『ジョジョの奇妙な冒険』は現在も続く息の長い作品です。そのなかでも第5部「黄金の風」は、シリーズでも異色のギャングという裏世界の物語でした。しかし、そこに息づく思想・理念は間違いなく「ジョジョ」的であり、ファンの期待を裏切りませんでした。 2018年10月のアニメ放送が待たれる本作ですが、今回は特にストーリーの軸になる2つのチームを中心にご紹介したいと思います。 下のボタンのアプリから読むことができるので、是非お読みください。
護衛チームとは主人公のジョルノ・ジョバーナも所属する、ブローノ・ブチャラティをリーダーとするチームです。本来は末端の小集団でしたが、組織幹部ポルポの隠し遺産を上納したことから彼らの地位が向上。重要な任務を任されるようになりました。
その任務とは、組織のボスの娘を組織内部の反乱分子から保護して、ボスの下へ移送する「護衛」だったのです。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
暗殺チームは、リゾット・ネエロをリーダーとした組織の実行部隊です。その任務の重要性に反して扱いが軽く見返りが少ないことから、組織への敵対行動を始めました。
物語の中盤は両チームの激突がメイン。いずれも一癖も二癖もある人気キャラばかりで、知恵と能力を最大限に駆使したやりとりは必見です。
組織パッショーネのチームリーダーで、幹部の1人であるポルポの部下でした。ポルポ亡き後は彼の仕事を引き継ぎます。面倒見が良く、正義感の強い男です。
幼少期には父親と普通に暮らしていましたが、父親が麻薬事件に巻き込まれたことで、彼は裏の世界に入ることを余儀なくされました。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1998-10-01
スタンドは近距離パワー型の、スティッキィ・フィンガーズ。殴った物体に開閉可能なジッパーを取り付ける能力です。暗殺チームは奇襲をかけることを得意とする者もいますが、単純なパワーで彼に勝てる者はいません。
そんな彼のキャラクター性を表している台詞をご紹介しましょう。
「吐き気をもよおす『邪悪』とはッ!
何も知らぬ無知なる者を利用する事だ……!!
自分の利益だけの為に利用する事だ……
父親が何も知らぬ『娘』を!! てめーだけの都合でッ!
ゆるさねえッ! あんたは今、再びッ! オレの心を『裏切った』ッ!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』55巻より引用)
彼はかつて、たった1人の家族である父親を麻薬絡みの事件で失いました。そのことから麻薬を嫌悪していましたが、組織もいつしか麻薬に手を出していたのです。それが彼にとって組織=ボスの最初の裏切りでした。そして今度は、彼の目の前で、ボスは自分の娘を手にかけようとしたのです。
自分の都合だけで他者を踏みにじる。この時の失望と義憤から、彼はボス打倒に乗り出すのです。
「『任務は遂行する』『部下も守る』
「両方」やらなくっちゃあならないってのが『幹部』のつらいところだな。
覚悟はいいか? オレはできてる」
(『ジョジョの奇妙な冒険』53巻より引用)
そしてこちらも、彼を語るうえでは忘れられない名言です。護衛対象であるトリッシュ、そしてジョルノ達部下を守るため、彼は単身で強敵プロシュート&ペッシコンビに立ち向かいました。そのうえきちんと有言実行したのですから、彼の格好良さが際立つ、シリーズ屈指の名場面です。
5部主人公。チームではもっとも新入りですが、彼の勇気と覚悟が仲間を変えていきます。
彼は、歴代主人公の血筋であるジョースター家の血を引いているのですが、同時にジョースターの宿敵ディオ・ブランドーの息子という特殊な生い立ちの少年です。ディオがかつてジョナサン・ジョースターの体を乗っ取ったことで、このような複雑な事態になりました。
幼児期には周囲の虐待で歪みかけたこともありましたが、偶然出会った反社会的な存在であるギャングのおかげで、逆に社会性を学ぶことに。それ以来彼はギャングに憧れ、ギャングスターを目指すようになりました。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1996-07-01
スタンドはゴールド・エクスペリエンス。無機物を動植物に変えたり、生体パーツを作ることが可能です。終盤にスタンドの先にある未知の領域へ到達し、ゴールドエクスペリエンス・レクイエムに進化します。
「『覚悟』とは!!
暗闇の荒野に!!
