ディアボロは『ジョジョの奇妙な冒険』5部のラスボス。恐怖の帝王として描かれながら、時になぜか正反対の評価をされる人物です。 実は娘がいた?激アツな戦いをしていながらも最後が残念?この記事では話題のつきないこの人物の知られざる事実は名言をご紹介していきます!秘密主義な彼の素顔を除いてみましょう。また本作はスマホアプリで読むこともできるので、そちらもどうぞ。
『ジョジョの奇妙な冒険』5部はシリーズでも異例で、物語の大部分はギャング組織パッショーネの内部抗争を描いています。
その組織を束ねるボスがディアボロです。本名は不詳で、イタリア語で「悪魔」を意味する名前を名乗る謎多き男です。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
誕生日を含む一切の経歴、身長などが不明。1967年、刑務所で女囚が生んだ子供、ということだけわかっています。出生年が正しければ、劇中の2001年の時点で年齢は34歳です。
子供時代、養父の前では愚鈍で誠実な振る舞いをしていましたが、それは全て偽りの姿。本性は非常に残忍な性格で、自分の足跡を消すために、人も物も自身と関係のあったものは後に全て消してしまいます。
カビのようにも見える斑点の浮いた長髪に、蜘蛛の巣状の服(下着?刺青?)、腕にはタトゥーという派手な見た目をしています。
5部のゲーム『黄金の風』は宮本充、『オールスターバトル』以後は森川智之がディアボロの声優を担当しています。
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- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-06-01
ディアボロは自身に繋がる過去を消し、また人生も石橋を叩いて歩くような男です。誰も彼の正体を知りません。
ですが、そこへ突然現れたのが非嫡出子のトリッシュ・ウナです。ディアボロがソリッド・ナーゾという偽名を使っていたころ、付き合っていた女性との間に生まれた娘。
親子の血の繋がり、あるいはトリッシュだけが知るソリッド・ナーゾから、ディアボロの正体に迫れるかも知れない……。そんな思惑から、組織のあらゆる勢力が彼女を狙います。
1代にして巨大なギャング組織を築いたディアボロ。その秘密の一端が、彼のスタンド能力にあります。
キング・クリムゾンは近接パワー型スタンドのなかでもトップクラスのパワーを持っていますが、その真価は2つの特殊能力にあります。
1つめは時間を数秒間消し飛ばすというもの。
そして、もう1つは「エピタフ(墓碑銘)」と呼ばれる力で、直近の未来を予知することが出来ます。
エピタフで予知し、不都合な未来をキング・クリムゾンで消し去る。どんな相手だろうと、どんな罠だろうと、いかなる状況も回避可能。2種類の能力を組み合わせた反則技です。彼はこの能力を利用して、落とし穴を慎重に避けながら頂点に居続けているのです。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
ディアボロは生来のスタンド使いではありませんでした。
彼は1967年にイタリアの刑務所に収容されていた女性の子として生まれ、彼女の生家に譲られます。そこが故郷のサルディニア島。19歳まで何事もなく育てられていましたが、ある日育ての親がディアボロの母が拘束されていたのを見つけます。
そこから物語は急展開。村一帯の火事の様子が描かれ、彼も死亡扱いにされていました。
そこ周辺の生い立ちは謎に包まれており、エジプトの遺跡発掘に携わっていたことがあります。そこで彼は偶然、古びた「矢」を6本発見しました。ディアボロはその矢をDIOの部下であるエンヤ婆に売り、残りを私的利用したのです。
実は3部の事件の大本に、彼が関わっていたわけです。
ディアボロの残酷さを語る上で、外せないエピソードがあります。
組織から冷遇されていた暗殺チームの一員、ソルベとジェラートがある時行方不明になります。彼らは密かにディアボロの正体を探り、利権を乗っ取ろうと画策していました。
後日、恐怖に歪んだ表情のまま窒息死しているジェラートをチームのメンバーが発見。その後、チームの下へと謎の額縁が次々送られてきます。
額縁の中身が全て集まって、ようやく正体が判明しました。それは丁寧に輪切りにされ、ホルマリン漬けにされたソルベの体の断面だったのです。
謀反の画策に対するおぞましい報復に、暗殺チームは恐怖しました。
ディアボロは5部のラスボスなのですが、4部の吉良吉影とあわせてシリーズのボス格としては弱いのではとよく槍玉に挙げられます。実際のところはどちらも非常に強敵なのですが、2人ともスタンスのせいでそういう印象になってしまうようです。
ディアボロの場合、他の敵やラスボスが弱点を克服して強くなるのに対して、キング・クリムゾンは本質的に弱点から目を逸らす能力です。
その印象の悪さ、そして彼自身、戦いの時には苦戦する場面も多く、さらには情けないラストも相まって残念な評価になってしまっているのです。
組織パッショーネのボス、ディアボロがもっとも信頼する腹心ヴィネガー・ドッピオ。気弱で頼りないこの少年が、なぜボスからの篤い信頼を得ているのでしょうか。
答えは意外や意外、ドッピオこそディアボロなのです。正確にはディアボロの別人格、彼は二重人格だったのです。ドッピオになっている間、体格から性格まで完全に変わるので、同一人物と気付くことは出来ません。ほとんど変身と言っていいでしょう。
