2018年10月に5部のアニメが始まった『ジョジョの奇妙な冒険』。今なお人気の長寿作品です。 この記事では、シリーズのなかでも特にクセが強いと言われる、第5部「黄金の風」のキャラクターや名言などをご紹介!今からアニメ化が持ちきれないッ!!
ジョジョシリーズは、長く続くファンの多い作品です。そのなかでもシリーズ屈指の特異な設定から、第5部「黄金の風」は特に人気の高いパートとなっています。
物語は、イタリアへやってきた広瀬康一の視点で幕を開けます。第4部の登場人物である彼の口から、前作のおよそ1年半後、空条承太郎の依頼で訪れたことが語られるのです。
その後読者は、新しい「ジョジョ」であるジョルノ・ジョバァーナがDIOの息子であるという、驚きの事実を突き付けられます。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
そのジョルノは、なんと康一と同様スタンド使い。ふてぶてしくも、どこか憎めない彼は、裏社会のマフィアで真実の正義を貫く道へと邁進していきます。
5部は物語の密度が異常に高く、弾丸のように駆け抜けた全17巻はわずか9日間程度の出来事(多めに見積もっても十数日)。めまぐるしい展開は、どこも見逃せません。
悪なのに正義という、この不思議で爽やかなストーリーが好評を博し、スピンオフ小説『ゴールデンハート/ゴールデンリング』、『恥知らずのパープルレイズ』の2編が出版されました。また舞台の土地柄からかファッションにもこだわりがあり、ビジュアル面でも見所満載です。
本作は、2018年10月のよりファン待望のアニメ化も始まりました。原作の復習やアニメ化エピソードの予習も兼ねて、登場人物や、彼らにまつわるエピソードをご紹介しましょう。
本作の主人公。本名は汐華初流乃(しおばなはるの)といい、日本人の母親とDIO(首から下の肉体はジョナサン・ジョースター)の間に生まれた少年です。
身長172cm、年齢は15歳。幼少期、母にあまり面倒を見られなかった彼は、ひょんなことから出会ったマフィアに憧れて、そのマフィアのような、正しい道を歩くギャングスターを志すようになります。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-11-01
スタンド能力は、無機物に生命を宿すゴールド・エクスペリエンス。後に能力の応用で、人体の欠損パーツを生み出して外科的治療が可能になります。
物語終盤では「矢」によって、全てのパラメータが測定不能のスタンド、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムに進化。ジョルノに敵対する動作や意志を完全に無効化するという、圧倒的な力を誇ります。あまりにも規格外であることから、作中最強のスタンドといわれることも。
ジョルノ・ジョバァーナについて、詳しくはコチラの記事もチェック!
<ジョルノ・ジョバァーナに関する10の事実!ジョジョ5部の主人公が最強!>
ジョルノ達をまとめる、20歳のリーダー。義に厚い昔気質のマフィアである彼は、所属組織パッショーネのやり方に疑問を抱いていました。そんななかジョルノと出会ったことで感化され、その理想に惹かれて密かに結託。内部から組織打倒に向けて動き始めます。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1998-10-01
組織のボスに繋がる糸口を探っていた彼らは、ある時、ボスの娘・トリッシュの護衛を命じられます。しかしそれは、ボスが娘を自ら葬り去るために、彼の元へトリッシュを安全に運ぶという任務でした。
そんなボスをブチャラティは許すことができず、ボスと戦うことに。そして致命傷を負いながらも、トリッシュを助けて組織から離反します。ジョルノの治療で一見回復したかに見えましたが、脈も無く、血もほとんど通わず、死亡していながら執念だけで生きる、まさにゾンビのような状態となったのでした。