進むべき道を切り開く事だッ!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』55巻より引用)
暗殺チームのギアッチョに追い詰められて、絶体絶命の場面。ミスタは自ら犠牲になることで、窮地の埋め合わせをしようとしました。それをジョルノは引き留め、本当に重要な覚悟の精神を説いて、実践してみせました。文字通りに血路を切り開いた名言です。
チームのムードメーカー。本人曰くNo.2の実力者です。数字の「4」を異常に嫌うことと、イタリア人らしい思考を除けば付き合いやすく気のいい男です。
もとは普通の生活をしていましたが、暴行現場を目撃して助けに入ったところ、自身は無傷かつ暴漢は全員射殺してしまうという結果から、人助けとは認められずに禁固刑となりました。
しかし偶然にも報道でこのことを目に留めたブチャラティに救われ、以後組織に入団します。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1996-11-01
スタンドは6体1組の、セックス・ピストルズ。銃弾に取り付いて精密射撃、曲芸射撃を可能とします。物体の遠隔操作が可能な点で、ジョルノとの相性は抜群です。
「突っ切るしかねえッ! 真の『覚悟』はここからだッ!
『ピストルズ』! てめーらも腹をくくれッ!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』55巻より引用)
対ホワイト・アルバム戦。ジョルノの身を挺した行動が血路を開きましたが、冷気によって守られているギアッチョには致命打が届きません。そこで彼は、反射によって自ら傷付きつつも、攻撃を加え続けるという選択をしました。まさに肉を切らせて骨を断つ。彼の男前振りが見られます。
疑り深い長身の男です。
かつては正義感に溢れた警官でしたが、社会の暗部に触れて少しずつ堕落していきます。それが原因で同僚が殉職し、汚職警官の汚名を被ったことから絶望。
居場所を失った彼は、やはりブチャラティに救われて組織に加入するのです。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-04-01
スタンドは特殊能力がメインの、ムーディー・ブルース。指定した場所、人物の過去の行動を映像で再生するように再現することが可能で、謎解きの鍵になることが多いです。彼自身の意志がチームを導くことにもなりました。
「うらやましいな……
以前おれは……警官になりたいと思っていた……
子供のころから……ずっと。
りっぱな警官に……なりたかったんだ……
かつてあんたのような『意志』をいだいていたこともあった……
でも、だめにしちまった…………オレって人間はな……
くだらない男さ。なんだって途中で終わっちまう。
いつだって途中でだめになっちまう…………」
(『ジョジョの奇妙な冒険』56巻より引用)
組織のボスの正体を暴くため、ボスの因縁深い地であるサルディニア島に訪れた一行。彼はムーディー・ブルースを発動させて、過去の再生を試みるのですが……。気が付けば彼は、どことも知れないカフェテラスにいました。そこで、かつて彼がなくした情熱を持つ、1人の警官と邂逅するのです。
一連のやりとりは5部のテーマを体現する重要なシーンであり、彼の秘めた本音が垣間見られます。
アバッキオについて紹介した<レオーネ・アバッキオに関する6の事実!ジョルノに振る舞ったアバ茶って!?>もあわせてご覧ください。
無邪気な性格の、小柄な少年。ジョルノより年上ですが、子供に思えるキャラです。
彼は幼児期から不遇を囲い、母を失い、父に見捨てられ、唯一心を許していた親友にも裏切られて人間不信に陥っていました。行く当てもない彼に、後に紹介するフーゴが手を差し伸べ、そこでブチャラティの人間性に触れることとなります。そして、自ら進んでギャングの世界に飛び込みました。
フーゴとは、名実ともに凸凹コンビ。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-02-01
スタンドはラジコン飛行機型の、エアロ・スミス。遠隔攻撃から偵察までこなせる便利な能力です。
「ブチャラティィィィィィィィィ!
行くよッ! オレも行くッ! 行くんだよォ――――――ッ!!
オレに『来るな』と命令しないでくれ――――ッ!
トリッシュはオレなんだッ! オレだ!
