5分でわかるキツネの生態!種類ごとの特徴や性格、エキノコックス症を解説!

更新:2018.11.16 作成:2018.11.16

日本に古くから生息し、昔話などにもよく登場するキツネ。この記事では彼らの生態や種類ごとの特徴、性格、エキノコックス症などを解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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キツネの生態は?生息地や体長など

 

ネコ目イヌ科に分類される哺乳類です。童話などに登場するのは「アカギツネ」という種類で、日本にはアカギツネの亜種である「キタキツネ」が北海道に、「ホンドギツネ」が本州、四国、九州に生息しています。

世界に目を向けてみると北半球の全域に広く分布し、ツンドラや砂漠、草原、都市部とさまざまな場所に適応しています。

体色は赤褐色や褐色で、喉や胸、尾の先端が白く、足の先が黒色です。まれに「ギンギツネ」と呼ばれる灰黒色をした個体もみられます。

単居性で狩りがうまく、小型の哺乳類や昆虫を食べることが多いそう。死肉を食べることもあり、都市部に生息する個体のなかには人間の出した残飯などを漁るものもいます。

獲物を見つけると時速50km近いスピードで走ったり、1m以上ジャンプをして野鳥を捕まえたりと、運動神経は抜群。また相手によって狩りの方法を変える知能の高さもうかがえます。

冬眠はせず、冬の間も活動し続けるのが特徴。前足の足跡に後ろ足を重ねるように歩くため、雪深いところでは2本足で歩いているかのような足跡を確認することができるでしょう。

キツネの種類ごとの特徴を紹介

 

アカギツネの亜種だけでも40種以上が存在するほど、種類が多いキツネ。それぞれの生息地に適した特徴をもっています。代表的な3種をご紹介しましょう。

ホッキョクギツネ

ロシアやアラスカ、グリーンランド、アイスランドなどの寒冷地に生息する種類です。

冬毛は真っ白でふかふかとしているのが特徴。なんとマイナス70度にも耐えられるそうです。夏毛は暗灰色と淡い灰色をしています。

冬はライチョウやトナカイ、夏はレミングなどのげっ歯類を捕食します。4~5年のサイクルで餌となる動物の個体数が変わるため、それにともないホッキョクギツネの数にも変化が見られます。

チベットスナギツネ

インドや中国、ネパールに生息する種類。体長は50~65cm、体重は3~4.5kgと小型犬ほどの大きさですが、頭部の横幅が大きく目が細いのが特徴です。

標高2500~3500mの乾燥した地域で暮らすので、四角く見える頭部は保温効果を高めるため、また細い目は砂ぼこりから眼球を守るためだといわれています。

ハイイロギツネ

北アメリカから南アメリカ北部に生息している種類。足が短く、ややずんぐりとした体つきをしています。

畑や藪、森林のほか都市部周辺でも姿を見ることができ、冬は野ウサギなどのげっ歯類、夏は昆虫や鳥類、動物の死体などを食べて生活しています。イヌ科の仲間としては珍しく木登りができるため、果実を採ることもあるそう。

コヨーテなどの天敵がいない地域では比較的簡単に見つけることができ、アメリカやカナダでは穀物を守る益獣として保護対象になっています。

キツネの性格がかわいすぎる!

 

日本でも古くから民話や童話に登場するキツネ。身近な存在の一方で、人を騙すなどずる賢い印象を抱いている方も多いのではないでしょうか。これは、彼らの知能の高さに由来すると考えられています。

その一方で、温和で従順な性格をしている個体も多くいるのが特徴。そこに目をつけたロシアの生物学者が、友好的な性格をした個体を交配することで飼育可能なキツネを誕生させることができるのではないかと仮説を立てました。

研究の結果、人になつきやすく、尻尾を振ったり顔を舐めたりと犬のような行動をとる個体が生まれたそう。なかには耳が垂れたり尾が丸まっていたりと、外見も犬に似た個体がいたのだとか。

2018年には、家畜化可能な性格をしているキツネは、ストレスに反応する視床下部や脳下垂体などのシステムの動きが鈍いことが判明しました。友好的な性格をした個体と攻撃的な性格をした個体には、遺伝子情報にも違いが確認でき、この差異を研究することでアルツハイマーなどの疾患に役立つ可能性があると期待されています。

キツネとエキノコックス症について

 

キツネと触れ合う際に懸念されているのが「エキノコックス症」です。これは、寄生虫の一種であるエキノコックス条虫によって人体に引き起こされる感染症で、もしも卵が体内に入ると、腸で孵化した後に幼虫が肝臓や肺などに寄生して嚢胞を作り、機能障害を誘発するもの。

寄生から10年経っても無症状なこともあり、自覚症状が出た時にはすでに重篤な状態になっているケースもみられます。

エキノコックス条虫はキツネと野ネズミを宿主としています。寄生されている野ネズミを食べることでキツネにうつり、腸内で繁殖。その後キツネの糞に混入した卵を野ネズミが食べ、体内で孵化というように繁殖し続けているのです。野生のキツネの多くは宿主になっていると考えてよいでしょう。

人間へは、卵を経口摂取することで感染します。キツネの糞に触ったり、エキノコックス条虫の宿主となっているキツネの糞に接触したり、糞の近くにあった山菜やキノコなどを多量に摂取することで感染してしまうほか、飼い犬が感染源となることもあるようです。

国内でも、キタキツネが多く生息する北海道内を中心に毎年数名の感染者が発見されています。

大自然で生きる姿をとらえた写真集

著者
井上 浩輝
出版日
2017-11-16

 

「National Geographic」の写真コンテストでネイチャー部門で1位を受賞した、井上浩輝のファースト写真集です。北海道の大自然で暮らすキタキツネの姿が収められています。

リラックスをした顔や、井上を不思議そうに眺めている顔、獲物を探している真剣な顔などさまざまな表情を見せてくれる彼ら。たった1匹で生活をしているのが不思議なほどあどけなさを感じさせるものもあります。

井上によるとキタキツネは、人間の生活圏の辺縁、あるいは自然との境界線上に暮らしているとのこと。1年をとおして、彼らがどのように暮らしているのかを覗き見ることができるでしょう。

生態を詳しく紹介するキャプションはついていませんが、美しい写真が文章以上にキツネの魅力を伝えてくれる作品です。

キツネが主人公のやさしく切ない物語

著者
あまん きみこ
出版日
1984-08-20

 

人気児童文学作家、あまんきみこの作品。キツネのもとに痩せたひよこがやってきたので、太らせてから食べようと企むところから始まる物語です。

本作に登場するキツネは、多くの他の物語同様にずる賢く、人を騙すのが得意な性格。しかし、餌にしようとしていた小動物たちと関わり、感謝されることで、徐々に変わっていきます。キツネの心の変遷を追ってきたらからこそ、悲しいラストが印象的です。

小学校の国語の教科書にも掲載されていて、日本語独特のリズムや美しさも感じることができます。