文芸
ビジネス/キャリア

小田嶋隆のおすすめ本5選!元アル中⁉日経ビジネスで連載中のコラムニスト

更新:2020.12.1 作成:2018.8.9

数々の雑誌やウェブサイトで連載をもち、「天才コラムニスト」との呼び声も高い小田嶋隆。社会問題から芸能関係までさまざまな事柄を軽妙な語り口で綴るコラムが、多くの人から人気を集めています。そんな彼、実は元アルコール中毒だったそう。赤裸々な過去を語った作品も含めて、おすすめのものを5作ご紹介していきます。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

小田嶋隆とは

1956年生まれ、東京都出身のコラムニストです。

早稲田大学教育学部を卒業した後、食品メーカーに入社。しかし1年ほどで退社して、その後は小学校事務員見習いやラジオ局のAD、作詞家などを経て、電子機器の取扱説明書などを作成するテクニカルライターとなりました。

1988年に『我が心はICにあらず』を発表。以降、コンピューター関連をはじめさまざまなことを取りあげるコラムニストとなり、文章表現ワークショップの講師を務めたり、「日経ビジネス」で連載したりするなど幅広い活動をしています。

また小田嶋隆は、物議をかもす発言が多いことでも知られています。たとえば詩人で書道家の相田みつをに関して「便所の神様」と批評する記事を書き、遺族から名誉毀損で訴えられたこともありました。

さらに電車内で化粧をする行為について、このマナーを咎める人たちは典型的な規格にハマれない人間に苛立っているのだとし、

「日本人のうちの半分ぐらいは、リラックスした人間を憎んでいる。誰もが自分たちのように、びくびくして、周囲に気を使って、神経をすり減らすべきだと考えている」(日経ビジネスONLINE「ア・ピース・オブ・警句」より引用)

このように述べ、多くの読者から反響が寄せられました。

小田嶋隆を読むならまずはコレ!コラムについて語ったコラム

株式会社ミシマ社が運営しているウェブ雑誌「ミシマガジン」にて連載されていた「コラム道」が書籍化されたものです。

コラムについて書いたコラム。コラムニストとはどのような職業なのか、彼がどのようにして文章を書いているのかを垣間見ることができます。

著者
小田嶋 隆
出版日
2012-05-21

「天才コラムニスト」と呼ばれる小田嶋隆が、どんな信念やこだわりをもって文章を書いているのかがわかる、コラム執筆の指南書です。情報をただ伝えるだけでなく、文章自体の面白さが魅力に大きくかかわるコラム。もともと彼の文章を読んでいる方は、あの面白さの裏側にどんな秘密が隠されているのか知ることができます。

「ライターっていうのは原稿を売って反感を買う商売なんだ」(『小田嶋隆のコラム道』より引用)

この文章が示すように、書き方のテクニックだけでなく、心構えが書いてあるのが特徴。彼の文章はあたかも独り言のように軽いタッチで書かれていますが、とりとめのない言葉のなかに真髄が込められていて、最後には深遠な気づきを与えてくれる一級品です。ぜひその魅力を堪能してください。

小田嶋隆が赤裸々にアルコール中毒を語る

小田嶋隆は20代から30代にかけて、重いアルコール依存症でした。医者からは「40で酒乱になり、50で人格が崩壊する、そして60で死ぬでしょう」と言われていたそう。

本書には、そもそもアルコール依存症とはどのようなものなのか、なぜ依存症になってしまったのか、そしてどのようにして克服することができたのか、その軌跡が記されています。

著者
小田嶋隆
出版日
2018-02-26

小田嶋隆はアルコール依存症を克服するために、音楽の趣味をレゲエからジャズに変え、観戦するスポーツも野球からサッカーに変えます。酒を断つということは、酒とは関係ない趣味や嗜好までガラリと変えることでした。

また大きな心の傷を負わなくても依存症になるし、そこに意志の強弱はあまり関係ないなど、意外性のある事実も書かれています。そうして徐々に依存症になっていき、酒におぼれた日々が赤裸々に綴られているのです。