スタンド能力は殴った物体にジッパーを取り付け、切断と接着を自在におこなえるスティッキィ・フィンガーズ。チャックの開閉で戦うビジュアルが、非常に面白いキャラクターです。
ブチャラティについては<ブローノ・ブチャラティに関する7の事実!男も惚れるリーダーがゾンビ化!?>の記事で紹介しています。
最年長の21歳。長身の元警官です。疑り深く、新参のジョルノにはなかなか心を開きませんでした。
ジョルノ入団直後、自身の尿を混ぜた通称「アバ茶」を彼に出したことで有名。歯をクラゲに変えてその場を凌いだジョルノの方が、一枚上手でした。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-04-01
スタンドは、特定の人物の行動を映像記録のように再生出来るムーディー・ブルース。主に追跡と探索を担当していました。
ボスの手がかりを探す最中に死亡。死因はボスの直接攻撃でした。寸前でボスのデスマスクを完成させたことにより、仲間たちに希望を残しました。
アバッキオについては<レオーネ・アバッキオに関する6の事実!ジョルノに振る舞ったアバ茶って!?>の記事で紹介しています。
チームのナンバー2を自称する、ムードメーカー。こう見えて18歳。「4」という数字を極端に嫌っているという癖を除けば、気のよい青年です。ただしワキガであるらしく、ある一件でトリッシュに指摘されるシーンがありました。
またホワイトアルバム戦で負傷した際、ジョルノの治療中に「感じる」と発言したせいであらぬ誤解を受けるなど、コメディリリーフな一面も。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1996-11-01
そんな彼ですが、拳銃と銃弾を扱わせれば超一流。帽子の下などに予備弾を隠し持っています。その帽子で普段は隠れていますが、実は短髪な様子。
スタンドは弾丸に取り付いて操作する小型の群体スタンド、セックス・ピストルズ。本体のテクニックと合わせて、精密狙撃が可能です。
ミスタについては<グイード・ミスタに関する7の事実!いじめられてる?ワキガ臭い!?>の記事で紹介しています。
身長が低いため幼く見えますが、17歳とジョルノらより年上です。その出自から勉強が不得手で、からかわれると怒り狂います。フーゴに教えられて学ぶ心構えはあるのですが……。
過去の経験から、自分を拾ってくれたブチャラティを信頼し、仲間の絆を誰よりも重んじています。チーム内で戦闘を披露したのは遅い方で、ホルマジオ戦が初でした。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-02-01
スタンドはラジコン型のレシプロ戦闘機、エアロスミス。遠隔攻撃とレーダー探知が可能な器用な能力です。「ボラボラボラボラ……ボラーレ・ヴィーア」が決め台詞。
「オレ…故郷に帰ったら学校行くよ…」
(『ジョジョの奇妙な冒険』62巻より引用)
決戦を前に将来の展望を口にするのですが、悲しいことにそれが死亡フラグとなってしまいました。
ギルガについては<ナランチャ・ギルガの6の事実!計算できず、フーゴとフォークでバトル!?>の記事で紹介しています。
IQ152の天才。16歳の少年です。普段は紳士的ですが、その下には凶悪な本性を秘めています。
スタンドは殺人ウィルスを撒き散らすパープル・ヘイズ。1度解放されたウィルスは太陽光で殺菌消毒されるものの、本人にも制御不能で、非常に凶暴です。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-04-01
当初の予定ではジョルノたちを裏切る人物として描こうとしていたためか活躍の場が少なく、さらに今の流れで裏切るのは少年漫画的に相応しくないという作者の判断によって、最後は戦線離脱。以後の消息は不明でしたが、小説『恥知らずのパープルヘイズ』の主人公に抜擢されたことで補完がおこなわれました。
