「先生…バスケがしたいです…。」は名言ですよね。野球やサッカーに比べマイナーでルールが認知されていなかった時代に風穴を開けた『スラムダンク』をはじめとする、アツいバスケ漫画を紹介していきます。
赤髪リーゼントの不良少年桜木花道は赤木晴子に一目惚し、彼女に誘われて入ったバスケ部で素人ながらも才能を発揮し、全国制覇を目指していくストーリーです。最初はギャグ漫画として始まりましたが、徐々にシリアスなスポーツ漫画としての地位を確立し、ついにはバスケ漫画といえばスラムダンクと言われるほどになりました。原作はもちろんアニメ、「君が好きだと叫びたい」「世界が終るまでは…」などの曲にも夢中になりました。
- 著者
- 井上 雄彦
- 出版日
桜木の成長、仲間たちとの掛け合い、顧問の安西先生との交流などのキャラクターたちが魅力です。素人の桜木が基礎を経て高い身体能力を生かし、全国トップクラスのプレイヤーと対決する様子はアツいものがあります。
そしてクールだけど、バスケの事になるとアツい男、流川楓に、ゴリとあだ名される頼れるキャプテン赤木剛憲。チビだけどすばしっこい司令塔の宮城リョータと、一度挫折し不良になるも戻ってきた中学MVPの三井寿。桜木を含め、この5人が素晴らしい試合を繰り広げていくのです。
今もなお高い人気を誇るこの作品、作者の井上雄彦いわく描きたくなったら描くとのことですので、完結してはいますが続編も期待できる名作です。
『スラムダンク』の作品に関しては<漫画「スラムダンク」を徹底考察!名言・物語の続き?作者の才能、豆知識…>で詳しく説明しています。
九頭龍高校、通称クズ高に入学した主人公の車谷空は、身長が149cmしかないいじめられっ子です。バスケ部に入部しますが、そこは不良の巣窟になっていました。しかし、空のバスケへの情熱に動かされ、中心人物である花園百春・千秋兄弟たち不良グループは徐々にバスケへ取り組むようになります。
- 著者
- 日向 武史
- 出版日
- 2004-05-15
この作品の特徴は、何と言ってもクズ高が負け続けることです。よくあるスポーツ漫画ですとある程度順調に勝ち進み、全国大会出場などになります。しかしこの漫画では県予選で敗退などがよくあり、それがリアルで共感できる部分となっています。
現実では一生懸命練習したのに届かなかったという悔しい思いをする方が多いのです。『あひるの空』はそれでもあがいて挑戦し続ける姿には胸を打たれ、自然と感情移入して応援したくなる作品です。
『あひるの空』の作品に関しては<漫画『あひるの空』に登場する強いキャラの魅力を徹底紹介!【ネタバレ注意】>で詳しく説明しています。
暴力事件を起こし休部状態となった瑞穂高校男子バスケ部。そこに強豪の天童寺高校から転校してきた哀川和彦が加わり、部員たちの夢であった全国制覇を目指していくストーリーです。
- 著者
- 八神 ひろき
- 出版日
- 1989-12-13
哀川という男は最初はチャラ男そのものでした。転校初日から女子生徒のスカートをめくるなどやりたい放題ですが、バスケには真摯に向き合います。175cmという身長でありながらダンクを決めたり、3ポイントも決めるなど、その姿に他の部員も触発されていくのです。
この作品はストーリーとそのリアルな内容が魅力です。
バスケ以外のシーンも多く、恋愛がバスケに影響を及ぼしています。それが重くなく読みやすいものなので本題のバスケから大きく逸れることなく楽しんで読めます。
また、この作品は非常に戦術や試合の流れがリアルに描かれています。八神ひろきのスタイリッシュな絵のおかげで戦術的な内容でも爽やかで読みやすい作品になっているので、詳しい方はもちろん、女性も楽しめる内容となっています。
上南高校に入学した主人公の成瀬徹は、小学校のリトルリーグでも補欠、中学校のサッカー部でも補欠でいつも応援席で大会を眺めていました。高校で一念発起して入ったバスケ部でも初日から大失態をしてしまいます。
- 著者
- 西山 優里子
- 出版日
