羽海野チカの天才ぶり、可愛さに迫る4つの事実!おすすめ作品もご紹介!

更新:2021.11.27

『ハチミツとクローバー』『3月のライオン』などで有名な少女漫画家、羽海野チカ。作品がアニメや映画になっていることでも有名です。そんな彼女がどんな人物であるか、意外と知らないという方が多いのではないでしょうか。顔出しはせず、メディアへの露出も少ないので、その素性は謎に包まれています。 今回の記事では、謎の多い羽海野チカの素顔と、おすすめ作品についてご紹介します。

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羽海野チカとは?作品の魅力とともに経歴や結婚歴なども紹介!

 

まずは、その経歴についてご紹介します。

羽海野チカは東京都足立区出身で、年齢は非公開。誕生日は8月30日とされています。

東京都立工芸高等学校デザイン科を卒業し、キティちゃんでお馴染みのサンリオに就職。3年後にフリーのイラストレーター、グッズデザイナーとして独立しました。

2000年に『ハチミツとクローバー』でデビューしたほか、2007年からは『3月のライオン』を連載しています。いずれも実写映画化した人気作品です。

 

著者
羽海野 チカ
出版日
2002-08-19

 

結婚歴が気になるところですが、非公開のため詳しいことは不明。一説によるとミュージシャンと交際しているという噂がありましたが、信憑性は低いです。吉田豪との対談があった2005年の時点では、結婚していないことが明らかになっています。

2013年に入院、手術をし、作品は一時休載しました。病名も非公開ですが、療養期間が長かったので重病だったのではと噂されています。

 

1:吉田豪のカウンセリング対談で開花?2人の関係が微笑ましい

羽海野チカは、コミュケーションをとるのが苦手と公言しています。コミケを開催しても友達がおらず、1人で泣きながら帰ったというエピソードがあるほど。喫茶店に1人で行くことができないなど、メンタルの弱さも折り紙つきです。

そんな彼女は、ライターの吉田豪との対談で転機を迎えます。この対談は、いわばカウンセリングのような内容で、吉田は彼女の失敗談を笑いに変えました。彼女のあまりのネガティブさを、一周回って面白いと笑い飛ばしたのです。そして、それがきっかけで、羽海野は気持ちが楽になったといいます。

彼女は、吉田に対して「『3月のライオン』ではまだカウンセリングしてもらってないので、成長した私を見てほしい」とまで言うほど、彼に信頼を寄せるようになりました。

著者
別冊QJ編集部
出版日
2017-03-15

また、アニメ化によって交流関係が広がり、「サナギのなかにいた」状態から、やっと外に出られたとも語っています。友だちができ、旅行にも行けるようになりました。コミケのエピソードから考えると、信じられないほどの成長っぷりですね。

その後も、吉田との交流はさまざまなインタビューや対談で実現しており、彼女にとって欠かせない人物であることは間違いありません。

カウンセラーと患者(?)のような関係でありながら、お互いをリスペクトし合っているのが伝わるインタビューの内容は、読んでいてなんだか微笑ましく感じてしまうでしょう。


『3月のライオン』については<漫画『3月のライオン』14巻までの見所を全巻ネタバレ紹介!>で紹介しています。あわせてご覧ください。

2:「ハチクロ」のワイワイ、ガヤガヤな雰囲気はサンリオ会社員時代の思い出?

 

『ハチミツとクローバー』は美大が舞台になっていますが、羽海野自身は工業高校の出身です。卒業後は、キティちゃんでお馴染みのサンリオに就職しました。

学生時代は友だちがいなかった彼女ですが、会社員になってからは、上司や同期にかわいがってもらったのだそう。会社には美大卒の人がいるので、そこで美大の話を聞く機会があったといいます。

これが、『ハチミツとクローバー』につながっているのです。

 

著者
羽海野 チカ
出版日
2002-08-19

 

この作品では、学生や教授が仲よく過ごす日々が描かれていますが、これは羽海野自身が経験したことではありません。

しかし会社員になってから仲間ができ、みんなで一緒に帰ったりするなどして日々を過ごすなかで、何気ないことも楽しく感じられたようです。

そうした思い出が、作品に投影されたのでしょう。

ちなみに本作はスマホアプリで無料で読むこともできます。


『ハチミツとクローバー』について紹介した<『ハチミツとクローバー』が無料!名作恋愛漫画の魅力をキャラクターから紹介>もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。

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3:「ハチクロ」の後日譚は萩尾望都作品にあり!?

羽海野チカは、少女漫画の大家である萩尾望都に影響を受けており、『ハチミツとクローバー』の主人公・はぐみは、萩尾の作品『ポーの一族』に出てくるメリーベルを意識しているんだそう。

そんな「ハチクロ」の後日譚は『ゴールデンライラック』という作品と同じになっていくと語っています。

『ゴールデンライラック』は、ヴィーという女性が幼馴染のビリーに惹かれながらも、金銭面で嫌気が差してしまったことから、金持ちのハーバートと結婚するという物語。

生活のために一時はビリーへの思いを諦めた彼女でしたが、その後ハーバートが事故で亡くなり、最終的に2人は一緒になることを決めるのです。

ゴールデンライラック (小学館文庫)

萩尾 望都
小学館

「ハチクロ」の登場人物は、この『ゴールデンライラック』の登場人物と対応していて、はぐみはヴィー、竹本はビリー、そしてハーバートは修司を表しています。羽海野は、時間はかかるものの、最後にははぐみと竹本が結ばれる運命にあるということを、萩尾との対談で語っていました。

しかし、作中ではそこまでは描かれておらず、「続きは『ゴールデンライラック』を読んでください」というのが羽海野の姿勢なのです。気になった方は、ぜひそちらもご覧ください。

4:羽海野チカの理想の人物は炎尾燃先生?