人間的にも成長し、スタンドもパープル・ヘイズ・ディストーションに進化します。
フーゴについては<パンナコッタ・フーゴの7の事実をネタバレ!本当はスパイの敵キャラだった?>の記事で紹介しています。
15歳の高飛車な少女。ボスの娘として護衛される立場でしたが、ボスを裏切ってからは仲間に加わりました。スタンド能力を身につけてからは、守られるのではなく、自分が仲間を守る側として戦うなど、物語のなかで大きな成長を見せます。
ミスタに対して「臭い」と発言するなど当初は反発していましたが、最終決戦の出来事以後は意気投合します。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1998-03-01
スタンドは、あらゆる物質を柔らかくするスパイス・ガール。ノトーリアスB.I.G.に襲われる飛行機内で、スタンド使いに覚醒しました。
物語のその後を描く『恥知らずのパープル・ヘイズ』では、歌手デビューしていることが語られています。
彼は5部のラスボスにして、存在全てが謎の人物です。本名不詳、経歴不明、身長含む体格すら秘密にされています。1967年に女囚が刑務所で生んだ子供、という情報が正しければ年齢は34歳。実は二重人格で、普段はもう1つの人格であるドッピオという少年の姿をしています。
スタンドは時間を吹き飛ばすキング・クリムゾン、近未来の予見が可能なエピタフの2種類。それに加えて最強クラスのスピードとパワーがあり、ほぼ無敵です。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
早くから邪悪な本性を隠し、誰にも付け入られることなく組織パッショーネの頂点に登り詰めた彼は、自身の正体を探られることを極端に嫌っています。
暗殺チームのソルベとジェラートが、ボスの正体を探って麻薬ルートを奪い取ろうとした時、彼はただちに粛正し、2人を惨殺。ソルベを生きたまま切断し、「輪切りのソルベ」として、他の者への見せしめとしました。
「矢」の持ち主だったことから、矢の回収に当たっていた第3部の登場人物、ジャン=ピエール・ポルナレフとかつて戦ったことがあります。そして、シルバー・チャリオッツを再起不能に陥れました。
そんな彼の最期は悲惨で、ジョルノのゴールドエクスペリエンス・レクイエムを食らったことにより、永遠に死に続けることとなりました。自分身のことしか考えてこなかった報いでしょう。
ディアボロについて、詳しくはコチラの記事もチェック!
ディアボロに関する10の事実!第5部・帝王のかわいそうな結末とは!?
本作には、敵味方関係なく、魅力的なキャラクターが多数登場。そのなかでも注目人物たちを、ここでは紹介していきます。
サーレー【クラフト・ワーク】
パッショーネの組員で、下で紹介するズッケェロの相方的存在。スタンドは、触れたものを固定される能力。固定してものを叩くなどして衝撃を溜め、そのまま固定を解除。正確な狙いで、相手に威力ある攻撃を加えます。
ミスタが作中で、初めて対戦する相手が彼でした。しかし最後は、ミスタによって弾丸を頭に打ち込まれて敗北します。
ホルマジオ【リトル・フィート】
暗殺チームのメンバー。世にも恐ろしい「輪切りのソルベ」の話は、彼の視点で語られました。彼との戦いで、ナランチャが初めて戦闘シーンを見せます。スタンドは、切りつけたものを小さくできる能力。自分自身は、自在に大きさを変えられます。最後はエアロ・スミスの攻撃により死亡しました。
イルーゾォ【マン・イン・ザ・ミラー】
暗殺チームのメンバー。スタンドによって鏡の中の世界を作り出します。その際、鏡に入れるのは彼が許可したものだけ。彼が本体だけを許可すれば、スタンドは入ることができません。ジョルノ、アバッキオ、フーゴの3人がかりでも苦戦するほどの強敵でした。
ここでは、フーゴの戦闘シーンが初めて見られます。最後は彼の毒によって、イルーゾォは跡形もなくなってしまいました。
プロシュート【ザ・グレイトフル・デッド】
