5分でわかるBRICS!南アフリカが加盟した理由や、次にくる国などを解説

更新:2018.7.20

ひと昔前まで、世界は物理的な力、すなわち「軍事力」の時代でした。それから経済競争になり、いままた新たなステージを切り拓こうとしています。先進国がトップの座を譲るタイミングも、遠くはないのかもしれません。今回はそんななかで注目されている「BRICS」について、概要や南アフリカが加盟した理由、GDPと世界に与える影響、そしてその次に期待されている国々を解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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BRICSとは。概要を簡単に解説

 

いま地球上の国々は、先進国、新興国、開発途上国とおおまかにカテゴリ分けされています。世界を牽引していくのはやはり経済的に豊かな国であり、先進国が主にその権限を握っているのが事実です。

先進国のトップが集まるサミットがたびたび開かれ、これを「G7」といいます。フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、近年ではここにロシアも入って「G8」とする場合もあります。

ただいつまでも先進国が世界のトップを走れるかといえば、そうではありません。専門家の間ではすでに先進国の経済事情は成熟期にあると主張する者もいて、事実、近年の伸び率は軒並み低いのです。

その一方ですさまじい勢いで成長し、力をつけてきているのが新興国です。特に注目されているのがブラジル、ロシア、インド、中国となります。

成長が著しいということは、格好の投資のターゲットとなります。そこでアメリカの大手証券会社ゴールドマン・サックスが、投資家を対象としたリボートの内容にこの4つの国の文字をとって「BRICs」と記しました。

ちなみに、最後の「s」を複数を表す意味ではなく、南アフリカ「South Afrca」を入れた頭文字を表す「BRICS」にしようという見方も出てきています。

BRICsからBRICSへ。南アフリカが加盟した理由は

 

複数の国をひとまとまりで呼ぶには、それなりのパワーバランスがとれていなければなりません。「BRICs」から「BRICS」に変えようという動きもありますが、南アフリカは本当にそれだけの力をつけてきているのでしょうか。近年の成長から参画理由を考えてみましょう。

アフリカ大陸は投資家たちの間でも、世界経済政策における「最後のフロンティア」と呼ばれています。そのなかでも南アフリカは比較的治安が安定していて、アフリカで初のワールドカップが開催されるなど国際行事にも積極的に参加しているのです。

また成長見込みのなかには、人口増加への期待も考えられています。アフリカはこれまで、経済成長率が人口増加率を下回っていて、貧困に悩まされていました。ところがアジアの人口増加率の鈍化にともない、いまアフリカの労働力が安い賃金で買われているのです。こうして消費市場をどんどん拡大しています。

手付かずの大地に資源が眠っていることも期待されているため、加盟が認められることになったということでしょう。

BRICSの国内総生産(GDP)と、世界に与える影響は?

 

国がいくら結託して何かを始めようとしても、確固たるデータがなければ指針を示すことができません。経済成長のもっともわかりやすい物差しとなるのが「GDP」=「国内総生産」です。BRICSの場合を見てみましょう。

まず、ブラジルは世界でも有数の鉱物資源に恵まれた国です。日本も約20%を輸入しており、鉄鉱石輸出国として大変有能。貿易黒字によって伸び率が期待できます。

ロシアは、その広大な土地に眠る天然エネルギー資源が期待できるでしょう。原油生産量はアメリカ、サウジアラビアのトップに並ぶ勢いで、石油天然ガス産業はGDPの25%にもおよびます。どの国もエネルギーは必要としているので、莫大なビジネスになっていくでしょう。

インドは、BRICSという組織に属さなくても、単独で世界中から期待されている国です。2010年代に入ってからも8%以上の成長率を記録しています。工業、労働、ITなど、アナログからデジタルまでGDPのバランスがとれていて、人材も豊富、ビジネスに有力です。

中国は言うまでもなく、豊富な人材と一党独裁体制のコントロールで、安い労働力を売りにしながら成長してきました。GDPは世界第2位となり、まだまだ伸びていくといわれています。

南アフリカは、アフリカ最大の経済規模をもっていて、レアメタルやプラチナなどの産出も期待されています。BRICSの結束力は2040年のGDP予測で先進国を上回り、2050年にはG7の1.5倍の規模になるだろうとまでいわれているのです。

BRICSの次に来るのは?投資をしたい新興国

 

世界はいま、BRICSだけでなく、こぞって新たな投資先を探している状況です。世界経済の投資というのは、新興国にとってもインフラが整い、国民の暮らしが豊かになるので、ある意味でウィンウィンの関係になります。ただし投資をする国に支配されるようなことのないように、気をつけなくてはなりません。

そういう意味では、言いなりになるだけの国ではいけません。現段階で経済力がなくても、きちんと自立し、独立した機能をもっている国が有力となります。こうしたさまざまなバランスを見て、BRICS以外で注目されている国をご紹介しましょう。

まずはトルコです。イスラム圏でありながら宗教に寛大な国で、親日国としても有名。中東情勢が不安定ななかで、ある程度の治安を維持しています。テロ活動などが収束に向かえば、トルコは先進国と中東のちょうど間にある玄関口となり、かなりの成長が期待できるでしょう。

次はタイです。実は日本がかなりの力を注いでいて、成長を牽引しています。2017年の国外投資では12%増を記録し、このうちの47%が日本からの投資です。自動車やロボット、バイオ産業など最先端の重産業に期待されています。

成長のための投資とは何かを学ぶ一冊

著者
ルチル・シャルマ
出版日
2018-04-06

 

投資の成功というのは、多角的に見る必要があります。個人の資金でおこなうものであれば、利益がもっとも優先されるかもしれません。しかし世界経済規模でおこなわれる場合は、人々の暮らしを豊かにし、幸せをもたらすことが大きな目的でなければならないのです。

逆にいえば、失敗した場合、それが大きな争いのもととなってしまう可能性もあるでしょう。本書はそうした世界規模の投資において、どのように「国」を見ていけばよいのかが書かれている一冊です。

投資の要素が詳しく書かれていて、読んでいて大変勉強になります。文化や歴史だけでなく、地理や科学、芸能まですべてが投資の対象。世界を見るには広い視野が必要であることがあらためてわかるでしょう。

BRICSをはじめ競争に生き残る国を見極める一冊

著者
ルチル・シャルマ
出版日
2015-04-22

 

先進国が経済的な成熟期を迎えた場合、その後ろを足跡を辿るようにして新興国がそのまま追いかけてくるかといえば、そうではありません。技術はどんどん発展し、情報が流れるのもあっという間な時代です。

つまり古い考え方で誰かの真似をするだけでは、新興国といえども投資対象にならず、成長は期待できません。本書は、そうしたなかで本当に成長が期待できる国はどこなのかを解説しています。

データも多用されているので、初心者にとっては数字が多く感じるかもしれませんが、その場合は説明文や解説文などの読みやすい章から読んでも問題ないでしょう。全体の内容を把握してから具体的な数字と照らし合わせる読み方もおすすめです。

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