そんなある日にばったりと幼馴染の楠田みずきと再会し、ストリートバスケのコートに連れて行かれます。そこは自由にバスケができる、バスケ好きが集まる場所でした。このコートでの実力者、スリーメンのシュウとの1on1で人生初ゴールを、滞空時間が長く空中を歩いているように見える技、エアウォークで決めてから、成瀬はバスケにのめりこんでいくのです。
主人公の性格がこれほどリアルで感情移入しやすい漫画もないでしょう。成瀬という少年は、野球、サッカー、バスケとすべて形から入るのです。そういう経験は誰にでも身に覚えがあるでしょう。しかし、気が弱くても絶対にゴールを決めるという執念が強い彼はやはり主人公としてのかっこよさがあります。上手くなりたいから一生懸命に練習するという、素直で真っ直ぐな気持ちはだめなところもある彼を応援したくなるものです。
超強豪の校帝光中学、さらにその黄金期「キセキの時代」に幻のシックスマン(5対5で行われるバスケ競技において、ベンチスタートの中でも出場頻度が高い人物)と呼ばれた主人公黒子テツヤ。彼は誠凜高校に入学し、アメリカ帰りの帰国子女、火神大我と出会います。
- 著者
- 藤巻 忠俊
- 出版日
- 2009-04-03
バスケ部に仮入部した2人は1年対2年の紅白戦を経て、お互いを認め合う事になりました。身体能力の高さを全面的に押し出す火神に対し、黒子は元々の存在感の無さを生かし、相手に消えたように見せたパスワークを得意としています。黒子は火神を光、自身をプレースタイルを影として、誠凛高校バスケットボール部を日本一にさせる事を誓います。
この漫画のはバスケの形を取ったヒーロー漫画といえます。技の一つ一つに技名が付いています。現実ではありえないが、現実を誇張した表現はかっこよくも受け入れやすいものとなっています。
一度見た技はコピーできる海常高校の黄瀬涼太、コート上ならどこからでも3ポイントシュートが打てる秀徳高校の緑間真太郎、どんな体勢からシュートしても入る桐皇学園高校の青峰大輝、広範囲の守備エリアと一撃必殺のダンクを打てる陽泉高校の紫原敦、そして1on1において無敵の能力を有する洛山高校の赤司征十郎といった魅力的なキセキの世代が黒子たちの前に立ちはだかり、お互いに切磋拓差して成長していくのです。
レベルアップして敵との戦いに勝つ所などはヒーロー漫画のそれですが、そこにスポーツ漫画の試合終了後の敵味方なしの爽やかさが加わった新感覚の作品です。
父親を亡くし、母ひとり、子ひとりで暮らしている龍也。バスケットボールが大好きな少年で、小学生の頃にはミニバスで全国にいった腕前を持っています。しかし家庭の事情から高校進学はあきらめ、中学卒業後は近くの公園で1点500円で賭けバスケをして日銭を稼いでいました。
ある日龍也は小学生の頃の宿敵・涼司と再会し、過去の雪辱を晴らすために試合を申し込みます。しかし涼司含む強豪校の選手たちに圧倒的な強さを見せつけられ、惨敗してしまうのでした。
しかしその姿を見ていたTJという男に誘われ、龍也はストリートバスケという世界を知ります。そして徐々にその独特の世界にのめり込んでいくのです……。
- 著者
- 藤井 五成
- 出版日
- 2010-10-29
本作はストリートバスケの魅力が余すところなく描かれた作品です。競技スポーツとは異なり、パフォーマンスを重視したり、ラフにノリで楽しめりするところが魅力的なストリートスポーツ。
龍也はTJに教えられて、ストリートバスケの面白さに気づき、そのスポーツにおいて重要なものが「ジャム」だと気づきます。ジャムとは、バスケではダンクシュートのことを指しますが、龍也の伝えたいニュアンスは音楽でのジャムでした。
音楽でのジャムは「アドリブ」、「即興演奏」という意味。龍也はその場の即興性を楽しみ、チームメイトみんなが自分の個性を出し切るプレイを「ジャム」と呼んでいたのでした。
即興性を楽しむ、パフォーマンスとしても成立するストリートバスケとはどのような世界なのでしょうか?初心者の龍也と一緒にその奥深い世界を覗いてみましょう!