暗殺チームのメンバー。目的のためなら一般人も巻き込む、冷酷な人物。しかし弟分のペッシには「マンモーニ(ママっ子)」と言いながらも、良い兄貴分としてしっかり面倒を見ていました。最後はそんな弟分に思いを託し、覚悟の死を遂げます。
スタンドは、生物を年老いさせる能力。しかし体温が低い者ほど老化が遅いので、氷などを使用することで、効果を弱めることができます。
ペッシ【ビーチ・ボーイ】
プロシュートの弟分。暗殺チームに所属していながら人を殺したことがなく、すぐに弱気になります。しかし兄貴分の命をかけた覚悟を目の当たりにしたことで、彼も覚悟を決めるのでした。
スタンドは釣竿のような形をしており、標的をピンポイントで釣ることができます。心臓などを直接狙い、体の内側から引き裂くことが可能です。冷酷な人格へと変貌を遂げた彼でしたが、最後はブチャラティのスティッキィ・フィンガーズによってバラバラにされて死亡します。
メローネ【ベイビィ・フェイス】
暗殺チームのメンバー。スタンドはターゲット(この場合、ブチャラティチームの誰か)の血液と、女性(性格は凶暴で口が悪いなど、難がある方が良いそう)によって子供を作る能力。組み合わせによっては、かなり強い子供が誕生する。
その能力と、狙いを定めた女性に「好みのキスの仕方」などを遠慮なく聞いているさまから、かなり気持ち悪い印象のあるキャラクター。最後はジョルノの能力によって生み出されたヘビに噛まれ、死亡します。
カルネ【ノトーリアス・B・I・G】
登場早々に死んでしまう謎の本体。しかし、彼は死んでから本領を発揮するスタンドだったのです。その場でもっとも速く動いているものを、自動で攻撃します。本体が死亡しているためダメージをほとんど食らわず、食らってもすぐに回復してしまう厄介な敵。
彼との対戦で、トリッシュがスタンド能力に目覚めます。最後はトリッシュによって海に落とされ、波を永遠と攻撃し続ける羽目となってしまいました。
この他にも、個性豊かな敵キャラクターが多く登場します。きっと、あなたが好きなキャラクターも存在するはず!
暗殺チームについて、詳しくはコチラの記事もチェック!
「ジョジョ」5部の護衛チーム、暗殺チームを徹底比較!名言や能力、強さなど
彼は刑務所から指示を出す巨漢の組織幹部で、組織入団テストを担当。初登場時、自身の指を食べる(食べたように見えた)という不気味なパフォーマンスを見せました。
スタンドは自動操縦型のブラック・サバス。特定条件を満たすと試験者の前に現れ、「矢」で攻撃します。その矢に選ばれた者だけがスタンド能力を身につけ、選ばれなければ命を落とします。
ジョルノのテストの際、無関係な一般人を巻き込んでしまいました。そのことで、ポルポは彼の怒りを買い、ジョルノによってバナナを拳銃に変えられ、それを食べようとしたことで死亡しました。
死んだポルポの遺産をかすめ取るため、ブチャラティらの前に現れた最初の敵です。
姿を隠しながら1人1人確実に仕留めていく様子が、なんとも不気味。最終的にブチャラティ以外は全員、彼によって倒されてしまいます。
スタンド能力は、剣で刺した物体の空気を抜いて、まるで風船のように変えてしまうソフト・マシーン。当初、1隻の船上で襲われたことからブチャラティ達を追い詰めました。実際は能力を使って縦に船を重ねており、ブチャラティが、船は2隻あった、と気づいたことで逆転に繋がりました。
身柄を拘束されてからはミスタたちによって拷問されるなど、なかなか悲惨な目にあった人です。
組織に刃向かう、暗殺チームのリーダー。28歳。立場的にはブチャラティ達と同じですが、双方の敵として登場します。アンチヒーロー的格好よさがあるキャラ。
スタンドは磁力を操作する、群体型のメタリカ。血中の鉄分から刃物を生成するなど、暗殺向きの能力です。
「オレはおまえに…近づかない」
(『ジョジョの奇妙な冒険』58巻より引用)
慎重に行動する男で、ボスと同一人物であるドッピオをギリギリまで追い詰めましたが、キング・クリムゾンの攻撃によって死亡しました。
