5分でわかるハリモグラの生態!哺乳類なのに卵を産む⁉特徴や育児法を解説

更新:2018.7.16 作成:2018.7.16

全身がトゲで覆われているハリモグラ。かわいらしい姿をしていますが、実は一風変わった特徴をもっているんです。この記事では、彼らの生態や出産、赤ちゃんが孵化してから成熟するまでの流れ、よく似ているといわれるハリネズミとの違いなどを解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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ハリモグラの生態と特徴。英語では「エキドナ」という不思議な動物

 

原獣亜綱カモノハシ目ハリモグラ科に分類され、オーストラリアやニューギニア島に生息している動物です。カモノハシの仲間で単孔類と呼ばれる種に属し、哺乳類でありながら卵を産むという珍しい生態をしています。

このことから、ギリシャ神話に登場する半分人間で半分蛇の化け物になぞらえ、「エキドナ」と呼ばれることもあるのです。

体長は30~45cm、体重は2~7kgほどで、7.5cmほどの吻(ふん)が特徴。吻の先端にある口から長い舌を1分間に100回も出したり引っ込めたりして、アリなどを捕食します。アリを捕えることに特化しているため、口自体は0.5mmほどしか開きません。

体は腹部、顔、足を除き、クリーム色のトゲに覆われています。危険が迫った場合には強力な爪を持つ短い足で踏ん張り、このトゲを用いて身を守るのです。

基本的には昼行性で、単独行動を好みます。ただ汗腺を持たないため体温調節をすることができず、暑い時には夜行性に変化することも。反対に気温が低下すると動きが鈍くなり、寒くなると冬眠します。

寿命はかなり長く、約45年。大きさの割に長寿だといえるでしょう。

ハリモグラは哺乳類なのに卵を産む⁉

 

彼らが珍獣といわれる最大の理由が、哺乳類でありながら卵を産むその生態です。

ハリモグラが属している単孔類は、約2億5000万年前というかなり昔に誕生し、現生哺乳類のなかでもっとも原始的な種だと考えられています。たとえばオウムガイやシーラカンスなどと同様に、生きた化石と呼ばれているのです。

ハリモグラのメスは交尾時期になるとお腹の部分にある育児嚢が発達します。妊娠期間は15~20日ほど。お腹を上にした状態で、1度に1つ、育児嚢直径約2cmの卵を産卵します。

孵化に要する時間は10日ほど。生まれたばかりの赤ちゃんは1.5cmほどしかありません。

ハリモグラの赤ちゃんはめちゃめちゃ小さい!孵化~成熟まで

 

育児嚢に産み落とされた卵は約10日で孵化し、パグルと呼ばれる赤ちゃんが誕生します。体長1.5cm、体重0.3gほどとかなり小さいです。

生まれてきた赤ちゃんは、母乳を飲むために小さな体を懸命に動かし、乳腺のあるお母さんのお腹にぴったりとくっきます。ハリモグラには乳首が無いので、乳腺から染み出してくる母乳を飲むのです。

生まれたばかりの頃は体毛がなく、ピンク色の体色に薄く皴が寄った可愛らしい姿をしています。育児嚢の中で育つのは約45日間。その間に徐々に体毛が生え、トゲが成長し、ハリモグラらしい姿になってから這い出してきます。

ハリモグラとハリネズミの違い

 

ハリモグラによく似た動物に、ハリネズミがいます。見た目がよく似ていることから混同されることも多いですが、ハリネズミはハリネズミ目ハリネズミ科と、分類学上まったく異なる動物なんです。

生態の面でも両者は大きく異なっています。たとえばハリモグラは昼行性ですが、ハリネズミは夜行性。

食性も、ハリモグラはアリなどを主に食べるのに対し、ハリネズミは雑食で昆虫やミミズ、果実、種子、さらには小型の哺乳類まで何でも食べてしまうのです。

そして最大の違いは、やはり出産方法でしょう。ハリネズミは他の哺乳類と同じように胎生です。

では両者の見分け方ですが、まずは重さ。ハリネズミは体長15~20cm、体重400~700gほどなのに対し、ハリモグラは体長30~45cm、体重2~7kgと大きめ。体重は約10倍あり、手に持つとずっしりと感じられるはずです。

またどちらも尖った吻をもっていますが、ハリモグラの方が長く嘴のようになっています。さらにハリネズミは大きく口を開くことができますが、ハリモグラはできません。

両者とも体はトゲに覆われていますが、ハリネズミの細く短い針に比べてハリモグラのものは長くて太いため、トゲでも見分けることが可能です。

心温まるストーリーが魅力の絵本

著者
たちもと みちこ
出版日
2011-03-01

 

満月の夜に森でおこなわれる大パーティー。仕立て屋をしている主人公のハリモグラおじさんのもとには、パーティーに着ていくための服を作ってほしいとさまざまな動物たちがやってきます。

作者は、子ども向けマルチメディアの企画や制作をおこなうレーベルを立ち上げた、たちもとみちこです。

ダンス好きのゾウの女の子ややんちゃなリスの兄弟のために、試行錯誤しながら服を作っていくハリモグラおじさん。ほんわかとするタッチのイラストと優しい物語に、心が温かくなるでしょう。

最後のページは観音開きの大画面。月夜の下でパーティーが開かれるシーンは必見です。

ハリモグラなど絶滅してしまった哺乳類の図鑑

著者
冨田 幸光
出版日
2011-02-01

 

約6500万年前、恐竜が絶滅した後の時代に地球上でもっとも繁栄したのが哺乳類です。

多種多様に進化し、今の姿からは想像できない容姿をしていた彼らの姿を、わかりやすい解説と精密な復元イラスト、系統図、骨格標本などで解き明かしてくれる一冊です。

ウマのような顔をし、ゴリラのように歩いていたカリコテリウムという動物や、目の上に巨大な1本のツノを持つエラスモテリウムなど、収録されている動物は283種にもおよびます。ハリモグラの祖先が今よりもかなり大きい体をしていたことにも驚くでしょう。

美麗なイラストと豊富な情報のおかげで、まるで目の前に生きているかのように古代の動物たちを身近に感じることができます。すでに絶滅してしまった彼らに想いを馳せることで、今生きている生命を大切にしようと感じられるでしょう。