ドッピオ本人はそのことに無自覚で、ディアボロから通信で指令を受けていると思っています。ドッピオが命令を受けている間は、ディアボロの人格が出ている影響で、目や顔つきが半分だけ別人となります。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1998-08-01
これは「ジョジョ」に限らず、エンタメ作品としても異例なことでしたが、5部では主人公とは無関係の場所で悪役(中ボス格)対ラスボス(実質)のシーンが描かれました。それも寝返ったと言った展開ではなく、悪同士の事情で行われたのです。それがまた主人公による戦いとは別の、ルール無用デスマッチといった趣で熱い激戦でした。
ディアボロのもう1つの人格ドッピオが、ボスの暗殺を狙う暗殺チームリーダーのリゾット・ネエロに襲われたことで実現した特殊対戦。
リゾットはドッピオがボス本人であることを知らず、ドッピオ側はそれを悟らせないよう立ち回り、互いに騙し合いのような展開となります。
正体を晒したくないディアボロは、普段の力を使えません。それに引き替え、リゾットは暗殺技能をフルに使用し、油断もなく冷静にドッピオ(=ディアボロ)を追い詰めていきます。
ドッピオがエピタフの予知で見た未来と、その意外な決着。最終決戦に勝るとも劣らない名勝負でした。
物語の最終盤、勝負の行方はスタンドの力を引き出す「矢」の争奪戦に委ねられました。
ディアボロは自身を、生まれながら帝王の宿命を持つ者と思ってきました。ところがその争奪戦では、まるで運命が味方をするように「矢」はジョルノの下へ行ったのです。
ジョルノが新たに目覚めた力、「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」は「動作や意志をゼロにする」というものでした。その力は、ディアボロがエピタフで予知し、「キング・クリムゾン」で時を飛ばすことを許しません。
ディアボロはからくも逃げ延びます……しかし、ジョルノは意味深に言いました。
「終わりのないのが『終わり』
それが『ゴールド・E・レクイエム』」
(『ジョジョの奇妙な冒険』63巻より引用)
ディアボロは「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」の真の力、「真実に到達しない」という攻撃を受けて、脱出不能な状況に追い込まれます。ある種のシミュレーション世界のような場所で、ディアボロの死という運命が延々繰り返されるのです。ディアボロはあらゆるシチュエーションで死んでいきます。
彼は最後に、「オ、オレは何回死ぬんだ!?」という断末魔を残して、その後はどうなったか不明でしたが、「ゴールドエクスペリエンスレクイエム」の影響で何度も死に続けているのではないかと思われていました。
しかしその後、ミスタというキャラの魂と入れ替わりしていることが明かされます。最後を迎えてもなおストーリーに食い込んでくる欲の強さはあっぱれでしょう。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1999-05-01
それは最後に、無敵の帝王ディアボロの栄光と挫折を一望出来る、名言ランキングベスト5をご紹介して終わりたいと思います。
第5位:
「誰だろうとわたしの永遠の絶頂をおびやかす者は許さない」
(『ジョジョの奇妙な冒険』56巻より引用)
ディアボロは娘トリッシュの護衛をブチャラティに命じました。しかしそれは、自分の栄光のために自ら確実に娘を始末するためでした。本心を知ったブチャラティは翻意を見せるのですが、そんな彼を一撃で貫いた時の台詞です。自己中心的なラスボスらしい1言。
第4位:
「これは『試練』だ
過去に打ち勝てという『試練』と俺は受け取った
人の成長は……
未熟な過去に打ち勝つことだとな……
え? お前もそうだろう? J・P・ポルナレフ」
(『ジョジョの奇妙な冒険』61巻より引用)
ついにベールを脱ぐ不気味な帝王ディアボロ。かつて自分の正体に迫り、スタンドの秘密を知る数少ない人物であるポルナレフへ、威圧的に迫る場面です。ポルナレフの衝撃の再登場、未だ失われていないその強さとディアボロの激突は凄まじいものでした。
第3位:
「何かわからんがくらえッ!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』62巻より引用)
シーンとしては前出の名言の直後です。秘策を打ったポルナレフに対し、ディアボロはこう言って攻撃。一見して場当たり的な行動ですが、強さに自信があるからこそ追い打ちをかけたのです。傍目にはちょっと情けない台詞ですが。
第2位:
「『帝王』はこのディアボロだッ!!
依然変わりなくッ!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』63巻より引用)
ジョルノ達相手との熾烈な「矢」争奪戦での一幕です。あらゆる困難をはね除ける「キング・クリムゾン」の能力は、この世の帝王たることを宿命付けられた力だとディアボロは考えています。その自負が、どんな逆境でも彼に力を与えるのです。
第1位:
「オ、オレは何回死ぬんだ!?
次はど……どこから……
い……いつ『襲って』くるんだ!?
オレはッ!
オレのそばに近寄るなああ――――――ッ」
(『ジョジョの奇妙な冒険』63巻より引用)
ディアボロの名言にして、シリーズ屈指の迷言。最終決戦によってジョルノに倒された、ディアボロの悲惨な末路を象徴する台詞です。
いかがでしたか?劇中のディアボロは本当に恐ろしい男なのです。