわいらしい姿が話題になることもあります。
飼育に必要なものは以下のとおりです。
できれば底が50センチ四方、高さ1メートルほどの大きなケージを用意するといいでしょう。シマリスが動き回るのは平面だけではないので、ある程度の高さが必要になります。
彼らに安心して過ごしてもらうために、巣箱は欠かせません。プラスチック製のものは掃除がしやすくカビも生えにくいですが、その一方でかじって誤飲をする必要もあります。木や藁でできたものであれば誤飲の心配は少なく通気性もよいため、基本的にはこちらの方がおすすめです。
市販の床材である木のくずや草のほか、新聞紙を細かく切ったものでもOKです。また保温性の高い綿を細かくしたものでもかまいません。
餌入れは陶器などでできたボウル状のものが使いやすくおすすめです。給水機はケージに固定するタイプにし、中の水は1日1回は入れ替えるようにしましょう。
ストレス解消や運動不足の改善のために欠かせません。ハムスター用よりも少し大きめのものがよいでしょう。
げっ歯類は歯が伸び続けるため、木などをかじって歯を削る習性があります。薬剤が塗ってある廃材やプラスチック製のものでなければ、どんな木でも問題ありません。
止まり木はケージ内を上下に移動しやすくするためのものです。運動不足対策にもなるため、置いておくことをおすすめします。
個体によってはトイレの場所を覚えることができるため、置いた後にしばらく様子をみてみましょう。ただし砂が固まるタイプのものは誤飲の恐れがあるので、あまりおすすめできません。
性格については個体差が大きく、穏やかなもの、臆病なもの、好奇心旺盛で人懐っこいものなどさまざまです。
ただ自然下では秋から冬にかけて縄張り意識が強くなり、おとなしい性格のものでも攻撃的になります。「噛みリス期」「タイガー期」と呼ばれるもので、ホルモンバランスの変化が原因です。飼育環境下でもケージにぶつかるなど暴れることがあるので注意が必要です。ケージのカギをしっかりかけて、しばらくは優しく接することを心がけましょう。
うまくなついてもらうためには、とにかく人間が危険な存在ではないと覚えてもらう必要があります。近くで大きな音をたてたり、無理やりに触ったりすることをしなければ、自然と慣れてくるでしょう。特に尻尾はデリケートで、触れられることを極端に嫌がるほか、強く引っ張るとちぎれて大けがを負わせてしまう場合もあるので注意が必要です。
自然環境では冬になると巣にこもって冬眠してしまうシマリスですが、飼育下で冬眠をさせることはあまりおすすめできません。目覚める際に多くのエネルギーが必要になるため、高齢の個体や体の強くない個体はそのまま死んでしまう可能性もあるのです。
冬場も室温を20度以上に保ち、夕方暗くなる前から電気を付けておき日照時間を夏場と揃えておくと、冬眠を防ぐことができます。シマリスはもともと寒さに弱い動物なので、巣箱にペットヒーターなどを設置しておくとより元気に過ごせるでしょう。
もし冬眠をさせる場合は、日ごろから食事・運動・飼育環境に気を配り、しっかりと体力をつけておく必要があります。健康な状態であれば、あたたかくなれば問題なく目覚めることができるはずです。冬眠中も時おり目を覚ます場合があるので、水などは切らさずに用意しておいてください。
基本的には1匹1万円前後で購入することができます。春は多くの子リスが入荷するため値段が安めで、またたくさんの個体から選ぶことができるのでおすすめです。体毛が真っ白なホワイトシマリスは希少なため値段は5万円ほどします。育て方は通常のシマリスと変わりません。
購入する場合は、多頭飼いしたり他のペットと同時に飼ったりすることは避けましょう。縄張り意識が強く単独行動を好むため、他の生物がいると喧嘩をしてしまいます。
イヌやネコなどがいると強いストレスを感じてしまうので、もしもご自宅にいる場合は部屋を分けるなどの工夫をしましょう。
- 著者
- 出版日
- 2015-04-10
北海道に住むエゾシマリスの可愛さがつまった写真集です。春の出逢いから子育て、冬眠まで、1年をとおしてさまざまな表情を見せてくれています。
本作の特徴は、やはり北の大地の自然の美しさです。壮大な景色のなかで、こんなにも可愛らしい動物がたくましく生きている姿に、感動すらおぼえてしまいます。
撮影記や生態の解説などもついているため、読み物としても楽しめるでしょう。
- 著者
- ["大野 瑞絵", "井川 俊彦"]
- 出版日
- 2015-02-09
ペットとして飼育をする際に必要な情報がわかりやすくまとまっている1冊です。
可愛らしいイラストと写真がついているので、まだ自宅に迎え入れていない人も手元に置いておいて損はありません。体験談やよくあるトラブルなども載っているので、飼育中の人にももちろん役に立ちます。
作者はシマリスと人との関係性をとても大切にしていて、優しさが感じ取れる作品です。
また、以下の記事でもリスの飼育方法を紹介しています。ぜひ、参考にご覧ください。
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