ボス親衛隊コンビ。ジョジョ史上最悪といってもいいほどの、クズとゲスです。
元医者で快楽殺人鬼のチョコラータのスタンド、グリーン・デイ。人体に取り付いて繁殖する、腐食性のカビを繁殖させます。その性質から際限なく被害を拡大させる、危険な能力です。
セッコはチョコラータの元患者で、彼の信奉者。好物は角砂糖です。物体を液状化させて地中に潜航出来るオアシスで、ブチャラティを苦しめました。
彼らは大量殺害を映像記録しており、「良ぉお~~しッ! よしよし」と褒める一連のやりとりで異常性を発揮。チョコラータは史上最多の無駄無駄ラッシュで成敗されて「ヤッダーバァァアアアア」の断末魔でリタイアしました。最期には2人仲良くゴミ収集車へ。
5部の物語はラスボス、ディアボロとの決戦で幕が閉じます。そこからエピローグとして、ブチャラティ達の前日譚が語られました。エピローグで前日譚とは奇妙な構図ですが、5部全体の「運命」に関わる大事な話となっています。
ジョルノが組織に入団する直前、地元の相談役だったブチャラティの下に、ある依頼が舞い込みます。自殺した娘の事件の真相を知りたいという父親が、警察はあてにならないとやって来たのです。ミスタが調査を進めたところ、娘の交際相手の彫刻家、スコリッピがスタンド使いだということがわかりました。
彼のスタンドであるローリング・ストーンズは、近い将来死ぬ運命にある人物の近くに現れるという自動発動型の能力。その死の運命から逃れることは出来ず、スタンドを受け入れれば安楽死、抵抗すれば惨たらしく死ぬことになります。
彼は、人間は皆「運命の奴隷」だ、という厭世観を持った人物でした。しかし、ストーンズの死の運命を目撃したミスタが犠牲を厭わず運命に抗ってみせたことで、例え運命を変えられないとしても、抵抗する意志が未来に何かをもたらすと感じました。
そのラストシーンでは、ストーンズに予見されたブチャラティの死の運命は変えられず、しかもミスタの行動がより悪い結果を導いたことが示唆されます。
しかし、そこで描かれたのは運命が変わらない「絶望」ではなく、個人の生死を超越した「希望」だったのです。
重厚なストーリーでファンを魅了する第5部には、1つ1つの場面で胸を打つ名言が多く見られました。全てご紹介したいのは山々ですが、特に物語に関係する印象的なものを、ベスト10として厳選してご紹介します!
第10位
「『侮辱する』という行為に対しては殺人も許されるだって?
なるほど……お前の言う事は本当に大切な事だ。
お前は、あの無関係のじいさんの『命を侮辱した』」
(『ジョジョの奇妙な冒険』49巻より引用)
入団試験をパスしたジョルノが、試験官ポルポに復讐した場面。言葉をそっくりそのまま返して、命には命で購わせる。彼の真摯な覚悟が見て取れます。
第9位
「人の成長は…………未熟な過去に打ち勝つことだとな…」
(『ジョジョの奇妙な冒険』61巻より引用)
ついにディアボロが正体を現します。彼は、トリッシュという自分の過去に繋がる存在が招いた状況を、「試練」と言いました。過去に打ち勝つためにトリッシュを殺し、彼女を守るブチャラティたちも殺そうとするのです。
第8位
「ディ・モールト、ディ・モールト(非常に非常に)良いぞッ!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』54巻より引用)
メローネのセリフ。女性から生まれた子供が見せた凶暴性に、この反応です。彼が非常にいいと思った通り、チームを全滅の危機に陥れるほどの強敵でした。
第7位
「『ブッ殺す』と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』53巻より引用)
プロシュートが、ペッシに対して放った言葉。この後、彼は躊躇することなく、ミスタの頭に弾を打ち込みます。弟分に対し、自身の行動で覚悟というものを示しました。
第6位
「オ、オレは何回死ぬんだ!?
次はど……どこから……
い……いつ『襲って』くるんだ!?
オレはッ!