トリッシュの腕のキズはオレのキズだ!!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』56巻より引用)
ブチャラティは組織から離反する際、チームのなかでは唯一彼にだけ、はっきり「来るな」と言いました。裏切り者の末路がどうなるかわかっていたからです。しかし彼は、トリッシュを自らの不幸な生い立ち、境遇と照らし合わせて、彼女を守ると決断したのです。
誰の命令でもなく己の意志で。言葉は未熟でも、心に強く響く名言でした。
ジョルノに次ぐ若さですが、意外にもチームでは古参です。
非常に理知的で礼儀正しい反面、一度キレると手が付けられない凶暴性を秘めています。貴族出身で、若くして大学に飛び級するも、そのキレやすい欠点のせいで人生を台なしにしました。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-04-01
スタンドは敵味方含めて最も危険な、パープル・ヘイズ。破壊力もそうですが、何より恐ろしいのは、両手に備わったカプセル内の即効性殺人ウイルスです。制御しづらさに目を瞑れば、暗殺チームより殺傷力の高い能力となっています。
良くも悪くも二面性が魅力のキャラです。
「ジョルノッ! お前の命がけの行動ッ!
僕は敬意を表するッ!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』52巻より引用)
イルーゾォのマン・イン・ザ・ミラーに苦戦したジョルノは、あえてパープル・ヘイズの殺人ウイルスに感染した状態で鏡の世界に入り、イルーゾォの優位を崩しました。ウイルスを中和する算段があったとはいえ、命懸けの行動に及んだ彼に対し、フーゴは心の底から感心したのです。
常にクールな彼が熱く叫ぶほどの、凄まじいシーンでした。
フーゴについては<パンナコッタ・フーゴの7の事実をネタバレ!本当はスパイの敵キャラだった?>の記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
ここからは暗殺チームのメンバーをご紹介します。リゾット・ネエロはこのチームのリーダー。冷静沈着な暗殺者らしいキャラです。
飲酒運転でいとこを轢いた犯人を自ら殺害し、裏社会の一員となりました。21歳でスタンド能力を身に付け、暗殺チームに入ってからは一度の失敗もない凄腕です。
TVアニメでは藤木秀が声優を務めました。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
タイプは違いますが、冷静な分析力と大胆な行動力は、ブチャラティに勝るとも劣りません。
暗殺チームのリーダーを務めるだけあって、彼は非常に慎重な男です。それが端的にわかるのがこの名言。
「オレはおまえに……近づかない」
(『ジョジョの奇妙な冒険』58巻より引用)
サルディニア島に派遣されたボスの側近ドッピオ(実は、多重人格であるボス本人)。一見するとひ弱で無力な一般人にしか見えない彼を、リゾットは決して侮ることなく警戒し続けました。あらゆる不安要素をしっかり潰す、暗殺のプロであることを感じさせた場面です。
【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - C(5~10M)/ 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
スタンドは体内に巣くう群体スタンド「メタリカ」。磁力操作に長けており、その力で生物の血液中の鉄分から刃物を生み出して内部から破壊したり、大量の鉄分を失わせて窒息させることが可能です。
モデル・元ネタはアメリカのメタルバンド「METALLICA」です。
暗殺チームの1番手で、口の悪いチンピラ風の男。
チーム内の格付けでは下に見られているようですが、本人は気にしていません。能力は使いようだと豪語し、事実、ブチャラティの命令で単独行動していたナランチャをギリギリまで追い詰めました。スタンドバトルの妙を楽しめる名勝負です。
TVアニメでは福島潤が声優を務めています。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-02-01
トリッシュの護衛任務に就いたブチャラティ達を、初めて襲ったのが彼でした。
「しょおおがねーなああああ~……
たかが『買い物』来んのもよォォ――
楽じゃあ……なかっただろ? え? ナランチャ……
これからはもっと……しんどくなるぜ……てめーらは……」
(『ジョジョの奇妙な冒険』51巻より引用)
ナランチャと激しいバトルをくり広げた彼は、口癖の「しょうがねぇな」とともに、不気味な予言を残して果てました。そして、それは紛れもなく、護衛チームがこれから迎える困難な道のりを示唆していたのです。
【破壊力-D/スピード-B/射程距離-E/持続力-A/精密動作性-D/成長性-C】
スタンドは切りつけた対象を縮小させる、リトル・フィート。一度攻撃されれば時間はかかるものの際限なく縮んでいきます。また本体にも能力は有効で、その場合は自由自在に大きさを変えることが出来ます。
モデル・元ネタはアメリカのロックバンド「Little Feat」。
ポンペイ遺跡で、ジョルノ達を待ち伏せていた男。彼はある意味で最も暗殺者らしい暗殺者です。自分の能力に絶大な自信を持ち、たった1人でジョルノ、アバッキオ、フーゴの3人を相手にしました。
TVアニメでは成田剣が声優を務めました。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-04-01
「『マン・イン・ザ・ミラー』
オレだけが外に出る事を許可しろォォォォ─────ッ!