中学3年生の立花は気分屋のパワーフォワード。天性の才能を持ちながらもそのムラっ気から中学時代の部活では何の成績も残さずに幕を閉じようとしていました。そしてバスケへの情熱も無いので、才能を持ちながらも高校ではバスケをしないつもりでいます。
そんな立花ですが、中学生最後の試合で柊という選手と出会います。ふたりがお互いを意識したのはほんの一瞬でした。柊はバックロールターンで立花のディフェンスをするりとかわして見せたのです。
その瞬間が心から離れなかった立花は高校に入学してもバスケを続けることして……。
- 著者
- 浅田 弘幸
- 出版日
- 2011-06-17
本作はどこか似ている立花と柊のふたりが、互いの存在や周囲から影響を受けて成長していく姿に胸が熱くなるバスケ漫画です。
ふたりの最初の共通点は高校ではバスケをしないと決めていたこと。気分屋の立花は熱くなれないからという理由で、柊は父と兄がバスケ界で名が知れていることから周囲が自分自身を見てくれないフラストレーションがあるという理由でした。
また、表向きに分かりやすく情熱が現れないのも共通しています。立花はいたって真剣にバスケをしているのですが、周囲に真面目だと思ってもらえないキャラクターで、柊はもともとクールな性格なので感情が表に現れません。
そんな似ているようで少し異なるふたりは、互いの存在によって自分にとってのバスケの大切さを知り、それぞれかけがえのない存在になっていきます。似ているようで少し異なるふたりの青春の様子がアツいバスケ漫画です。
主人公はバスケ少女美雪。成渡第一高校バスケ部エース・一堂に憧れマネジャーになります。しかし、美雪は一堂のプレーに夢中すぎて彼の顔を覚えていなかったのです!!
一堂はバスケット選手としては超一流なのですが、口は悪く、態度がでかい。そのくせ、恥ずかしがり屋で大事な事は言わない困った人です。でも、美雪はそんな一堂にまっすぐ愛情を奉げます。一堂の口下手のせいで、すれ違いもおこる二人ですが、絆は深まっていきます。
- 著者
- 仲村 佳樹
- 出版日
女の子には恋愛バイブルと呼ぶものがいくつかあるものではないでしょうか。そんな一冊におすすめしたい本です。美雪の天真爛漫な素直な愛情表現は、なかなかできないからこそ、お手本とすべきです。どんなに理不尽な対応をされても、絶対に愛想を尽かしたりしない美雪のひたむきな愛情こそが真実の愛なのかもしれません。
美雪が愛してやまない一堂のプレーには、美雪が名付けたユニークなものが出てきます。必殺、ひとり時間差が繰り出されると興奮してしまうこと間違いなしです。何だかバスケが、恋が、したくなる一冊です。
暁と清春は少子化の影響で生徒数が激減した中学校の生徒で、ふたりしかいないながらもバスケをずっと続けてきました。
しかしこの春から近隣の中学校と統合することになり、バスケの強豪校に編入することになります。そこでさっそくバスケ部の入部テストを受けにいくのですが、体育館では約60人の新入生が集まっており……。
- 著者
- あおやぎ 孝夫
- 出版日
- 2002-12-18
本作の魅力はどんなことがあっても笑顔でいる暁のキャラクターです。入部テストではレギュラーのAグループ、準レギュラーのBグループ、そして最下層の「失敗」と呼ばれるFグループに分けられます。
そして何と清春はBグループ、暁はFグループに離れ離れになってしまうのです。グループ分けをするほど熾烈な争いが繰り広げられる部内では、使えない新人をやめさせようという先輩からの圧力もあります。
しかしそんな中でもいつでも笑顔を忘れないのが暁。実は彼の特長は初めてバスケを見た時から変わらないものでした。
清春の会社のバスケチームの助っ人外国人の練習風景を覗き見ていた幼い頃の暁と清春。選手たちが彼らを見つけ、中に入れてくれます。
そこでバスケを見よう見まねでやってみた暁が褒められたのは、現在でも通用する巧みなドリブル、そして笑顔でした。それから暁はずっと原体験を忘れずにここまで成長してきたのです。
そんな暁のまっすぐな性格に打たれる本作。果たして暁は次々と訪れる過酷な状況をどう乗り越えていくのでしょうか?
どの作品も、世の学生たちを魅了し、バスケを始めたキッカケになっていますし、今もなお世代を超えて愛されていますね。野球やサッカーほど王道ではないけれど、かっこよくてあこがれずにはいられないバスケットボールの漫画は読み応えのあるものばかりです。