ハード・ロック/へヴィ・メタルと聞いてあなたが思うのは、どんなものだろうか? 興味の無い方にとっては、長髪、革の衣類、ギター、それに轟音を響かせる悪魔的音楽などでしょうか… ただこの音楽は、一見入りづらい反面、世界的に見ると、どの音楽ジャンルよりも深く、多くの人々を魅了し熱狂させるものでもあります。私も強く魅了され、人生すら左右された者の一人です。 今回は、ハード・ロック/へヴィ・メタルが好きな人にも、興味のない人にも、新たな発見への扉となるような書籍をご紹介したいと思います。
ハード・ロック/へヴィ・メタルはどこから来て、どこに行くものなのかを教えてくれる、まさにバイブル的な一冊。加えて1970年代から80年代中期にかけてのスターたちをたくさんのフォトと、それぞれの解説でドラマチックに伝えてくれる。
- 著者
- 伊藤 政則
- 出版日
- 1985-04-01
ハード・ロック/ヘヴィ・メタルのロックスターとして思い浮かぶのはどんなイメージだろう? カッコよく、派手。そして、大酒呑み。そんな絵に描いたようなロックスターであるロックバンド、モトリー・クルーのベーシスト、ニッキー・シックスの赤裸々な日記がこちら。
- 著者
- ["ニッキー・シックス", "イアン・ギッティンズ"]
- 出版日
- 2008-09-30
美しく、儚い。神に愛されていたがゆえに、その元へ仕わされる運命となってしまった悲劇のギターヒーローが、かつてこの世界には存在していた。世界中の誰もが“美しい”と感じるパーフェクトなルックス、さらにそれを凌駕するクラシック音楽を取り込んだフレーズのセンス、作曲力。前述のニッキーのようなミュージシャンとは、ある種対照的で、ひたすら勤勉で真面目なミュージシャンが、大きな成功まで上り詰め、そして儚く散る――。
- 著者
- ジョエル・マクアイヴァー
- 出版日
- 2012-03-19
先のランディ・ローズを世に知らしめるきっかけとなったヴォーカリスト、オジー・オズボーン。稀代のハード・ロック/ヘヴィ・メタル・アイコンたるこの人は、アルコール&ドラッグはもとより、コウモリを食べる、何度も生死をさまよい、家庭もめちゃくちゃ、さらに性格も天然……と現実離れした人物でもある。
- 著者
- ["オジー・オズボーン", "クリス・エアーズ"]
- 出版日
- 2012-02-25
80年代後半から90年代にかけて最大のギターヒーロー、イングヴェイ・マルムスティーン。北欧から世界を侵略するバイキング。彼の持つ常人の域を超えたテクニックが、その性格や人間性に起因していることがよくわかる一冊。強引な一面もあるが、成功者として明晰であり、行動力や分析力もさすが。凄まじいテクニックや傍若無人な面だけに目が行きがちだが、そういった部分を別の視点から考えることができる。各アルバムについての話や、機材や弾き方についても本人の口から語られるので、ギタリストも必読。また、女性問題に関するエピソードも面白いので見てほしい。
- 著者
- イングヴェイ・マルムスティーン
- 出版日
- 2013-08-29
駆け足で紹介してきたが、このほかにも紹介したい本は、たくさんある。
例えば、先のイングウェイに影響を与え、私自身が音楽を始めるきっかけとなったギタリスト、リッチー・ブラックモアの自叙伝やインタビュー。もっとストイックにバンドという形や音楽への情熱について考えさせられる世界的バンド、メタリカの故クリフ・バートンのストーリーなど。
私より詳しい諸先輩からすれば、あれもだろう、これもだろうという声などもあるかもしれない。それで良いし、それこそが素晴しいと思います。ハード・ロック/ヘヴィ・メタルというジャンルは、そういった十人十色のさまざまな見解や思い入れを各々が抱ける音楽なのですから。
本が描くハード・ロック/ヘヴィ・メタルの世界から、新たに興味を持ったり、さらに深く掘り下げたり、これからも「私」というヘヴィ・メタルの起点の一つからさまざま書籍を紹介できればと思います。ヘヴィ・メタルと読書が共に、あらんことを!
本と音楽
バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。