うおおおががががが、だが!
ウイルスは許可しないィィィィィ──────ッ!
感染した部分は出る事は許可しないィィィィィィィ───ッ!!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』52巻より引用)
ジョルノの体を張った行動で、彼は殺人ウイルスに感染します。追い詰められた彼は、苦肉の策として外界への脱出を選択。しかし「ウイルスを許可しない」ということは、感染済みの肉体部分を捨てるということであり……そこまで覚悟して逃れたものの、結局はパープル・ヘイズに捕らえられるという哀れな最期を遂げました。
もし彼が個別に襲っていた場合、おそらく護衛チームは全滅していたでしょう。
【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - C(鏡の中では数百m) / 持続力 - D / 精密動作性 - C / 成長性 - E】
スタンドは「鏡の中の世界」を生み出す、マン・イン・ザミラー。鏡を出入り口として、条件に合致した対象を鏡面世界に引き込みます。その世界には彼が許可したものしか入れないため、対処するのが厄介な能力です。
モデル・元ネタは「マイケル・ジャクソン」の楽曲『Man in the Mirror』。
その言動や意志の強さから、暗殺チームで屈指のファン人気を誇ります。
フィレンツェ行き特急に乗車した護衛チームを、弟分ペッシと2人で強襲。無関係の乗客を巻き込むことも厭わず全滅させようとしました。
TVアニメでは鈴木達夫が声優を務めています。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-06-01
「オレたちチームはな!
そこら辺のナンパ道路や仲良しクラブで『ブッ殺す』、『ブッ殺す』って大口叩いて
仲間と心をなぐさめあってるような負け犬どもとはわけが違うんだからな。
『ブッ殺す』と心の中で思ったならッ!
その時スデに行動は終わっているんだッ!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』53巻より引用)
追い詰めたはずのミスタに思わぬ反撃を受けたペッシは、竦んでスタンドを解除してしまいます。そこを救ったプロシュートは、ペッシの成長を促すためにこう発言しました。そして言葉通り、容赦なくミスタに銃弾を撃ち込んだのです。
これより前にあった「ブッ殺したなら使ってもいい」という台詞とともに、悪役ながら頼れる兄貴分として、彼はファンから絶大な支持を受けています。
「栄光は……お前に……ある……ぞ……
やれ……やるんだ……ペッシ。
オレは……お前を……見守って……いるぜ……」
(『ジョジョの奇妙な冒険』53巻より引用)
彼のもう1つの名言。ブチャラティの機転によって瀕死の重傷を負わされるも、命と引き替えにグレイトフル・デッドの能力を継続し、ペッシを援護しました。死んでもやり遂げる、という覚悟を身をもって示したのです。
【破壊力: B / スピード: E / 射程距離: 列車一本程度は十分 / 持続力: A / 精密動作性: E / 成長性: C 】
スタンドは効果範囲内の生物を無差別に老化させる「ザ・グレイトフル・デッド」。攻撃対象を選べないというのが少々厄介で、体温が低いと老化スピードが遅くなるという弱点があるものの、基本的には対処法がありません。
何より恐ろしいのは、そんな力を容赦なく使う本体の意志力です。
モデル・元ネタはアメリカのロックバンド「The Grateful Dead」。
プロシュートの弟分で、暗殺チームにもかかわらず、人殺しの経験がない男です。能力的には充分なのですがプロシュートに頼る癖があり、精神的な弱さから「マンモーニ(ママっ子野郎)」と呼ばれています。
TVアニメでは木村昴が声優を務めました。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-06-01
未熟さからの脱皮という点では、ナランチャに近いかも知れません。
「分かったよプロシュート兄ィ!!
兄貴の覚悟が!『言葉』でなく『心』で理解できた!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』53巻より引用)
プロシュートに頼りっぱなしだった彼が、兄貴分の犠牲的覚悟を目の当たりにして覚醒。途轍もない強敵としてブチャラティの前に立ち塞がりました。主人公だけでなく、敵キャラクターすらも学んで成長するのが「ジョジョ」の面白さです。
【破壊力:C スピード:B 射程距離:C(糸の距離) 持続力:C 精密動作性:C 成長性:A】
スタンドは釣り竿型の「ビーチ・ボーイ」。釣り針と糸は物体に潜航させることが出来、対象の探知や捕縛、攻撃が可能です。釣り糸への攻撃は、針の刺さった対象へ返る特性があります。
モデル・元ネタはアメリカのロックバンド「Beach Boys」。
プロシュートらの後を引き継いで、護衛チームを追跡。自身は安全な場所にいて高みの見物を決め込む、屈折した人物。
TVアニメでは間島淳司が声優を務めました。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-09-01
「ディ・モールト、ディ・モールト(非常に非常に)、良いぞッ!
