『鈍感力』を鍛えるべき8の理由!仕事や恋愛に役立つ、長所としての力

更新:2019.1.1 作成:2019.1.1

本作はミリオンセラーを達成している、日本人にとても必要なことが書かれている自己啓発書です。この記事では「鈍感力」の説明に始まり、なぜそれが必要なのかを詳しく解説させていただきます。仕事、家庭、人付き合いで、なんかうまくいかない……と感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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『鈍感力』を鍛えるべき8個の理由!内容をネタバレ解説!

 

本作は、人生の教訓が書かれた本です。人生には、辛いこと、悲しいこと、怒られること、失敗することと、あらゆるマイナスのことがつきもの。

そんな人生で、たった1度の失敗で二度と立ち直れなくなる人は、数多く存在します。いくら才能があっても、それを活かす気力がなければ何も意味を成しません。

本作では、そんな人生のマイナスから立ち直るために、人間にはある程度の鈍感力が必要だと述べています。

「鈍感」と聞くと、悪いイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。「鈍臭い人」などに使われる言葉でもあるからです。しかし、この本での「鈍感力」という言葉は、人生を前向きに捉えるための力だと書かれています。

 

著者
渡辺 淳一
出版日
2010-03-19

 

たとえば仕事の失敗をして、AくんとBくんが上司に怒られたとしましょう。

Aくんは、仕事ができて才能もあるのですが、鈍感力がまったくありません。そんな彼が上司に怒られたとなると、プライドは傷つき、家に帰ってからも怒られたことを気にして、次の日には仕事を休んでしまうかもしれません。

1日休んでしまうと次の日も行きにくくなり、2日、3日と休みの日数は増え、そのまま仕事をやめてしまうなんてこともあるのではないでしょうか。

一方Bくんは、仕事の出来は普通ですが、ある程度の鈍感力がある人物です。

彼が上司に怒られたとしましょう。怒られてすぐは、そのことをさすがに気にするかもしれません。しかし、家に帰ったころには自然と忘れることができ、十分な休息を取ることができるでしょう。そして、快適に次の日を迎えることができるため、休まずに仕事をすることができるのです。

そんな、持ち前の鈍感力をひとつの武器として、Bくんはもしかしたら頑張って出世できるかもしれません。こういった力は仕事にも、さらにプライベートの人間関係などにも必要な力であると紹介されているのです。

本作は100万部を超える大ベストセラーとなり、「鈍感力」という言葉は、2007年の新語・流行語大賞のトップテンにも入りました。

 

作者・渡辺 淳一を紹介!『失楽園』で有名

 

『失楽園』の著者としても有名な渡辺淳一は、北海道で生まれ、札幌医科大学医学部を卒業しています。1933年10月24日生まれ。

2014年に、前立腺癌のため80歳で亡くなりました。

 

著者
ミルトン
出版日
1981-01-16

 

彼は札幌医科大学医学部を卒業後、医業と並行して、北海道の同人誌の執筆をおこないます。そんななかで1969年に『小説・心臓移植』を発表し、小説家としてデビュー。代表作には、『失楽園』『愛の流刑地』『別れぬ理由』などがあります。

初期は、医学部で学んだ経験を活かした医療ものの小説を多く執筆しますが、その後は『失楽園』で知られるように、官能的な性描写を含んだロマンス小説を執筆。これが高い人気を得ました。また、この他にも『鈍感力』をはじめとしたエッセイも人気です。

 

著者
川上 未映子
出版日
2018-06-28

彼の死後の2015年には、集英社が「渡辺淳一文学賞」を創設。第1回目の受賞作品は、川上未映子の『あこがれ』でした。

数々の名作を残した作家・渡辺淳一。そんな彼の人となり、そして世界観を知るためにも、『鈍感力』を読んでみると面白いかもしれません。

『鈍感力』が売れた理由を解説!日本人は敏感?

 

本作は、なぜここまで売れたのでしょうか。

その大きな理由の1つとして、日本人がそもそも敏感であるということが考えられます。歴史的背景から、日本は長い間、村社会を形成してきました。そのため日本人の気質として、周りの人を気にするという性質が備わってしまっているのは必然なのかもしれません。

その日本人の気質は今でも十分に残っており、その結果、群れることを好みます。仕事、プライベートに関係なく、あらゆるところで自分の所属グループを作るのです。そして、そこにはやはり、相互監視のシステムが働きます。
 

村社会という環境のなか、ある意味自由ではない日本人は、周りに敏感になることで足並みを揃えて生活してきたのかもしれません。しかし、現代はグローバルな世の中です。日本に住んでいても、外国の人と自由に交流することができますし、多種多様な生き方が存在します。

いろいろな文化に触れ、日本人の価値観に変化が起こり、昔からある村社会のシステムに多くの日本人が疲れてきているのではないでしょうか。その結果、社会が変化していっているにも関わらず相変わらず相手の顔を窺ってしまい、そのせいで気疲れしてしまうのでしょう。

それがさらに酷くなると、うつ病などの精神病を引き起こしてしまうことにも繋がるのです。

そうしたなかで、真逆の「鈍感」という言葉に惹かれ、人々が思わず『鈍感力』の本を手にとったのではないでしょうか。そして、このあとから、さらに詳しく本作の売れた理由、見所についてご紹介していきます。

 

理由1:ストレスに強くなる!

