【第23回】つぶやきシローのつぶやき読書/読んでもすぐ忘れちゃうのにね

更新:2021.2.8 作成:2018.10.5

小説家としてもデビューをしているつぶやきシロー。しかしどうやら、読書に対してはかなりの抵抗があるらしい。彼に「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。 第23回は、読書がつらいと思っている人にこそおすすめの本を読んでもらいました。

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スタバで読書してる人って、そんな自分が好きなんだろうね。

 

この前の台風すごかったね。あの風。体持ってかれたもんね、危なかったよね。僕の家のベランダの網戸が反対側にスライドしてたもんね。テレビでニュース見てたら、雨の降る様子で風の強さがわかるね。嘘みたいな豪雨だもんね。昔のテレビドラマの雨のシーンみたいな、脚立に登って上から水を撒いてる雨みたいだったよね。

そして台風一過の次の日は晴れて暑かったね。天気のツンデレすごいな。台風一過って、「台風一家」だと思ってたみたいなベタなこと言う人最近見ないね。昔はよく聞いたけどね。僕も言葉の意味が分からず子供の頃、辞書で調べて知ったのかな? そういえば最近辞書を引く習慣なくなったな~。わからない言葉があったら、ネットで調べちゃうもんね。そっちの方が情報多いしね。電子辞書が出始めた頃は、「なにおぉ! 辞書は引くもんだ!」って抵抗して電子辞書なんか買わなかったけど、パソコンいじっちゃうともうダメだね。辞書さんには申し訳ないけど。

だからって辞書を捨てられないしね。たまに角が20ページくらい一気に折り曲がってて、一枚一枚直したりしてね。ボロボロのケースに辞書をしまった時の押し戻される風を手のひらに感じたりしてね。今後辞書を引くことはあるのかな? 

家の中にまた読むことがあるのかなって本あるよね。面白い小説だったからとっておこうって、また読むことある? 逆につまらない小説で途中で読むのやめてしまったけど、またいつか読むだろうからとっておこうって、また読むことある? どっちにしても本を開くの億劫だよね。だからただ本棚に飾ってあるだけ。しかも本当は、面白かったかつまらなかっただけで、本の内容なんて全然覚えていない。人に聞かれても説明できない。じゃあ、本なんて無理して読まなくてもいいじゃんってなっちゃうんだよね。

タイトル「読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術」

 

著者
印南 敦史
出版日
2018-05-27

 

前提として、読んだ本の内容なんて忘れるのが当たり前だと説いた上で、それでも忘れたくないのなら、具体的な方法があるよという本。190ページで終ってくれてるのがうれしい。って言っても僕は読むのが遅いから時間かかるけどね。1時間で20ページ読めれば上出来。みんなもっと速いんでしょ。ちゃんと全部理解して読もうとしちゃうんだよね。だから読書がつらくなる。著者はそこまで自分を追い詰める必要はないと言っている。

でも、僕も本を出しているからわかるけど、自分の書いた本は、ちゃんと読んでほしいもんでね。だから人の本を適当には読めないんだよね。あと何か勉強になることがあるんじゃないかと思っちゃう。本って崇高なものだって、頭のどこかで思ってるから、教科書の延長上みたいに学ぶべきことが書いてあるのが本だって、本に期待しすぎなのかな。読んでもすぐ忘れちゃうのにね。

著者は、読んで忘れても、自分は人より劣っているかもと落ち込まず、「忘れて何が悪い」って開き直ってほしいって言ってるんだよね。でもなんとなくモトを取んなくちゃじゃないけど、ちょっとでも賢くなりたいとか誰でもあるじゃない? だから読んでるそばから、今読んだ行を読み直しして記憶に定着させようとするんでしょ。僕も何度も同じ行を読み返しちゃうんだけど、それはつまらない本だと白昼夢に陥り、字を目で追っているだけで内容が全然入ってこないからなんだよね。

みんな、読めない漢字を読めたことにして進んじゃうよね。漢字を見て、読めないけどこんな感じの意味だろうな~って。で、読み進めるとまたその読めない漢字が出てきて、まあまあと思ってたら、また出てきて、ん~その漢字を調べようか迷うよね。僕はわからない漢字が多いから、いちいちそんなことで中断してたら、本の内容を忘れちゃう。そしてせっかく調べた漢字の読み方もすぐに忘れちゃうんだよね。

あのさ、小説の主人公の名前が難しい漢字で、初登場だけルビふってあるけど、次からルビふってないじゃない。その主人公の名前を字を見て目で認識するだけか、ちゃんと頭の中で主人公の名前を読んであげるか、どっちのタイプが多いんだろうね? こういう統計を取ってるとこ見たことないし、人にも聞いたことないよね。

「本なんて汚してもいい」と書いてあるけど、この場合の汚すは、線を引いたり書き込んだりのこと。僕は汚せないかな。本のカバーと帯もそのままの状態でそろ~と折り目をつけないようにきれいに読むタイプ。でも最初から汚れている本あるよね。ミステリーの古本を買うと、犯人の名前にマルが付いてたとか、ウォーリーを探せでウォーリーにマルが付いてたとか聞くけど、僕も100円の古本なら汚すというか、お風呂の中でフニャフニャにできる。意外と本って丈夫で、毎日お風呂で読んでいても、カバーはちぎれるけど本自体はしっかりしているんだよね。ま、湯に浸かってるからボーっとして、これまた本の内容を忘れちゃうんだけどね。

始終本の内容を忘れてしまう人を励まし続けている本だね。しまいには「読書しなくても生きていける」って、ここまで言ってでも自分を卑下するなと言ってくれてる。確かに名作と呼ばれる本でもあらすじを言いなさいって言われて正確に言える人少ないと思う。有名なおとぎ話も「最後どうなっちゃうんだっけ?」だよね。僕も自分で小説書いといて、全部覚えてるかって言うと、何回も推敲しているはずなのに覚えていないもんね。だから、この本の内容も忘れちゃうんだろうな。

連載第1回を読みたい方はコチラ。
 

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