彼はスピンオフタイトル『銀の聖者 北斗の拳 トキ外伝』で主役も務める、まさに聖人のような人物です。今回はその人となりをご紹介したいと思います。また本作はアプリから無料で読めるので、そちらもぜひご利用ください!
彼は本作で主人公・ケンシロウを導くという、重要な役割を果たしたキャラクターでした。殺伐としたハードボイルドアクションの世界観に反して、非常に理知的で柔和な人物として描かれています。
しかし決して戦わないわけではなく、いざ戦いとなればケンシロウ以上の実力を発揮。それもそのはずで、彼はケンシロウの使う北斗神拳の兄弟子なのです。
ある事情で病んでさえいなければ、作中最強は彼であったことを疑う余地がありません。
身長188cm、体重95kg。ケンシロウに比べて身長が高いのですが、彼より痩せているのは病気の影響でしょう。
- 著者
- ["原 哲夫", "武論尊"]
- 出版日
トキは不治の病に冒されています。劇中の時間軸よりも前、彼は健康体でケンシロウらとともに修行に励んでいました。
ところがある時、核戦争が勃発。民間人へも被害が及ぶ事態になってしまいます。
偶然にもケンシロウとその恋人・ユリアと一緒にいた彼は、ともに核シェルターへと避難。しかし運命の悪戯か、シェルターの入り口はすでに避難民でいっぱいでした。詰めれば乗れるだろ!というツッコミは、ここではしないことにしましょう。
そして定員オーバーを察した彼は、ケンシロウとユリアを優先させて、なんと自らは外に残ったのです。
結果、彼は被爆。最も北斗神拳伝承者に近いと評された男は、こうして不治の病となって、伝承者の資格を失ったのです。
北斗神拳の伝承を断念した彼は、放浪の旅へと出ました。元々北斗神拳で人を救う道を考えていた彼は、医療行ためへの転用を本格的に始めました。彼は旅の途中、医師として病気の人々を治していきます。
そしてトキは、ある村に行き着きました。そこは姥捨て山のように、負傷者や病人が置き去りにされている村でした。
彼は持てる技術を駆使して村全体を治療し、絶望の村だったそこは、いつしか奇跡の村と呼ばれるようになったのです。まさに聖人……。
彼の聖人ぶりが窺えるエピソード。後に偽物トキであるアミバが成り代わり、再度絶望の村へと変わってしまいますが……。
彼は劇中、病をおして暴君・ラオウとの戦いに挑みました。それは北斗神拳の兄弟子にして実兄である彼に、暴虐を積み重ねさせないためのものでした。
しかし、その決戦時にはすでにトキは衰え、切り札である刹活孔まで使った体はボロボロ。もはやその技はラオウに通じませんでした。昔日を知るラオウはその事実に涙し、弱ったトキにトドメを刺すことなく見逃しました。
その後、半ば隠居したトキは、奇跡の村と同様に医療行為に没頭して各地で人々を救っていきます。けれどそれも長くは続きませでした。彼は突如、泰山天狼拳のリュウガに襲われて死亡します。
彼は最期にケンシロウへ、
「哀しみを怒りにかえて生きよ」
(『北斗の拳』13巻より引用)
と言い残して果てました。彼はケンシロウの覚醒を促す犠牲となったのでした。
トキについては<『北斗の拳』トキに関する11の事実!最後まで最強で優しい男の名言や技など>の記事でも紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。
いかがでしたか? 何かが少し違えば、「世紀末救世主伝説」とはトキの物語になっていた……そんな風に思えて鳴りません。