5分でわかるイノシシの生態!突進の習性や、遭遇した時の対策などを解説!

更新:2018.7.1

干支のひとつとして数えられているイノシシ。うっかり反対側に走ってしまったため最後にゴールしたというエピソードなどから、「猪突猛進」のイメージがあるのではないでしょうか。この記事では、彼らの生態や習性、遭遇した時の対策、猪肉の味などを解説していきます。

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イノシシの生態を解説!夜行性ではない?

 

指先がヒヅメになっている獣を有蹄類といい、そのなかでもイノシシは歯や指の数が多い、食事を反芻しない、オス・メスの形態に大きな差がないなど原始的な性質を持っているといわれている動物です。

日本に生息しているのは亜種で、北海道と豪雪地帯を除くほぼ全国で見ることができます。本州・四国・九州では ニホンイノシシが、南西諸島では小型のリュウキュウイノシシが主に生息しています。

人間を警戒する必要のないところでは昼行性です。見通しの悪いヤブの中で生活していて、視力よりも嗅覚や聴覚が発達しています。また移動には毎回決まった道を使うため、彼らが通ったあとは獣道ができます。人工的なものかと思うほど立派で、「イノシシ道」といわれるのだとか。

活動時間のほとんどが餌を探すことにあてられています。基本的には雑食ですが、好みがしっかりあるそう。特に日本に生息している種はタケノコが大好きで、春には食事の8割がタケノコの場合もあります。その後は双子葉植物の柔らかい葉っぱや茎などを好んで食べ、秋以降は葛や山芋の根などを掘ったり、ドングリなどを探して食べたりしています。

 

鋭い牙で突進!イノシシの習性は?

 

体長は約1.5m、体重は約100kgにもなるイノシシ。雌雄ともに下顎の犬歯が発達し、大きな牙として口外に突き出しています。この牙は生涯伸び続け、長いものでは15cmにもなります。

ただオス同士で戦う場合などは牙を活用するわけではなく、噛み付いたり、肩で押し合って力比べをしたりすることが多いようです。

また上向きについている鼻も特徴的。非常に敏感なうえ力も強く、鼻を使って土の中の芋類を掘り出します。オスであれば70kgほどの岩を簡単に動かせるそうです。

運動神経もよく、時速45kmの速さで走ることができるそう。100mを8秒台で走る計算になるので、人間の足では逃げ切ることはできません。「猪突猛進」という言葉があるように、まっすぐにしか進めないかと思いきや、左右に曲がる、急停止、急発進など自由自在です。また1mほどの高さであれば助走をつけずに飛び越えることができます。

泳ぎも得意で、2~3kmであれば簡単に泳ぐことができるそうです。

 

イノシシに遭遇してしまったら……対策を紹介

 

野生動物は基本的に警戒心が強く、こちらが刺激しない限り相手から近づいてくることはありません。それでも遭遇してしまった場合は、パニックにならず、ゆっくりと静かに後ずさりしながらその場を離れるようにしましょう。慌てて声を出したり、後ろを向いて逃げたりすると、イノシシを刺激して逆に襲われる可能性があります。

また、棒材や拳を振り上げて応戦の構えをとったり、石を投げて追い払おうとしたりするのも厳禁です。近くに家屋があればその中に入り、逃げ込む場所がなければ、高い場所に登るのがよいでしょう。

もしもずっと後ろをついてくるようであれば、食べ物の匂いに釣られている可能性があります。匂いの出るものを持っている場合は、その場に置いて離れてください。

 

意外とおいしい!イノシシ肉の味

 

日本人にとってイノシシは、古くから貴重なタンパク源でした。江戸時代に執筆された日本の食物全般について詳しく記している『本朝食鑑』には、「野猪の味は甘味にして牛や鹿より優れ、特に焼き肉はうまい」と書かれています。

牛肉や豚肉に比べて脂肪が少ないこと、ビタミンB2が豊富なことから、体にもよく、特に夏バテ防止に効果的です。また秋以降に捕れたものは脂肪を蓄えているため、柔らかくて臭みもありません。メスよりオスの方がおいしいといわれますが、個体差や処理法による違いが大きいそう。

日本でよく知られている料理は「ぼたん鍋」でしょうか。赤身と脂身の色の模様が牡丹のように見えること、牡丹を模して盛り付けることなどの由来があります。

 

ウリ坊の成長を見守る一冊

著者
前川 貴行
出版日
2007-08-01

 

幼少期のイノシシは体に縞模様が入っていて、その姿が「縞瓜」に似ていることから「ウリ坊」と呼ばれています。本書はそんなウリ坊と母親に密着した写真絵本です。

警戒心が強い動物であるにも関わらず、兄弟と遊んで喜んでいる表情や、お乳をねだる甘えた表情を捉えていることに驚くのではないでしょうか。作者の忍耐強さと愛情をうかがい知ることができるでしょう。

また写真だけでなく文章からも鋭い洞察力を感じ、彼らの生態がよくわかります。

 

イノシシの情報を網羅している一冊

著者
福井 栄一
出版日
2006-12-10

 

食糧源となっていただけでなく、干支のひとつになったり神獣と崇められたりと、人間と関わりの深いイノシシ。本書はそんな彼らの生態や習性をはじめ、猟法や調理法、珍談や奇談を収めた作品。この一冊でほとんどの情報が網羅されているといってもいいでしょう。

『今昔物語』には、タヌキやキツネのようにイノシシも人間をだますことがあると書かれているなど、雑学好きの方にはたまらないエピソードが多々載っています。

さまざまなトピックがあるのも、彼らが人間の暮らしに密接にかかわっていたからこそ。イノシシについて知りたい方はまず本書を読むことをおすすめします。

 

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