 

「鈍感力」を手に入れると、ストレスに強くなることができます。もしくは、ストレスを感じにくくなるのです。現代は、ストレス社会。仕事、家庭、人間関係……たとえ小さい子どもでも、ストレスと戦いながら日々生活をしています。

ストレスは、なぜ生まれるのか。その理由は実にシンプルで、その人がそれをストレスと感じてしまうからです。

たとえば、仕事で上司に嫌味を言われたとしましょう。Aさんはその嫌味を正面から受け止めてしまい、嫌われてしまった、もうよい関係は築けないと考え、ひどく落ち込んでしまいます。

しかし、鈍感力のあるBさんは、同じ嫌味を言われたとしてもあまり気にしないし、楽観的に捉えることができるかもしれません。

鈍感力のあるなしでは、たとえ同じ事象であっても、プラスとマイナスで大きな差が生まれてしまいます。それが日々積もりに積もっていけば、Aさんはストレスで体調を崩して会社に行けなくなってしまうかもしれません。一方でBさんは気にしないので、普段通りの生活を送っていけることでしょう。

 

理由2:心が健康になる!

 

仕事で「うつ病」になった……最近あらゆるところで目にすることが多くなった言葉ですね。「うつ病」という言葉が一般的になってきたように、最近ではメンタルが傷つき、病気になってしまう人が後を絶ちません。真面目な人ほど、この傾向が強いといわれています。

うつ病は、ある意味人間の防衛本能です。他の攻撃から自分を守る力が働くため、病気になってしまいます。そして、そのことを攻撃と感じることは、その人がそれほど敏感だということです。

真面目に生きてきて、何も人に恥じることをしていないのに、なんで自分だけこんな目に合うんだと思ってしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし、そんななかでも鈍感力を高めることで、攻撃を攻撃と感じることがなくなるため、そもそものストレスを抱えることがなくなります。

職場の人間関係、お客様からのクレーム、恋人からの嫌味、姑からの妬みなど、すべての攻撃に対して、意図的受け流すことがとても重要です。鈍感力で受け流すことによって、仕事も、恋愛などのプライベートも、より自分らしく生きられるのではないでしょうか。

 

理由3:体も健康になる!

 

「病は気から」という言葉があるように、体調は心から蝕まれていくことが多くあります。つまり、精神状態が悪くなることによって、食べられない、寝られないなどといった事態を引き起こし、その結果あらゆる病気の原因になってしまう場合があるのです。

そんななかで、鈍感力を高めることができれば心が健康になるため、結果として体も健康になることが期待できます。

『鈍感力』では、ガンにの予防から治療まで、大切なのはすべて鈍感力だと述べられています。そして、鈍感力がある人は、そもそもガンになる確率が低いとも書かれているのです。その他にも、血液の流れがよくなるなどに効果も見込めるそう。

よく、笑うことは病気を治すのに効果的だといわれますが、同じように鈍感力、ポジティブに考えることは効果的なのですね。医学部を卒業して医業に関わった経験のある作者が書くからこそ、非常に説得力が感じられます。

 

理由4:鈍感力がある人は出世しやすい!?

 

鈍感力は、もはや社会を生き抜くための必須能力であるといっても過言ではありません。

仕事ができる人ほど、鈍感力を持っています。どれだけ仕事ができる人であっても、失敗したことがない人はいないでしょう。失敗のたびに落ち込んでいては、仕事のパフォーマンスに影響が出ます。

本当に仕事ができる人は、たとえ仕事上で失敗したとしても、反省はするが落ち込まず、うまく気持ちを切り替えて、次の日も最高のパフォーマンスを発揮することができるでしょう。これが鈍感力です。

あらゆる挫折を自分の成長とするためにも、鈍感力を自分のものとすることが必要なのかもしれません。社会でトップに立つ経営者は、この鈍感力を備えているといっても過言ではないでしょう。

 

理由5:鈍感力で人付き合いも快適に!

社会に出ると意図していない人たちと、意図しない付き合いを強要される場面が数多く存在しますよね。たとえば女性の妬み、嫉妬のあらわれのひとつとして、メディアで取り上げるひとつに「ママ友」があります。

ドラマなどでよく言われるように本当の友達であるママ友は、なかなか見かけることができないかもしれません。ママ友のなかには、こども同士が仲良くなってしまったため親同士も仲良くしなければいけなくなる、といった義務感からなる関係も多いのではないでしょうか。

そうすると気が合わない相手ということで、あまりよいコミュニケーションをとるのが難しいかもしれません。そして自分を引き上げてくれるため以外の苦言は、ただのその人のストレス発散でしかありません。そんな言葉にいちいち傷ついてしまっていたら、心がいくつあっても持たないでしょう。

そんな時にも、やはり鈍感力が必要となります。鈍感力を備えてさえいれば、仕事でも、家庭でも、そしてママ友関係でも、不必要な嫌な思いに頭を悩ませなくても済むのかもしれません。

理由6:鈍感力がある人はモテる!?