アルコール依存症の実態がわかるだけでなく、依存症に陥るメカニズムも理解できます。とにかく説得力は十分。誰でも小田嶋のようになる可能性があるということを思い知らされる一冊です。

友だちについて考える一冊

「友だちとは何だろうか」というテーマで書いたコラムを集めた一冊です。

小田嶋隆の幼少期の記憶や、誰もが簡単に繋がることのできるSNSなどについて、自由に考察しています。

著者
小田嶋隆
出版日
2015-04-28

「私の世代には、私と同じような一匹狼気取りの単独行動者がそこここに偏在していた。そして、仲間とツルむことの少ないわれわれのようなタイプの人間にも、一応の居場所はあった。われわれは万人に好かれていたわけではないが、一定の敬意ある扱いを教授していた。どういうことなのかというと、私ども単独行動者は、決して魅力のない落ちこぼれとして一方的に蔑まれていた訳ではないということだ。」(『友だちリクエストの返事が来ない午後』より引用)

この引用文を読んで「うらやましい」と感じた人は、小田嶋隆の語る内容に共感しながら読むことができるでしょう。本書はいわゆる「ぼっち」を応援するような内容だからです。

彼の友情論には毒がもられていて、時にドライにも感じられますが、それでもどことなく優しさをまとっているので読んでいて刺々しい気持ちにはなりません。友だち関係の悲喜こもごもを経験してきた大人にこそ読んでもらいたい一冊です。

小田嶋隆が自選したコラム集

2006年から2014年までの時事問題を読み解いたコラムを、小田嶋隆自身が選んでまとめた一冊。

いじめ問題に朝青龍、皇室関連、芸能まで話題はさまざま。ひとつひとつは短いものなので、気軽に手にとることができます。

著者
小田嶋隆
出版日
2016-10-25

「自選コラム集とは言っても、ベストヒットアルバムではない。代表作というものともちょっと違う。本書に収められているのは、出来不出来よりは、個人的な偏愛をより強く反映した作品で、その意味では、独り言に近いものなのかもしれない。」(『ザ、コラム』より引用)

世の中で起こっているさまざまな時事問題を掘り起こし、疑問を投げかけ、新しい考えを記しています。話題は多岐にわたっていますが、結果として小田嶋がどのようなものに目を留めているのかわかるでしょう。彼の物事を捉える目線は秀逸で、それを言葉にして読者に伝える力は目を見張るものがあります。

文章は堅苦しくないもののパンチが効いていて、心にもやっとくすぶっている不満や怒りを洗い流してくれる清々しさを感じさせてくれる一冊です。

小田嶋隆ほか10人の知識人が若者に送るメッセージ

哲学者でありコラムニストでもある内田樹の呼びかけで集まった11人の知識人たちから、中高生に向けたメッセージを集めた一冊です。

小田嶋隆は「13歳のハードワーク」という文章を寄稿しています。

著者
["内田樹", "鷲田清一", "高橋源一郎", "加藤典洋", "平川克美", "小田嶋隆", "白井聡", "山崎雅弘", "想田和弘", "仲野徹", "岡田憲治"]
出版日
2016-07-16

小田嶋が若者に問いかけたのは、「夢と職業の関係とは何か」という命題。50年前と現代の日本社会での「夢」と「職業」の捉え方の変化を伝えながら、「職業=生きがい」とする現代の職業観に疑問を投げかけています。

「経験は、フリーズドライされた思考の力だ。これを使えば、たいして考えなくても、懸命に考えたのとそんなに変わらない結論にたどり着くことができる。なので、われら大人は、世の中で起こる半分ぐらいの出来事については、考えるまでもなく、あらかじめその正体を知っている。残りの半分についても、以前の経験からおしはかってどうにか対処できる」(『13歳のハードワーク』より引用)

情報が氾濫する現代社会で、何を信じたらよいのかわからないでいる若者に対し、「大人」の視点から知恵と技術を送る小田嶋隆。優しく救い出してくれるようなメッセージになっています。

そのほかのコラムも読みごたえ十分。大人が読んでも気づきを得られるのではないでしょうか。