オレのそばに近寄るなああ――――――ッ」
(『ジョジョの奇妙な冒険』63巻より引用)
最終決戦で倒されたディアボロ、その悲惨な最期を象徴する台詞です。間をすっ飛ばして、結果だけ得て絶頂期を維持していた彼が、今度は死という結果に決して行き着かないというのは皮肉な話です。
第5位
「ブチャラティィィィィィィィィ、行くよッ!オレも行くッ!行くんだよォ――ッ!!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』56巻より引用)
トリッシュを救出したブチャラティは、ボスを裏切ることを決めます。その際彼は、残りのメンバーに「来い」とは言いませんでした。結果、ナランチャとフーゴが残ることに……。しかし船に乗ったトリッシュの傷ついた腕を見て、ナランチャは「トリッシュの傷は、俺の傷だ」と思うのです。
彼は幼いころ親や友人など、信じている人たちから裏切られ、ブチャラティに会ったことで救われました。そんな自身の境遇と、父親から裏切られた彼女の境遇を重ね合わせたのでした。
結果、彼は船まで泳いでいき、ボスを裏切ることを決めたのです。
第4位
「このジョルノ・ジョバァーナには夢がある!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』49巻より引用)
ズッケェロの攻撃によって、ブチャラティ達は孤立無援の窮地に立たされました。新参者のジョルノは仲間の信頼を得て、さらに窮地も脱する、そのどちらも達成する最善策として自ら犠牲になります。夢のためにはあらゆる手段を厭わない、彼の強さが感じられる名言。
第3位
「大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている。
向かおうとする意志さえあれば、
たとえ今回は犯人が逃げたとしても、いつかはたどり着くだろう?
向かっているわけだからな……違うかい?」
(『ジョジョの奇妙な冒険』59巻より)
生死の境を彷徨うアバッキオが出会った、不思議な警官の言葉。彼はアバッキオの警官時代の先輩で、アバッキオが犯人を打つのを躊躇した結果、殉職したのでした。
結果ではなく、真に大事なことは過程の積み重ねという趣旨のセリフは、非常に示唆的でした。結果だけを求める「あの男」だけでなく、我々普通の人間にも意味のある警句と言えます。
第2位
「無事を祈ってはやれないが、彼らが『眠れる奴隷』であることを祈ろう……
目覚めることで……何か意味のあることを切り開いて行く
『眠れる奴隷』であることを……」
(『ジョジョの奇妙な冒険』63巻より引用)
エピローグに登場する彫刻家、スコリッピの独白。彼は逃れられない個人の運命の果てに、人の意志の強さを垣間見ました。その可能性を「眠れる奴隷」と評したのです。5部を総括する、重要な名言といえるでしょう。
第1位
「覚悟はいいか?俺はできてる」
(『ジョジョの奇妙な冒険』53巻より引用)
プロシュートと戦った際の、ブチャラティの言葉。任務をおこないながら、部下も守る。幹部としての苦悩です。しかし彼は覚悟を持って、どちらも遂行します。そして彼は走行中の列車に穴を開け、外へ飛び出すのでした……。
高いカリスマ性と、その優しさで、読者から絶大な人気を誇るブチャラティ。そんな彼の魅力が詰まった名言が、堂々の1位です。
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「ジョジョ」のシリーズ別名言ランキングベスト3!どのキャラクターが好き?
前述したように、本作は運命に抗う物語だったといえます。あらゆる運命、そのなかでも生命にとって最後に訪れる絶対的な真実、逃れられない死という運命にいかに立ち向き合うか。受け入れて安らかに死ぬか。
犠牲を払ってでも何かを残すか。それとも目を逸らすか……。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1999-05-01
ディアボロとの決戦のなか、ジョルノは矢を手にします。矢は彼を選び、彼のスタンドはゴールド・エクスペリエンス・レクイエムに進化。ジョルノに敵対する動作や意志を完全無効化するという能力によって、ディアボロは永遠に死の瞬間をくり返すことになったのです。
本作ではただ1人を除いて、ほとんどのキャラクターは運命に抗いました。その結果、ブチャラティ、アバッキオ、ナランチャが死亡。生き残りはジョルノ、ミスタ、トリッシュ、そしてチームを離れたフーゴとなりました。
運命に抗わなかったディアボロも、ある意味で生きているといえるでしょう。彼は永久に死という真実に到達しないのですから。
その後ジョルノはディアボロに代わって組織に君臨し、新たな秩序を構築していきます。正しきギャングスター、すなわち正しき正義。それこそが、多くの死で運命的に紡がれた希望なのです。
いかがでしたか?第5部にはまだまだ語り尽くせない魅力がたっぷりあります。未読の方はぜひ実際にご覧ください。