そしてだらだらと重い一日が始まる【小塚舞子】

そしてだらだらと重い一日が始まる【小塚舞子】

更新:2021.2.9 作成:2018.10.31

つい自分を甘やかしてしまう自分に度々嫌気がさす。「まぁこのくらい、いいか」何かにつけてそんなことを考えている。どこかに修行に出かけたいと思ったこともある。どこだろう。…お寺とか?とにかく誰か、この私のぐうたら甘々な根性を叩き直してはくれないだろうか。 なんて具合に、そこすら他人に委ねようとしているあたり。変わるわけがない。己を甘やかして32ネ…もうすぐ33ネン。そろそろシャキッとしたい。

小塚舞子プロフィール画像
タレント、女優
小塚舞子
奈良県生まれ。カレー屋巡りの趣味が高じて、カレー本やカレーロケなどに度々登場している。2018年末に女児を出産、絶賛子育て奮闘中。 ■主な出演番組 ABC:「おはよう朝日です」 KTV:「発見たまご!ころころコロンブス」 TVO:「おとな旅あるき旅」 NHK:「ごごナマ」 他ラジオ、CM、舞台、ナレーターなど幅広い分野で活躍中。
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後悔から一日は始まるのだ

今日は午前中に断捨離をして、午後からこのコラムを書こうと決めていた。朝5時過ぎくらいになぜだか目が覚めて(最近やたら早く起きてしまう。歳?)気合いを入れるべく、人が生きていくのに必要な洋服の枚数などを調べた。ネットには様々な情報があり、1シーズン30着だったり、一人あたり100着だったり。過酷なものだと10着以下だとか。

前回のコラムでも少し触れたが、自分に甘い私は、断捨離なんてものはすこぶる苦手なのだけれど、散らかっている部屋で生活するのも嫌で、ミニマリストのようなすっきりとした暮らしには長年憧れを抱いている。10着以下というのはさすがに無理だとしてもワンシーズン30着やそこらなら何とかなるんじゃないかと思い、頭の中で「あれは残そう、あれは捨てよう」というシミュレーションを行った。クローゼットに余裕ができて、軽やかに並ぶ洋服や小物のことを考えていると嬉しくなってきて、よしこれはすぐにでも実行に移そうじゃないかとワクワクしてきた。

しかし、この時点で私はまだベッドに寝転がっている。早起きしすぎたせいもあるが、もうちょっと眠った方がいいんじゃないかとか、いやこの冴えきった頭じゃ眠れやしないなぁとか考えているうちに、いたずらに時間だけが過ぎていく。さっきまで物を捨てることで頭がいっぱいだったくせに、気付けば新作の洋服を調べていて、あぁこんなことしてるから物が増えるんだよなぁとか、当たり前のことを考える。目が疲れてきて、スマートフォンを置き、天井を眺める。

…いかんいかん!早起きは三文の徳。起き上がって歯を磨いたら作業を始めるぞ!と意気込んだ途端に何となくちょっとだけ眠いような気がしてきて、それに任せてウトウトまどろんだ。それでも中途半端に頭は覚醒していたものだから、寝ているような寝ていないようなというだらしない眠りに落ちてしまって、全く以て寝た気はしないし、むしろ眠る前より身体は怠くなっているんじゃないかと思う。残念な二度寝を経て、ようやくベッドからぬるりと起き出した頃にはもう9時を回っていた。

かなり前にも書いた気がするが、休みの日の定番スタイルである。自分を甘やかしたことでの後悔から一日は始まるのだ。自然に目が覚めたときに起きるのが一番気持ちいいとわかっているのに、自分をもう少し寝かせてあげたくなるのだ。そしてだらだらと重い一日が始まる。

ときめきはどんどん細分化されていく

さて。身体は重いが、二度寝前の気合いはまだほんのりと残っていたので、すぐにでも断捨離の作業に取り掛かろうかと思い、とりあえず歯を磨いた。…しかし待てよ。5時半から考えると3時間半以上も時間をムダにしてしまった計算にはなるが、昼まで寝なかっただけでも偉いんじゃないか、私。と、自分甘やかしスイッチがここでも入る。そのスイッチが入ると、本来の目的にはまだ取り掛からなくてもいいんじゃないかという気分になってくる。そうだ。朝ごはんだ。朝ごはんを食べよう。

これが11時とかなら朝昼兼用でいいかと、少しだけ我慢して昼ごはんを食べるのだが、まだ9時台となると、朝ごはんも昼ごはんも食べたい。それほどお腹が空いているわけでなくても、食べるということ自体が好きなので、やはり朝ごはんを食べることにした。

作り置いていた野菜スープを温める。トマトベースのそれは決して美味しいものではなく、プチダイエットをするときのメニューだ。この『プチ』というのも甘やかしポイントで、私は普段から好きなものを好きなだけ食べるという生活に慣れてしまっているため、ストイックなダイエットは絶対にできない。そこで、ネットで調べた「食べるほどに痩せるスープ」というレシピに自分でアレンジを加えたものをたまに作る。

ちなみに、そのアレンジ方法とは野菜スープにたっぷりとウインナーを入れることだ。レシピ通りに作ると、どうも味気ないスープに仕上がるのだが、そのアレンジのおかげで、まだイケるなという仕上がりになる。ウインナーって美味しいよね。あと食べるときにチーズも入れる。これもコクが出て美味しくなる。

