5分でわかるハレー彗星!次回はいつ?大きさや周期、軌道なども解説!

更新:2018.7.2

夜空に美しい尾を広げる彗星のなかでも有名なのが、「ハレー彗星」ではないでしょうか。いつの時代も私たちをワクワクさせてくれます。この記事では、大きさや周期などの概要、現在位置、観測の歴史や次回の予想などをわかりやすく解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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ハレー彗星の概要。大きさ、周期、軌道など

 

華麗な天体ショーの目玉である「彗星」。日本では1996年に注目を集めた「百武彗星」が有名です。古くは、紀元前240年に秦の始皇帝が見たとする記録が残っています。しかし一体いつ現れるのか、どこからやってくるのかなど、わからないことが多く、災害や飢饉の前触れではないかと恐れられていました。

このような彗星の研究をしていたのが、イギリスの天文学者エドモンド・ハレーです。1656年に生まれた彼は、大学在学中には太陽系と太陽黒点に関する論文を執筆。その後研究を続けるなかで、これまで何度も同じ彗星が目撃されていることに気づき、その出現に「周期性がある」ことを発見しました。

それが「ハレー彗星」です。1705年に彼が発表した研究が1758年に証明され、その功績を称えてこの名が付けられました。

ハレー彗星の中心にある「核」の大きさは、約8km×8km×16kmで、細長いジャガイモのような形をしています。主に氷でできていて、そのほか一酸化炭素やメタン、アンモニアなども含まれていますが、表面は炭素で覆われているので黒ずんだ雪だるまのように見えるそうです。

太陽の周りを地球とは反対回りで公転していて、その軌道は楕円形。太陽からもっとも離れる「遠日点」は海王星の軌道よりも外側になります。また軌道面は大きく傾いていて、「軌道傾斜角」という太陽の赤道面に対する傾きは162度もあるのが特徴です。

この軌道を1周するのにかかる時間は、およそ76年。つまり地球からは、76年ごとにハレー彗星による天体ショーを観測することができるのです。太陽に近づくにつれ、熱で核の氷が解けて噴き出し、広がったものが尾のように見えます。

 

ハレー彗星の現在位置と、次回予定の2061年の見え方予想

 

2019年現在、ハレー彗星は海王星の軌道よりも外側にあって、いまも太陽から遠ざかりつつあります。地球から見ると、冬の大三角で有名な「こいぬ座」の一等星「プロキオン」の東側あたりにあるのですが、とても暗いので大型望遠鏡を使っても探すのは難しいでしょう。

遠日点には2023年12月に到達し、その後は折り返して徐々に太陽に近づいていきます。最接近するのは2061年の7月28日頃。日本では、前後数日間の夕方に北西の低い空で見ることができるでしょう。

明るさは0等級前後で、肉眼で十分観測可能。尾が天頂の方向に伸びているはずです。

 

ハレー彗星観測の歴史。1986年、日本では?

 

先述したイギリスの天文学者、ハレーが初めてこの彗星を観測したのが、1682年のことです。その後過去の記録を辿り、1531年や1607年に出現した彗星の軌道とよく似ていることに気付きました。周期性があることを見抜いて、次に現れるのは1758年だと予測。そして実際に観測されたのが1758年の12月25日です。

この当時ハレーはすでに他界していましたが、見事に予測は的中していました。

彼の研究によって、ハレー彗星の軌道が正確に計算できるようになります。始皇帝が記録していた「紀元前240年に出現した彗星」もハレー彗星であることがわかりました。

直近で観測されたのは、1986年のことです。76年ぶりのことなので全世界で大きな話題となりましたが、やや見えにくい位置にあり日本からはほとんど観測することができませんでした。

しかし各国が無人探査機を打ち上げ、宇宙からの観測が実施されます。日本も「さきがけ」と「すいせい」を送り、成果をあげました。

 

ハレー彗星にまつわるデマ、逸話

 

いまでこそ、観測技術の向上にともないハレー彗星にまつわる謎は次々と解き明かされていますが、以前はさまざまな憶測が飛び交っていました。

1:ゴムチューブが売れた

1910年の回帰では、ハレー彗星の尾の中を地球が通過することがわかり、尾に含まれる有害なシアン化合物によって地上の生物が窒息死するというデマが流れました。これに反応した一部の人たちが自転車のゴムチューブを買い占め、チューブに溜まった空気を吸って酸欠を防ごうとしたといわれています。

2:太陽に衝突する?

2061年の回帰で、ハレー彗星が太陽に衝突するのではないかという噂が流れています。これはかの有名なアイザック・ニュートンが予言したといわれているものですが、誤った情報の可能性が高く、最新の軌道計算によって衝突することはないと結論付けられました。

ただ過去には、他の彗星が太陽に突っ込んでいく様子をNASAの観測衛星が捉えたことがあります。

3:新たな彗星の発見!

1985年の回帰では、ハレー彗星を撮影しようとしたカメラマンが望遠鏡の設定を誤り、別の天体を写してしまいました。しかしこの写真に偶然にも未発見の彗星が写り込んでいたのです。

この彗星は撮影したカメラマンの名前から「シフレオ彗星」と呼ばれるようになりました。

 

彗星のおもしろさを堪能できる一冊

著者
["鈴木文二", "秋澤宏樹", "菅原賢"]
出版日
2013-09-14

 

作者のひとり、鈴木文二は、中学・高校の理科の教科書の作成に携わっているほか、NHK高校講座の講師を務めるなど、教育のプロ。そのほか秋澤と菅原も科学館などで活躍している人物で、本書はそんな彼らが彗星についてわかりやすく解説してくれている作品です。

その内容は初心者のための基本的な知識にはじまり、観測の仕方、撮影の仕方、解析のノウハウまで。これ一冊あれば彗星に関するさまざまなトピックを網羅することができます。

ハレー彗星が次に姿を見せるのは2061年。まだまだ時間があるので、本書を片手に学んでみてはいかがでしょうか。

 

ハレー彗星の観測の歴史

著者
縣 秀彦
出版日
2013-07-22

 

これまでに世界中で撮影された数々の写真に加え、古い時代に描かれた絵や木版画など、先人によって残されてきた彗星観測の歴史が記されている作品です。

作者の縣秀彦は、彗星研究の第一人者。教育や普及活動に従事してきました。文章は簡潔にまとめられていて、初心者でも読みやすいでしょう。

さまざまな写真とともに、各時代で我々を楽しませてくれたハレー彗星の雄姿をご覧ください。

 

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