『3月のライオン』のアニメでは、エンドロールで他の漫画家が同作品のイラストを描くのが恒例になっていました。ある回で島本和彦がイラストを描いていたのです。

島本は、『アオイホノオ』や『燃えよペン』などで有名な漫画家。そんな彼の作品には、度々、炎尾燃という漫画家が登場します。

炎尾は、作品がアニメ化するなどの人気漫画家。アシスタントには厳しく、常にラグビーのヘッドギアを装着して赤色のジャージを着ているという強烈なキャラクターです。かなりの熱血漢で、だいたいのことは気合いと根性で乗り切ります。

著者
島本 和彦
出版日
2008-02-05

実は羽海野は、この炎尾の大ファン。島本がイラストを描いたことに対して、彼女はTwitterでこのような感謝のメッセージを贈りました。

どんな大人になったらいいかわからないでいた時、
炎尾先生を見つけて本当に目から鱗がパリーーンってなったんです!
私はこの人になる!って
(「@CHICAUMINO」より引用)

さらに、このようにも綴っています。

私は炎尾燃先生みたいな大人でありたい!と、
燃えよペンを読んだ時雷に打たれました。
私が目指す大人はここだ!と。
(「@CHICAUMINO」より引用)

熱血漢で、どこまでも真っ直ぐ突き進む炎尾燃。発言からもわかるとおり、羽海野は本気で彼を尊敬しているようです。彼女の漫画に対するストイックな姿勢は、もしかしたら彼の影響もあるのかもしれませんね。

羽海野チカのおすすめ短編:「スピカ」

羽海野チカのおすすめ短編:「スピカ」
出典:『スピカ 〜羽海野チカ初期短編集〜』

彼女といえば『3月のライオン』と『ハチミツとクローバー』が有名ですが、初期に描いた短編も、まさに名作。今回は、そのなかからおすすめの作品をご紹介します。

スマホのマンガアプリでは、羽海野の短編集が無料で読めます。そのなかでおすすめなのは、「スピカ」という作品です。

出典:『スピカ 〜羽海野チカ初期短編集〜』

舞台はとある高校。野球部で副部長を務める高崎と、転入生の美園が主人公です。

美園はバレエを習っていますが、受験のためにも辞めるように家族から忠告されています。本人は続けたいと思っていますが、バレエで生計を立てる自信はないので葛藤してしまうのです。

一方、高崎をはじめとした野球部員も、大会で負けたらどうしようという不安にかられていました。

そんなときに、ふとしたきっかけから、高崎と美園は一緒に勉強をすることになります。そうして交流を深めるうちに美園のバレエに対する悩みを知った高崎は、自分の過去を話すのでした。実は彼は、怪我で選手生命を絶たれ、マネージャーとして野球部に関わっていたのです。

彼はプレー以外の面でチームをサポートしたいと思い、勉強や練習の補助をしてきました。そんな過去を聞いた美園は、バレエを好きだという気持ちを見せて親を安心させるためにも、バレエのコンクールに出ることに決めたのでした。

果たして、コンクールはどうなるのでしょうか。そして、高崎との関係は?

少年少女が夢に向かってひたむきに走る様子に心が動かされます。そしてそこで味わう挫折がとてもリアルに描かれているのです。

障害を乗り越えながら、まっすぐに成長していく若さに勇気をもらえるエピソードです。

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羽海野チカのおすすめ短編:「ミドリの仔犬」

もう1つのおすすめ短編は、「ミドリの仔犬」です。

主人公は、キオという少年。彼の亡くなった父は、たくさんの本を遺してくれていました。そのなかでも彼は探偵小説が好きで、妹と一緒に読むのが日課です。小説に登場する、探偵・ロドニーに憧れています。

いつか、彼のような名探偵になりたいと夢見ながら、洋裁をしている母の手伝いをして過ごしていました。

ある日キオは、ヤスダさんという婦人の家に行きました。彼女は飼っていた犬がいなくなってしまい、探偵に捜索を依頼していました。しかし、探偵は気乗りがしない様子。おまけに、安い報酬で、そんな依頼は引き受けたくないとまで言うのです。

探偵は正義の味方だと信じているキオは、この探偵の姿にショックを受けます。そして、彼の代わりに依頼を引き受けることにしたのです。

著者
羽海野チカ
出版日
2011-07-20

ヤスダさんが探しているのは、「マフ」という名前の緑色の犬。早速山に探しに行ったところ、ボートに乗るヤスダさんを見かけました。そして、つい足を滑らせて、崖から落ちてしまうのです。足に怪我をしている犬を発見。そこで、ヤスダさんの犬を発見することになります。

犬とともに一晩を過ごしたキオ。彼らは、しだいに仲よくなっていきました。そんななか、ある人物が彼らを助けにやってきます。その人物は、ヤスダさんの家で見かけた、あの探偵でした。

なんとなく頼りない印象の彼でしたが、実は重大な仕事を抱えていて……。その仕事に、キオも関わっていくことになるのです。果たして、どんな結末が待ち構えているのでしょうか。

人の欲望について考えさせられる本作。そしてその欲望に負けない、本当に大事なものを感じ取る心についても考えさせられます。

大事なものを見失わない、キノの純粋さがまぶしいエピソードです。

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いかがでしたか?羽海野チカの意外な一面を知れたのではないでしょうか。ぜひこの機会に、彼女の作品をチェックしてみてください。

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