サンタクロースの相棒として親しまれているトナカイは、優雅で力強く、どことなく神秘的なイメージ。実際はどのような動物なのでしょうか。この記事では、彼らの生態や、サンタのソリを引くとされている理由、赤い鼻の秘密などをわかりやすく解説していきます。あわせてクリスマス前に読みたいおすすめの絵本もご紹介するので、最後までチェックしてみてください。
シカ科トナカイ属に分類される動物です。語源はアイヌ語の「トゥナカイ」だといわれています。
体長はオスが2mほどで、メスは1.8mほど。体重はそれぞれ170kgと100kgで、体はオスの方が大きいです。寿命はオスが平均8年、メスが12年とメスの方が長い傾向にあります。飼育下では20年以上生きた個体もいるようです。
北極圏から亜寒帯の大地に生息しており、寒さから身を守るために分厚い体毛をもっています。毛の内部には空洞があり、空気を含んで保湿性に優れているため、人間の防寒具を作る素材にもなっていました。
特徴は、木の枝のような形をした立派な角。雌雄で役割が異なっていて、オスは繁殖期のオス同士の争いのために、一方のメスは雪の中を掘って子どもたちのエサを探すために使っています。
植物をよく食べる雑食性で、時には虫やレミングというネズミの一種を食べることもあるそうです。
あたたかい毛皮を持ち、美しい角で子孫を育む姿は、ゆったりとした大動物の愛らしさを感じさせます。クリスマスの物語に登場することでも有名ですが、なぜ彼らがサンタクロースのソリを引くといわれているのでしょうか。
そもそもトナカイは、北方の民族の間ではソリを引く動物として重宝されていました。ただ、荷物を運ぶだけであれば「犬ぞり」などもありますし、他の動物でもよさそうです。
彼らが抜てきされた理由は、その体の大きさにあります。絵本などに登場する場合はサンタクロースよりも華奢に描かれることもありますが、実際は170kgほどにまで成長し、また時速80kmほどで走ることができます。
ふくよかなサンタクロースとたくさんのプレゼントを運ぶには、犬などの中型の動物よりも、トナカイくらい大きいほうが適していますよね。また蹄のある肢でジャンプする姿も、空を飛ぶことを連想させます。
さらに、かつて北方の少数民族「サーミ族」は魔法を使える民であると考えられていて、彼らの相棒であるトナカイも何かしらの力を持っているとされていたそうです。
性格も大人しく、犬のように吠えることもないので、夜中にプレゼントを届けにいっても眠っている子どもたちを起こしてしまうことはなさそうです。
クリスマスソングといえば「赤鼻のトナカイ」が有名です。歌詞のなかでトナカイさんは、いつも鼻が赤いため、仲間から笑いものにされていました。しかしサンタさんは、暗い夜道ではそのピカピカの鼻が役に立つよと励まします。
実際の鼻の色は黒や茶、もしくは白ですが、実は鼻先に毛細血管が集まっていて、興奮したり運動したりすると充血するのだそう。
この歌に出てくるトナカイさんは、頑張り屋でいつも懸命にソリを引いていた、ということかもしれないですね。
一般的なシカとトナカイの1番の違いは、「オスだけではなくメスにも角が生えている」という点です。シカのメスには角が生えていませんが、トナカイはメスにも立派な角が生えています。
樹木が茂る食料に満ちた土地であれば、大きな角が邪魔になることもあるでしょう。しかし雪原の大地に生きるトナカイは、生きるためにオスもメスも角をもっているのです。
夏のあいだに食べ過ぎて、太ってしまった50匹のトナカイさん。これでは、クリスマスの夜に空を飛ぶことができません。
プレゼントを届けられなくなってしまったら大変です。そこで、サンタさんとともに、ダイエットの旅に出ることにしました。
- 著者
- エアーダイブ
- 出版日
- 2011-10-31
1年に1回だけやってくるサンタさんとトナカイさん。子どもたちにとっては、彼らがそれ以外の日をどのように過ごしているのか気になるところでしょう。本書は、そんな子どもたちの想像力を刺激してくれる楽しい絵本です。
本来であれば、冬場はあたたかな毛皮に包まれてふっくら見えるものの、夏場は短毛に生え変わり、どちらかというとほっそり見えるはず。しかし本書に登場するトナカイさんたちはまるでブタのよう。はたして、クリスマス当日までにダイエットを成功させることはできるのでしょうか。
クリスマスまでの1年間、サンタさんとトナカイさんはどんな準備をしているのでしょうか。
前から読むとサンタさんの物語、後ろから読むとトナカイさんの物語が読める絵本で、ちょうど真ん中の部分でロマンチックなパノラマのページが広がります。
- 著者
- きしら まゆこ
- 出版日
- 2008-10-01
本書のトナカイさんも、オフシーズンにお菓子を食べたりのんびりしたりして、どうやらちょっと体がなまってしまっているようです。クリスマス当日に向けて、体を鍛えはじめます。
サンタさんとトナカイさん、どちらの視点で読むのか毎回選んでもよいですし、物語の途中で「そのころサンタさんは……」とページを行ったり来たりするのも楽しいでしょう。
華やかなクリスマスのために彼らが準備をしている様子もわかり、読み聞かせにもおすすめの一冊です。
サンタクロースの良き相棒、トナカイの生態とおすすめの絵本をご紹介しました。クリスマスは心あたたまるファンタジーな世界観を楽しみつつ、本物の彼らの情報もお子さんと楽しんでみてください。