良く学習してるぞッ!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』54巻より引用)
彼のスタンドであるベイビィ・フェイスは、成長するスタンドです。パソコン状の端末でその様子を確認した彼は、興奮気味にこう言い放ちました。
【破壊力 - A / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - C(教育次第) / 成長性 - C(教育次第)】
スタンドのベイビィ・フェイスは、そんな本体の歪んだ精神を反映しています。殺害対象の血液をサンプリングし、人間の女性を媒体として、その都度異なる「息子」という遠隔自動操縦スタンドを生み出します。母体の女性が反社会的、攻撃的であるほど「息子」は凶悪になる様子。
自動操縦なため正確な操作は出来ませんが、うまく成長すれば強力無比となります。事実、劇中では完勝しかけるほど。物質を組み替えるという「息子」の特性が、ジョルノの能力と呼応しました。
モデル・元ネタは作曲家・シンガーソングライター「Babyface」。
リゾットを除くと、暗殺チーム最後の刺客です。
TVアニメでは岡本信彦が声優を務めました。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1997-11-01
「『根掘り 葉掘り』……ってよォ~~~~
『根を掘る』ってのはわかる……スゲーよくわかる。
根っこは土の中に埋まっとるからな……
たが『葉掘り』って部分はどういうことだああ~~~~~~っ!?
葉っぱが掘れるかっつーのよ――――――ッ!
ナメやがってこの言葉ァ、超イラつくぜぇ~~~ッ!
葉っぱ掘ったら裏側へやぶれちまうじゃあねーか!
掘れるもんなら掘ってみやがれってんだ! チクショ―――ッ!
どういう事だ! どういう事だよッ! クソッ!
葉掘りってどういう事だッ!
ナメやがって、クソッ! クソッ!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』55巻より引用)
メローネの後を引き継いで登場した彼ですが、本筋とは無関係な部分でいきなり激怒し始めました。冷静に考えれば非常にどうでもいいことなのですが、そのどうでもいいことに激烈にキレている辺りで、読者は彼が危険人物であると瞬時にわかるようになっています。
チーム内では最も凶暴と思われる男。この些細なことにキレる描写から、異常性が際立っています。その一方で洞察力に優れており、知性と暴力性を併せ持つことから、フーゴと少し似ているといえるかも知れません。
【破壊力 - A / スピード - C / 射程距離 - A / 持続力 - E / 精密動作性 - E / 成長性 - 10m(能力射程)】
スタンドは極低温を操る、ホワイト・アルバム。空気中の水分を凝結させて、ボディスーツのように纏うことも可能です。あらゆる物理攻撃を無効化する強度があるうえ、遠距離攻撃を反射する技も持っており、正攻法での攻略は困難。その性質からスティッキィ・フィンガーズやパープル・ヘイズのような、防御無視系にとっては強敵でしょう。
モデル・元ネタは「The Beatles」のアルバム『The Beatles』の愛称。
直接登場しなかった暗殺チームの1人。相棒のジェラートとは、間柄を勘繰られるほど仲のよいコンビでした。
ソルベとジェラートは組織内での暗殺チームの立場に不満を抱き、謎に包まれたボスを探ろうとしましたが、その矢先に2人揃って行方不明になります。
後日、暗殺チームの下へ、輪切りにされ、ホルマリン漬けになった彼の遺体が届けられました。反逆者の末路を語る見せしめとして。
能力は不明ですが、おそらくはスタンド使いでしょう。
TVアニメでは佐々木義人が声優を務めました。
直接登場しなかったもう1人の暗殺チームメンバー。
ボスの正体を探ろうとした結果、彼は捕らえられ、目の前でソルベの死に様を見せ付けられました。その時のあまりの恐ろしさとショックで、猿ぐつわを飲み込んでしまい、窒息死。
スタンドはソルベ同様、不明です。
5部で死亡したキャラクターをまとめた<「ジョジョ」5部の全死亡キャラ、名言をネタバレ解説!スタンドも紹介!>のキャラもおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。
いかがでしたか?この記事がアニメ版第5部の予習、復習の一助になれば幸いです。