上野千鶴子のおすすめ本5選!「おひとりさま」で有名な社会学者の書籍を紹介

更新:2018.8.3 作成:2018.8.3

社会学者として活躍する上野千鶴子。日本のフェミニストの先駆けともいえる存在で、著書「おひとりさま」シリーズや人生相談の回答者としても知られています。今回はそんな上野の作品のなかから特におすすめなものを厳選してご紹介しましょう。

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上野千鶴子とは

 

1948年生まれ、富山県出身の社会学者で、日本における女性学・ジェンダー研究のパイオニアともいえる存在です。フェミニズムの立場から、歯に衣着せぬ物言いで多くの論争に加わってきました。

過激な発言と全方位に喧嘩を売るような論調で注目されがちですが、上野が女性たちに与えたインパクトは大きく、東京大学名誉教授や立命館大学の教授なども務めています。

著作も多数あり、なかでも「おひとりさま」シリーズと呼ばれる、独居老人や高齢者の介護問題について言及した作品が人気を博しています。今回は、そんな彼女の作品のなかでも特におすすめのものを厳選してご紹介しましょう。

上野千鶴子を代表するシリーズの完結編『おひとりさまの最期』

 

「結婚してもしなくても、みんな最後はひとりになる。」とは、上野の著作『おひとりさまの老後』の冒頭部分です。ややセンセーショナルなタイトルと、ひとりきりの老後生活に具体的に向き合った内容がうけ、ベストセラーになりました。

本書は、その後に書かれた「おひとりさま」シリーズのラストに当たる一冊で、老後のその先、つまりひとりで迎える死について書かれた作品です。

著者
上野千鶴子
出版日
2015-11-06

 

上野千鶴子が本書のなかで語っているのは、施設を頼らない、住み慣れた家での在宅死です。家族はあてにしないという徹底したおひとりさま意識のもと、在宅医療や看護、介護ヘルパーなどへも取材を重ね、具体的にどのようにすれば在宅でひとりで死ぬことができるのかを解説しています。

誰にでもやってくる死を恐れるのではなく、個人が望む死のかたちを実現するための実用書。死にざまを自分で決めるために必読の書だといえるでしょう。

リアルと理想、女と男の対談集『おひとりさまvs.ひとりの哲学』

 

宗教学者の山折哲雄と上野千鶴子の、死に方についての対談集です。

山折哲雄は、『「ひとり」の哲学』などの著書で知られ、孤独と向き合う生の豊かさを提唱している人物。彼が唱える理想的な孤独のロマンと、上野の現実的なおひとりさま論がぶつかりあい、白熱した議論がくり広げられています。

著者
["上野千鶴子", "山折哲雄"]
出版日
2018-01-12

 

「ところでわたしは正真正銘の独居高齢者である。だが、山折さんには妻も子どももいる。子どもさんは成人して家を出ていかれたようだが、妻とは同居しておられる。その人が『「ひとり」の哲学』を説くのは、なにやらあやしい気がする。だからわたしは不躾にも山折さんのことを「ニセおひとりさま」と呼んでいるのだが、「思想としてのおひとりさま」は「実践としてのおひとりさま」とは違うという考え方もある。」(『おひとりさまvs.ひとりの哲学』より引用)

タイトルに「vs」とあるとおり、対談は始終リアルなひとりvs思想のうえでの理想的なひとり、という様相で進んでいきます。好戦的に現実を突きつける上野に対し、守りに入る山折といった構図が多く、それぞれについ感情移入してしまうかもしれません。

そもそも上野の著書は女性の読者が多いそうで、山折の著書は男性の読者が多いそう。なぜそのようなことになっているのかについても、ジェンダー論の観点から語られていて、興味深く読めるでしょう。

上野千鶴子が下世話なお悩みから人生のお悩みまで一挙解決『身の下相談にお答えします』

 

朝日新聞の土曜版別刷beに連載していた「悩みのるつぼ」という人生相談のコーナーより、上野千鶴子の回答の傑作選を書籍化したものです。

10代から70代まで幅広い相談者から寄せられた、切実な身の上ならぬ「身の下」の相談、家族や結婚、仕事についてなど、どんな悩みにも的確にアドバイスを送ります。

著者
上野千鶴子
出版日
2013-05-08

 

性欲が強すぎて困りますという15歳の男の子、セックスレスが悩みだという35歳の主婦、家庭外に好きな人がいるという40歳の既婚女性、30代の彼と離れられないという70代の女性など、本人は真剣極まりないのかもしれないけれど、他人から見るとちょっとだけ「ええ?」と思ってしまうようなお悩みたち。

性に関する悩みはもちろん、家族の悩みや仕事のトラブルなど50の人生相談に上野がズバッと回答しています。

相談者を傷つけず、かといってありきたりな答えに終始していないのが凄いところ。時にユーモアも交えつつ、悩みの本質をつくような答えに、おもわず胸をすく思いをする読者も多いのではないでしょうか。

「身の下」とあるように下ネタも多いですが、真面目に笑えて真面目に人生について考えられる本だといえるでしょう。

心に刺さる名言集『上野千鶴子のサバイバル語録』

 

フェミニストとして戦い続け、おひとりさまとして生き抜く覚悟を決めた上野千鶴子の語録集です。

家族との関係や結婚、子育て、働き方、老後……人生のさまざまな場面で心に染み入る名言を、テーマ別に140収録しています。

著者
上野 千鶴子
出版日
2016-01-29

 

「女はすでに頑張っている」
「人生の勝負は短期では決まらない」
「相手のとどめを刺さず、もてあそびなさい」
「万人に感じよく思われなくてもいい」
「立ちはだかる壁は迂回せよ」
「下り坂もまた、新鮮である」(『上野千鶴子のサバイバル語録』より引用)

上野千鶴子の言葉には、軽快さのなかにも経験に裏打ちされた生きるための知恵が入っています。だからこそ悩みを抱えた人の心に響くのでしょう。

女性も男性も、読めば生きる力が湧いてくる一冊です。

上野千鶴子のエッセイ『ひとりの午後に』

 

上野千鶴子が自らを振り返り、おひとりさまで生きていく心境や暮らしぶりなどを語ったエッセイ集です。「思いだすこと」「好きなもの」「年齢を重ねて」「ひとりのいま」といった4つの章で構成されています。

美しい言葉の選択とキレのある文章で、気持ちよく読むことができるでしょう。

著者
上野 千鶴子
出版日
2013-09-03

 

身近なものが題材になっていることが多く、読み進めていくうちに上野の覚悟や生きざまが透けて見えてくるようです。

タイトルからもわかるとおり、ひとりでいることについての記述が多いのが特徴。ただ彼女はひとりだとしても、大切にしている人がいないわけではないこともわかります。

これからますます高齢化社会になっていく日本において、上野千鶴子自身がどのように自分の生き方を見せてくれるのか、楽しみになる一冊でしょう。