 

鈍感力のある人は、別の視点で考えると、寛容であると表現することができます。つまり心が広いのです。

心が広い人は、いつも余裕を感じさせてくれます。余裕がある人と一緒にいても、ケンカになる確率は低いでしょう。たとえミスをしたり、やんちゃなことをしてしまっても、いつも笑顔で受け止めてくれるかもしれません。

そんな態度に甘えてばかりいると自分の成長は望めませんが、不必要な言い争いはなくなる可能性が高そうですね。だからこそ、鈍感力がある人は魅力があり、モテるのではないでしょうか。

彼氏、彼女にするのであれば、鈍感力がある人がおすすめできそうです。

 

理由7:鈍感力は最強!結婚生活も楽しい

 

家庭でも、鈍感力は非常に重要です。

家庭とは、自分が帰るべき場所。そこが常にギクシャクしていると嫌ですよね。自分が何をするにも過敏に反応され、まるでコントロールされている気分だと感じてしまったら、家庭は安心ではなく、ただのストレスを溜める場所になってしまうでしょう。

妻から夫へ、夫から妻への一方的な不満。時には、会社での不満を家に持ち帰ってしまい、理由もなくお互いを責めてしまうときもあるのではないでしょうか。

そんなときにも鈍感力で負の感情をまっすぐに受け止めることなく、受け流して許すことが、家庭円満の秘訣なのかもしれません。

夫婦が幸せに生活するために、そして夫婦と子どもが笑顔で生活するためにも、ある程度の距離感をおいて気にしないと心に決めることも、円満に家庭生活を送るためのポイントでしょう。家族であろうとも、1人の人間同士の付き合い。会社と同様、鈍感力を生かしていきたいところです。

 

理由8:鈍感力は子育てにも役立つ!

 

鈍感力は、子育てにも役立てることができます。

子どもを親のいいなりに育てても、親にとっては「いい子」に見えるかもしれません。実は子どもには隠れたストレスが蓄積されており、大人になってから爆発……なんてことにもなりかねないのです。

鈍感力がない子どもの親が常にストレスフルな状態であったら、その子どもはどんな風に育ってしまうでしょうか。常に親の機嫌を気にし、親が怒らないように怒らないようにと、その感情ばかりを考えてしまう人間に育ってしまうかもしれません。

子どもは親を見て育つもの。親が余裕を持った気持ちで自分に接してくれていれば、子ども自身も余裕を持つことができ、苦手なことにも躊躇せずにチャレンジできるかもしれません。たとえ失敗しても、親が怒らないで応援してくれているとわかれば、ストレスを溜めずに成長していけるのではないでしょうか。

また、鈍感力は親自身がストレスと溜めないためにも最適です。たとえば子供が反抗期に入り、親に対して暴言を吐いてくる、なんてことは多々あるでしょう。その際にそれらをいちいち気にしていたら、かなりのストレスになってしまいます。

そうした時も鈍感力で、反抗期だからこういう時もあるよな、と受け流すことができれば、子育ても快適にこなせるはず。親が鈍感力を高めることで、子育てにもよい影響をおよぼすのではないでしょうか。

 

『鈍感力』まとめ!鈍感力の身につけるコツとは?

 

今までご紹介させていただいた鈍感力ですが、実際にはどうやって身につけていけばよいのでしょうか。この力を身につけることは、何もすべての意見を無視するとか、何に対しても反応しないといったことでは決してありません。それは、ただの「鈍感」であり、「鈍感力」ではないのです。

鈍感力は、あえて鈍感になる、その人自身の力。つまり、言われたこと・されたことに対して深く傷つくのではなく、前向きに捉える力なのです。そうすることで、毎日を快適に、楽しく過ごすことができます。

 

著者
渡辺 淳一
出版日
2007-02-05

 

さらに鈍感力は、自身の成長にも繋がる力であると考えらます。

周りのことばかりを気にして、その空気や感情を読んで、必要な行動を取る。これは自分を疲弊させるだけで、何も成長には繋がりません。

そうしたなかで鈍感力を身に着けることにより、周りに合わせているだけでは意味がないと自分に言い聞かせ、そのうえで不要な情報は受け流して排除できるようになります。

そうすることによって、自分が本当にやりたいことに取り組めますし、自身の成長にも繋げることができるはずです。自主的に動くことによって、それを見ていた上司から思わぬ評価を受けるかもしれません。

もちろん、与えられている・やらなければならない仕事を放り出して、自主的に動くことをよいといっているわけではありません。しかし周りからの視線に敏感になり、空気を読みすぎてやりたいことができないのなら、鈍感力をうまく身につける必要があると考えられるのです。

仕事・恋愛・子育て……あらゆることで、鈍感力は大切なものとなってきます。心身ともに健康な体を手に入れるため、そして人生をより楽しく快適なものにするため、ぜひ本作を読んで鈍感を身につけましょう。

 

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    書店員をはじめ、さまざまな本好きのコンシェルジュに、「ひらめき」というお題で本を紹介していただきます。