私たちが住む地球は、太陽が輝き、月の明かりに照らされて1日1日を積み重ねています。そんな地球が属しているのが太陽系で、その太陽系が属しているのが「銀河系」です。今回は、そんな広大な世界について、構造や星の数、内外にあるものなどをわかりやすく解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介していくので、ご覧ください。
宇宙にはたくさんの銀河が存在します。そのなかでも、地球も含めた太陽系が属する銀河を「銀河系」と呼び、通称「天の川銀河」として親しまれています。
天候などの条件が揃えば、澄んだ夜空に帯のように伸びる神秘的な星の集まりを観測することができるでしょう。織姫と彦星が登場する有名な七夕伝説の物語としても語り継がれています。
そんな銀河系ですが、無数の恒星や星間物質の集まりでできています。最初に観測したのは、あのガリレオ・ガリレイ。地球から見ると銀河系は帯状に見えますが、地球の外側から見た場合、おそらくは渦巻き状になっていると考えられています。
なぜ「おそらく」なのでしょうか。人類はまだ撮影機器を銀河系の外には運べていないからです。銀河系の直径は約10万光年というとてつもない大きさをしています。光の速さでカメラを飛ばしても10万年かかるのです。よって、地球から銀河系の外の銀河などを観察し、想像を膨らませるしかありません。
いつの日か、その全貌を観測できる時はくるのでしょうか。
銀河系には、約2000億〜4000億個の恒星が存在するといわれています。それぞれの恒星には、周囲を公転する惑星、惑星の周囲を公転する衛星があり、合計すると恒星の数の数億倍となります。
太陽系にある恒星は、太陽の1個。惑星は「水・金・地・火・木・土・天・海」という語呂合わせにもあるように、全部で8個。このことを踏まえて銀河系には数千億個の恒星があることを考えると、そのスケールの壮大さがわかるのではないでしょうか。
さらにいえば、私たちの地球がある銀河系も含め、「銀河」そのものも宇宙全体には1兆~2兆個存在すると考えられています。まさに天文学的な数字。この膨大な数を考えると、地球以外のどこかにも生命体がいるのではと思わせてくれますね。
どの銀河のイメージ画像を見ても、中心部分がまばゆく輝いています。昔の学者たちは、銀河の中心にはおそらく太陽の親玉のような、果てしなく大きな恒星が存在しているのだと考えていました。ところが近年の研究で、そうではないことが分かってきたのです。
そのような事実が明らかになったのは、実際に銀河の中心付近の星の運動の計測と分析をおこなったから。その結果、太陽の100万倍を超えるこの領域では考えられないくらいの質量を持つ存在が明らかになりました。
では、銀河系の中心には何があるのでしょうか。そこには、恒星よりも莫大な質量を持つ巨大なブラックホールがあると考えられています。
銀河系の中心は、太陽系から見ていて座の方角にあります。いて座のなかには「いて座A」と呼ばれる強力な電波源があり、そのいて座Aの中心部である「いて座A*(エースター)」に巨大なブラックホールがあるとされているのです。
銀河系だけを考えてもそのスケールは果てしないものですが、宇宙はまだまだ広く、銀河系の外には先述したように約1兆〜2兆個の銀河が存在します。
もっとも有名な銀河のひとつは、「アンドロメダ銀河」ではないでしょうか。かなり大きなもので、条件が揃えば肉眼で見ることができるほど明るいです。そのほか「彗星銀河」「大マゼラン雲」「子持ち銀河」など、さまざまな銀河があります。
また宇宙は、現在も膨張し続けていると考えられています。そのペースはなんと光速を超えるほどで、現状の人類の技術ではその大きさを正確に測ることはできません。
もし今後研究が進み、宇宙全体の大きさが明らかになれば、銀河系の外に何があるのかについても新しい発見があるのではないでしょうか。
- 著者
- 松井 孝典
- 出版日
- 2015-12-09
1995年10月、太陽系の外に惑星があることが初めて発見されました。それ以降人類の研究は飛躍的に進歩を遂げ、これまでの「太陽系の研究」から「銀河系の研究」へとシフトしていきます。
地球と太陽系、太陽系と銀河系と銀河、銀河と宇宙、そして地球外生命体……天文学の世界は、かつて「SF」といわれていたものに近づいてきました。
基本的な知識から最先端の研究までを順に追い、宇宙研究の流れがよくわかります。文章も平易でわかりやすいのが特徴。フィクションのようだけど、奇跡の事実である宇宙の成り立ちを学んでみましょう。
- 著者
- マイケル ベンソン
- 出版日
おそらく人類が銀河系の外に出る技術を手にするのは、まだずいぶん先のことになるでしょう。
しかし、その姿を目にすることはできます。本書は、私たちがいる銀河系をはじめ、ハッブル望遠鏡で撮影した数々の銀河の姿を見せてくれる写真集です。
ページをめくるたびに、その美しさと、宇宙の壮大さに心奪われてしまうでしょう。何も考えずに、その神秘とスケールを感じていただきたい一冊です。
デザイナーが作り出したわけでもないのに、こんなにも宇宙は美しく、それぞれの惑星にも魅力があります。神秘が集まってできている銀河系。そこに住む私たち人間も、美しくありたいですね。