5分でわかるクジャクの生態!羽の目玉模様のワケは?飼育方法などを解説!

更新:2018.8.6

きらびやかな羽の迫力に圧倒される「クジャク」。いくつもの目玉を擁した美しい羽には、実は進化の歴史が秘められていました。この記事では、彼らの生態や種類、飾り羽の役割などをわかりやすく解説していきます。あわせておすすめの関連本もご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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クジャクの生態は?種類や性格など

 

キジ目キジ科の鳥類で、一般的にはクジャク属の「インドクジャク」と「マクジャク」、コンゴクジャク属の「コンゴクジャク」を指します。

最大の特徴である大きな「飾り羽」は、インドクジャクとマクジャクのオスだけが持ち、コンゴクジャクにはありません。

いずれの種も雑食で、昆虫や植物の葉、果実、種子などを食べます。攻撃的な性格で、特にオスはケンカが絶えないとか。くちばしや脚の後方に生えている蹴爪を武器にして闘います。

昼行性で、夜は木の上で睡眠。あまり上手ではないですが飛ぶこともできるので、安易に近寄らないようにしましょう。 

では代表的な3種それぞれの特徴を紹介していきます。


インドクジャク

オスは体長が90~130cm。飾り羽を広げると2mを超えるものもいます。頭や首は鮮やかな濃青色、背中は青みがかった緑色、腹部は黒緑色の羽毛で覆われているのが特徴です。頭部にトサカ状の冠羽があり、先端が青緑色をしています。

一方のメスは、体長が80cm程度です。全身が褐色系の羽毛に覆われていて、冠羽の先端は褐色をしています。

国鳥にもなっているインドを中心に、スリランカやネパール、パキスタン、バングラディシュなどでは野生が生息。標高1500m以下の低山帯にある草原などで1羽のオスと数羽のメスという小さな群れをつくって暮らしています。また日本をはじめオーストラリアやニュージーランド、ハワイ、ニューカレドニアなどに移入され、自然界で繁殖しています。

マクジャク

キジ科最大の種類で、羽を広げると3mに達するオスもいます。頭部は青色、腹部は黒色の羽毛で覆われていて、首や背中、胸のあたりは青く、緑や緑褐色の羽毛が混ざっています。

メスの大きさは1m前後。飾り羽の有無以外は、オスと同様の色合いです。

主な生息地は、中国から東南アジアと、南アジア。標高1500m以下の水辺にある森林を好んで暮らしています。日本では動物園などの施設で見ることができるでしょう。

中国では野生の個体が減少していて、絶滅の危機に瀕しているそうです。生息域の上流で進められているダム建設や山林開発、道路建設による自然破壊が原因だと考えらえています。

コンゴクジャク
 

他の種よりも小さく、体長はオスが65~70cm。背中や胸部は光沢のある紫色、腹部は黒い羽毛で覆われていて、首回りは赤い皮膚が露出しています。冠羽は白く、後頭にも黒い冠羽があるのが特徴です。

メスの体長は60cm前後で、頭部や下半身は赤褐色、背中や胸部は光沢のある黄緑色の羽毛で覆われています。

生息地はコンゴ民主共和国のみで、標高1200m以下の熱帯雨林に暮らしています。狩猟による乱獲や、農業などの拡大によって個体数が激減。絶滅危惧種に指定されています。

クジャクのオスの飾り羽は1シーズン限定!目玉模様のワケは?

 

クジャクの飾り羽は、1年中いつでも見られるわけではなく、繁殖期の間だけ見ることができます。

インドクジャクの繁殖期は3~6月下旬。この時期になるとオスは単独で行動するようになり、飾り羽を立て、扇の形に目一杯広げて、ミャーミャーと大きな声を出しながらメスの前でアピールをするのです。この求愛行動を「ディプレイ」といいます。

繁殖期を過ぎると、メスは茂みの中に掘った巣に卵を産み、約1ヶ月間抱卵します。その頃オスは、飾り羽が徐々に抜け落ち、やや寂しい姿になっているのです。1年後の繁殖期が近くなると、生えてくる仕組みです。

