報道においてよく耳にするジャーナリストと呼ばれる職業。しかしながら、一体どんなことをしているのか、その仕事内容を詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。 そこで、ジャーナリストの仕事内容や、気になる年収、進路などについてまとめてみました。最後にこの職業に関連しておすすめの書籍も紹介するので、そちらもぜひご覧ください。
ジャーナリストとは、新聞やテレビなどの報道機関に対し、文筆活動などによって問題を伝え、評論、解説などをおこなう仕事です。政治、経済、社会、文化、国際、スポーツなど、様々な専門分野があり、テレビやラジオで活躍する人や、講演会、戦地でのレポートなどその活動は多岐に渡ります。
ジャーナリストは、基本的に報道機関と契約を結び寄稿するフリーにとしての働き方に大別されます。
よく記者とジャーナリストが混同される場合がありますが、新聞社やテレビ局の要望に応え、問題を正確に、素早く、わかりやすく伝えるのが記者の仕事であるのに対し、そこに自身の見解や解説を加えながらレポートしていくのがジャーナリストの仕事です。
ジャーナリズムの影響力は大きく、状況によっては、業界のみならず、国民意識や政治まで変えてしまうこともあるので、大きな責任をともなうことを自覚し続けなければならない職業といえるかもしれません。
そんなジャーナリストの年収ですが、フリーランスが多い職業ですので、一般に収入=報酬であり、原稿料、コメント料、講演料、取材協力料がジャーナリストとしての知名度や実績によるところが大きく、その人物によって収入が大きく異なります。したがって年収も200~300万円程度から1000万円超と、個人の能力や寄稿先によって異なるようです。
では、ジャーナリストになるために、どうしたらよいでしょうか。最も一般的な道として考えられるのは、記者や編集者から転身してジャーナリストになることです。
新聞社やテレビ局の記者や編集者になるにあたって、特別な資格は求められません。しかし採用条件として大卒であることが基本となるため、大学への進学が必要となるでしょう。ジャーナリズムを学べる大学や専門学校もありますが、記者として就職するにあたっては、そういった分野の専攻が必須ということはないようです。
そして記者や編集者時代に培った経験を踏まえて、ジャーナリストとして独立するケースが多くあります。ジャーナリストは、上述の通り様々な分野毎にいますので、自身の経験と関心によってどのジャンルを取り扱うかも異なってきます。
「ジャーナリスト」という資格や試験はありません。誰でもジャーナリストと名乗ることができますが、世間に認知されないと、職業として生活していくことはなかなか難しいでしょう。
この仕事を志望するのであれば、普段から、様々な出来事に対して好奇心や探求心を持ち、見分を広げておくことが大事です。また、活動の基本は文章を書くことにあるので、普段から文章力を磨いておくことも大切なことでしょう。
ここからは、国内外で活躍するジャーナリストについてご紹介してみましょう。
<国内の有名ジャーナリスト>
<海外の有名ジャーナリスト>
- 著者
- 出版日
- 2004-02-24
メディア研究、ジャーナリズム研究、社会学を専門とする著者により書かれた、ジャーナリスト用の教科書ともいえる一冊です。
ジャーナリスト志望の学生から、メディア企業での経験が浅い人、ほかの業種からジャーナリズムへの転職を考えている人などに向けて書かれています。
取材方法や記事の書き方などの基礎編から、仕事内容に沿った実践的なアドバイスまで網羅的に書かれている本書。記者やジャーナリストに関する教科書はこれまでほとんど存在しなかっただけに、貴重な一冊となっています。
- 著者
- 斎藤 貴男
- 出版日
- 2016-01-21
著者の斎藤貴男は、業界新聞の記者から始まり、週刊誌記者を経て、フリージャーナリストとなった人物。本書にはジャーナリストとしての役割やメディアの在り方といった問題を真剣に考え続けてきた作者の、悩みや葛藤がありありと記されています。
報道や記事における正しさとは一体どんなものなのか。経験談だからこそ語れるジャーナリズムの難しさが書かれています。ジャーナリズムってなんだろう、という基本を考えるにはうってつけの本です。
- 著者
- 山本 美香
- 出版日
- 2011-07-15
戦地にいる子どもたちは、私たちよりもさらに保証のない明日を日々、懸命に生きています。
この本は、子供向けに平易な文章でもって、戦地に生きる子どもたちの現実を伝えている一冊。にこやかな表紙ではありますが、中を開くと、大人も衝撃を受けるであろう写真の数々に圧倒されます。
著者の山本美香氏は、ジャパンプレスに所属し、イラク戦争など世界の紛争地を中心に取材した戦争ジャーナリスト。2012年、シリアでの取材中に殉職しました。
ジャーナリズムの持つ力を感じられる一冊です。