プロレスラーのマイクアピールばりに自信を持ってスピーチできるようになる本

更新:2016.11.21

アメリカの大統領がトランプ氏になりました。対立が接戦であればあるほど、まるでプロレスラーのマイクアピール合戦を見ているかのようで両者のスピーチには熱が入り、それを興味深く見守っていました。

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時として、我々プロレスラーも必要とされるマイクアピール。人前で喋るということは簡単ではありません。今月は自分の言葉に自信を持ってスピーチできるようになる本をご紹介します。私も新弟子になったつもりで勉強させて頂きます。

大統領の演説に隠された緻密な計算

著者
パトリック・ハーラン
出版日
2016-07-11

私自身、3週間ほど怪我で試合を休んでおり、家でニュースを見る時間が多かったもので、大統領選挙の行方が過去これほどまでに気になったことはありません。

「大統領の演説って、なんでこんなに面白いだろう?」と、改めて興味を抱いて手に取った本。歴代大統領の演説がいかに練り込まれて緻密な計算の上に成り立っていることか、この本によって明らかにされています。読み終えたらきっと、来年行われるトランプ氏の就任演説が楽しみになってくるはずです。結果論になってしまうけれど、ヒラリー氏が負けた原因もしっかり浮き彫りになっています。何度も読み返したい。

数々の名実況を生んだ著者の実用的アドバイス

著者
古舘 伊知郎
出版日
2016-04-15

『報道ステーション』のキャスターを退いてからというもの、バラエティ番組などで見る古舘さんの生き生きとした表情たるや! 画面越しでも伝わってくるものがあります。

古舘さんといえば、やっぱり『ワールドプロレスリング』の名実況。古舘流言語パフォーマンス。もちろんリアルタイムでは聞けていないけれど、いま聞いても「これぞ! プロレス実況!」という、ある種フォーマットのようなものを感じます。しかも、まだ誰もその領域まで行けてないような、そんな気さえします。

本書に書かれたヒントの数々は、日常生活においてかなり実用的で笑えます。「人前で話すときの秘訣は一人“に”話すこと」とは。良いこと聞けちゃった。

コミュニケーションの極意を学ぶ

著者
吉田尚記
出版日
2015-01-31

コミュ障を自覚するアナウンサーの著者が、その苦手意識ゆえにコミュニケーションについて、研究に研究を重ね克服した成果がまとめられた本。

根本的にコミュニケーションそのものが好きでなければ、ここまでの細かな分析はできないと思うので、吉田さんはとても人が好きなんだろうな、と。「コミュニケーションはゲームである」という表現が印象的。本の構成上、ニコニコ動画の生放送コメントを拾いながら、コミュニケーションについて語られていくので、ものすごくライブ感があって読みやすい。

「コミュニケーションは自己表現ではない」。私も酔っ払って、誰かについうっかり自慢話や過去の話をしてないか、思わず襟を正してしまいます(笑)。自分の話はせず、聞き役に徹するのは自分に自信がないとできないことだと個人的には思っているので、この本を読んで実践できたら、結果的に自分に自信が持てるようになるのではないでしょうか。

生活に何かしらの「制限」をかける

著者
クリスティーナ・クルック
出版日
2016-09-23

ネット中毒……その自覚症状のある方がこの本を読んだら途中からバカバカしく思えてきます、暇さえあればネットばかり開いてしまう行為そのものが時間の無駄だ、と。本に書かれた「スマホをやめたら〜」という様々な具体例は説得力十分。

「空腹は料理を美味しくする最高のスパイスだ」とはよくいったものですが、同じように生活に何かしらの“制限”をかけると、ちょっと面白い発見ができます。

たとえば、海外に出た時に感じる日本語の飢餓状態。私は経験上、海外遠征から日本に帰ってくるとこれが功を奏して日本語脳が冴えまくります。新しい動きや技、新しい考えや目標も見えてくるのです。

つい先日の欠場期間にも同じことがいえました。身体が動かせないので頭がおかしくなってしまうのではないかとストレスが溜まりました。しかし、復帰後は新しい自分に生まれ変わった気がして、視界がより広がり、おまけにベルトまで取り戻せました。

何でも自由に物が手に入って、豊かで、情報が溢れる世の中にあって“遮断”や“制限”することに大賛成。人の意見などに目もくれず、著者が掲げるデジタルデトックスをすれば、まだ見ぬ自分自身の発見に繋がり、主張することにも自信が付くかもしれません。

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