そんな飾り羽ですが、なぜ目玉のような模様をしているのでしょうか。これには諸説あるようですが、もっとも確からしいのは「性淘汰による種の進化のため」だといわれています。

フロリダ大学の研究チームが、クジャクをはじめ羽に目玉模様をもつ鳥類のゲノムを解析したところ、この模様が何度も進化と退化をくり返していたことがわかりました。これは「メスの好みが時代によって変化している」ことを表しているそうです。また別の研究で、メスが目玉模様を好むことも証明されました。

オスにとって大きな飾り羽を生やすこと、広げることは膨大なエネルギーが必要です。また外敵に狙われるリスクも高まるでしょう。それでもメスの好みにあわせて子孫を残すために、飾り羽の模様を維持しているのです。

クジャクは毒への耐性がある

 

実はクジャクは、コブラに噛まれてもサソリに刺されても大丈夫という珍しい生態をもっています。

コブラやサソリの毒は神経細胞にも作用するもので、血液の中に入るとあらゆる器官が麻痺をし、動けなくなるばかりか、呼吸ができなくなって死に至るケースもある猛毒です。

しかしクジャクは、これらの毒に対する耐性をもっているので、少量であれば体の中で無害化してしまうのです。多少噛まれたり刺されたりしただけでは影響を受けませんし、食べる分には直接血液の中に注入されるわけではないのでまったく問題ありません。

そもそもクジャクは悪食で、なんでも食べてしまう性格。他の生物が避ける毒蛇や毒虫もよく食べます。

人間にとって都合の悪い存在を食べてしまうこと、さらにあの神々しい見た目も相まって、生息域では大切にされることが多いようです。仏教では邪気を払う象徴として崇められ「孔雀明王」として信仰の対象にもなっています。

クジャクはペットとして飼育できる?

 

インドクジャクは捕獲の規制がおこななわれているものの、手続きがしっかりと踏まれていれば商業輸入が許可されています。また国内で繁殖されていることもあり、ペットショップなどで手に入れることができます。小学校などで飼育をしているところも多いでしょう。

ただ絶滅が心配されているマクジャクやコンゴクジャクは、ワシントン条約によりさまざまな条件で厳しく取引が規制されているため、個人で飼育することは難しいです。また乱獲を防ぐため、羽を加工した製品についても輸出入が差し止められています。

飼い方はニワトリとほとんど同じ。ただ体が大きいので、広い場所が必要です。複数で飼う場合は、オスとメスのバランスにも注意が必要。オスが複数いると頻繁にケンカが発生してしまうので、避けた方がよいでしょう。

さらに、個人で飼育をする場合は「野生化」が問題になることもあります。あまり人になつかず凶暴な性格をしているがゆえに、面倒を見切れずに放り出してしまったり、逃げ出してしまったりした「野良クジャク」が他の生態系に影響をおよぼしているのも事実。覚悟をもって飼育する必要があります。

「性淘汰」の最前線を知る一冊

著者
長谷川 眞理子
出版日
2005-09-01

 

生物の進化論を探求してきたイギリスの自然科学者ダーウィン。彼が提唱した学説のなかに、生存するためには不要に見えても、オスとメスが繁殖相手を選ぶ要素が進化を促す「性淘汰」というものがあります。本書の作者は、この分野の第一人者である長谷川眞理子です。性淘汰についてわかりやすく解説してくれています。

長谷川は、伊豆シャボテン公園のクジャクを10年ほどにわたって研究するなかで、メスの好みが変化していく様子を目の当たりにしたとか。また野生のクジャクを観察するためにスリランカへ渡航した経験も収録されています。

彼女が見つめてきた本当のクジャクの姿を、じっくりと楽しんでください。

クジャクの旅を描いた絵本

著者
なすだ みのる
出版日

 

中国の昔話をモチーフにした絵本。幼少期を満州で過ごした児童文学作家のなすだみのるが手掛けた心温まるストーリーです。

仙女にあこがれた自分に自信のないクジャクが、弟子を目指して旅をする内容で、道中の困難にもくじけず持ち前の優しさでで人々の手助けをする姿に、心動かされるでしょう。

最後のシーンは、感動的な夜空に咲く花火。ぜひ実際にお手にとってお確かめください。

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