そんなノンストイックダイエットスープと供にいつもはパンを食べるのだが、最近体重の増加が著しかったので、パンは中止にしてスープだけを食べた。物足りなかったのでキウイとみかんも食べたが、果物はカロリーに入れないことにしている。身体にいいらしいし。食べながら録画していたドラマを見た。もう少し早起きできていたらニュースを見たかったところだが、遅かったので諦めた。一時間ほどドラマを見てから、食べ終わった食器を洗う。シンクがピカピカになると、一仕事終えたような気分になってだらりとソファーに座った。ちょっと休憩しようかと、読みかけの本に手を伸ばす。時計を見る。11時になろうとしている。

ダメダメダメダメダメ!断捨離!ワタシ、ダンシャリスルノ!だんしゃるの!慌ててクローゼットの前に立ち、洋服を睨んだ。当初の目標は1シーズン30着である。しかし、圧倒的な洋服の数に、枚数にはこだわらないでおこうとすぐに諦めた。いつか読んだ本で「触ってみてときめかないものは捨てる」という方法を思い出し、実践してみる。

「ときめくもの」
「ときめかないもの」

…ん?
「ときめいてはいるけれど、今は着ないもの(でも来年多分着るから捨てない)」
「ときめきはしないけれど、便利なのでよく着るもの」
「コーディネートがよくわからないけれど、ときめきはするもの」
「ときめきなんて関係なく頑張って働いて買ったから捨てたくないもの(つまり高かったもの)」

ときめきはどんどん細分化されていく。ときめきって何やねんと、よくわからないことを考え始める。「ときめき」を検索してみる。ときめきメモリアルに想いを馳せる(やったことないけど)。

こうしてまた時間はどんどん過ぎていく。13時を回ったところで、また大してお腹もすいていないのにスープを飲んだ。断捨離が一向に進まない分、ダイエットくらいはちゃんとしようとそれ以外は口にしなかった。

やはりつい自分を甘やかしてしまう

皿洗いをし、作業に戻った。洋服をただ分類していてもキリがないので、とりあえずときめくものをラックに掛けて、ときめかないものはゴミ袋に詰め、ややこしいときめき方をしているものは箱にしまった。箱はパンパンになった。蓋が閉まらなかったので、何枚かはときめいたことにしてラックに戻し、作業終了。

…ええ、わかっているんです。これじゃ断捨離できてないって。中途半端な箱をつくるのが一番よくないって。来年すっかり忘れていることもわかっているが、やはりつい自分を甘やかしてしまう。

午後からの作業を、あたかもスムーズに行ったように省略して書いてしまったが、途中でココア休憩を長めに取っている。豆乳で作ったのでカロリーには計算しない。あと柿休憩も別で取ったが、これもノーカウント。とりあえず部屋がきれいになった時にはもう夕方で、とにかく腹ペコだった。

しかし、また野菜スープだけを飲むことを考えると頭がクラクラしてきた。そこで私は散歩がてら近所のスーパーまで行くことにした。ひんやりとした空気が心地よく、余計におなかが空いてくる。納豆とか豆腐とか、栄養があって低カロリーなものを買おうと向かったが、散々スーパーをウロついた結果、から揚げ弁当とミックスナッツを買ってしまった。

からあげ弁当は断捨離をした(正確に言うと途中までした)自分へのご褒美としてありがたく頂き、ミックスナッツはまさに今食べている。昼から書こうと思っていたコラムを書き始めたのは19時過ぎで、今はもう23時である。

肝心の断捨離は、春夏秋冬全て行う予定だったのだが秋のみで終わり、夕方にはコラムを書き終えているはずだったが、23時を回ってしまった。23時にミックスナッツを食べている。しかしこのミックスナッツは、素焼きで塩も入っていないのでカロリーには計算しない。

明日の朝、私は二度後悔するだろう。朝、体重計に乗った時と、このコラムを読み返したときだ。しかし、今日一日で甘えポイントがいくつあったかなんて、絶対に数えない。だって私はどこまでも自分に甘いから。そもそも、甘えた根性を自分で叩き直すつもりで書き始めたような気がするが、まぁいいや。
お風呂入って寝よう。おやすみなさい。 

断捨離を考えた時に読みたい2冊

著者
春樹, 村上
出版日

村上春樹さんの本を読むと、ミニマリストへの憧れが強くなる気がします。大体の登場人物が無駄のない、とても丁寧な暮らしをしています。読んだ本はすぐに古本屋に売ったり、必要なものだけを持っていたり。それが自分に厳しいからそうなっているんじゃなくて、ごく自然に、シンプルな生活ができているのです。むやみに断捨離の本を読むよりも、部屋が片付くんじゃないかと思う一冊です。

著者
ジェニファー・L・スコット
出版日
2017-05-12

…とは言いつつ、断捨離本にも手を出していた時期がありました。アメリカ人の著者がフランスにホームステイした際に見た、少しの良質なものだけに囲まれているフランス人の生活が細かく描かれています。素敵な食器で食事をして、素敵な洋服だけを着て暮らす生活。これが実行できたら、心にゆとりができるんじゃないかと思います。つまり、まだ実行できていないわけですが。

ちなみにフランスに20年以上暮らしている方に、「フランス人って服を少ししか持たないんですか?」と質問してみた所、「そんなことないわよ!」と笑い飛ばされましたが、何度でも読んで気合いを入れたいと思います。

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