『怪物王女』の見どころを最終回までネタバレ紹介!怪物たちの王位継承バトル

更新:2021.12.1

気の弱い高校生のヒロは、交通事故で死んだことをきっかけに、怪物の王の娘の家来となることになりました。王族の血を飲んで半不死となった彼と、王女の絆、人狼・吸血鬼・人造人間などを巻き込んでおこなわれる王位継承戦の行方……それらを描いた『怪物王女』の見所を紹介していきます。

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『怪物王女』が面白い!あらすじをざっくりご紹介

 

中学生のヒロは、引越し早々交通事故に遭い、その命を落としてしまいます。しかし、怪物の王の娘という姫の血を与えられたことで、定期的に血をもらえれば殺されても死なない、半不死の「血の戦士」となることに。

そんな彼は、このことをきっかけに、次期怪物の王を決める王位継承戦に巻き込まれていくこととなるのです。

 

著者
光永 康則
出版日
2006-01-23

 

さまざまな刺客と対峙し、人狼・吸血鬼などの仲間が増え、ヒロも血の戦士としての潜在能力を開花させていきます。

そして戦いを重ねていくなかで、王位継承の本当の意味を知っていくようになるのでした。

 

『怪物王女』の見どころをネタバレ①:王位継承の行方は?

 

『怪物王女』は、さまざまな土地で起こる怪異をテーマにしているものの、ストーリーの主題となるのは、怪物の王族たちの王位継承戦。次期王となるため、兄弟姉妹で命の奪い合いをし、ときには共闘・休戦をしながら、最後の1人になるまで優劣を争うのです。

物語がスタートした時点では、主人公である王女・姫の4人の兄と1人の姉、1人の妹は存命でした。そのなかで妹・シャーウッドとは早々に同盟を組みます。そして4番目の兄・エミールは、不要な争いはしない心優しい人物で、敵として立ちふさがることはありません。

 

出典:『怪物王女』2巻

姫に、自身が殺した飼い猫と同じ名前をつけた5番目の兄・セブランは早い段階で命を落としたため、残りの敵はもっとも厄介だと思われる1番目の兄・デュケーンと、非道ではないものの王になるため邁進する2番目の兄・ギリアム、そして幼少期より何かと意地悪をくり返していた本心がわからない姉・シルヴィアに絞られることになるのです。

姫にとって特に厄介だったのは、シルヴィアかもしれませんね。自身を兄弟の長男だと偽っていたデュケーンことフランケーンと、その暗躍者・フヒトも厄介ですが、シルヴィアは外堀から埋める形でじわじわと姫を追い詰めていくのです。

彼女を見下しているのか、王座に心底興味があるのか……本当は姫をどう思っていたのか、まったくその思惑がわからないシルヴィアとの対決は見所ですね。
 

このような状況のなかで、最後に勝利を収めるのは果たして誰なのでしょうか。

『怪物王女』の見どころをネタバレ②:姫とヒロの絆に心揺さぶられる!

 

本作は、王族の王位継承の物語であると同時に、ヒロの成長と、姫との絆の話でもあります。

王族が自らの血を与え、血の戦士とするのは、戦士として非常に優秀な相手のみ。ひ弱で平凡で取り柄もほぼない、通りすがりの少年がなれるようなものでは、本来ないのです。

もちろん、姫がヒロに血を与えたのには理由があり、それはシルヴィアとの最終局面で明かされるのですが、たとえどんな始まりで、血の戦士が主人を守ろうとするのが本能だとしても、そこには確かに情がありました。

 

出典:『怪物王女』1巻

姫は、1度すべての血の戦士を失っています。そして、そんななかで唯一となったヒロを大切に想う気持ちがあったのです。そしてヒロにも、過酷な状況で、この運命のなかで1人になりそうな姫を守りたいという想いがあったのでした。

最初は、姫のヒロに対する想いは、過去の部下たちへの贖罪だったかもしれません。一方ヒロの姫に対する想いは、血の契約による本能に近かったでしょう。

しかし、互いにさまざまな戦況をくぐり抜けていくなかで、「血の戦士」「主人」というだけではなく、「ヒロ」「姫」という個人に対する情も芽生えていったのです。

ヒロの、姫のために自分のすべてをかけようとした最終決戦の姿は、確固たる絆がうかがえて胸打つものがあります。

『怪物王女』の見どころをネタバレ③:胸を打つ数々の名言!

 

本作には人間、吸血鬼、人狼、怪物の王族など、さまざまな種族が登場しますが、それぞれが種族としての信念を抱えており、それを踏まえたうえでの名言というのも多く登場します。そのなかでも、人狼・リザに対する姫のこの発言は、なかなかな名言ではないでしょうか。

戦場で死ぬは戦士として最高の誉れ――‥‥ 名誉の死だ
それをお前は汚した 謀殺されたと‥‥不名誉な死に方をしたと言い張った
(『怪物王女』1巻より引用)

戦士としての、義とプライドが強い人狼の性質を理解したこのセリフは、今後「人狼の死」に関して大前提となるため、ぜひ覚えておきたい言葉です。

リザが人質に取られていることを言わず、正面から姫に挑んで負け、最後はその非礼を謝罪したリザの兄・ロボ。人狼としての義、姫に対する義を貫いた彼の死を、リザは不名誉と決めつけてしまいます。
 

そんな彼女に対し、人狼の性、ロボの想いを汲み取った姫のこの言葉は、戦士としての生きざまを肯定したもので、ロボにとってこれ以上嬉しいことはなかったのではないでしょうか。違う種族から自分達の生きざまを受け入れらること自体、人狼たちにとって嬉しいことですよね。

他にも、ヒロが初めて本格的な覚醒を見せたときのセリフも、名言ではないでしょうか。

僕の命は姫に差し出すためだけにあるんだ
(『怪物王女』9巻より引用)

ただ盾になるのではなく、ともに闘い、姫の生きる道を作り出すのが自身の役目だという言葉。彼の固い意志が感じられますよね。また、この言葉に共通する形で、最終話でのヒロのこの言葉も名言です。

僕が君をずっと護るから
(『怪物王女』20巻より引用)

彼の、姫に対する強い意志が感じられます。これに対する姫の応えは、彼女らしさのある非常に印象深いもの。彼らの揺るがない絆を思わせるこのやりとりはグッとくるものがあるので、ぜひ本編で確認してみてください。

 

『怪物王女』の見どころをネタバレ④:最終回はまさかの展開!オールスター勢揃いで感動の結末!

 

シルヴィアとの最終決戦で、互いの力をぶつけ合い相殺することを選んだ姫。この日を境に、姫もシルヴィアも姿を消してしまうことになるのです。

残されたヒロと、彼の姉でメイドの紗和々は、別の屋敷で働くため引っ越すことになります。そして、人狼のリザは放浪の旅に出ることに、吸血鬼の令裡の屋敷を離れ、人造人間のフランドル、シャーウッドは怪物の王国へと帰ることになりました。
 

ヒロの炎の戦士としての能力が失われていないこと、王位継承戦が終わっても、まだ怪物たちは活発に活動していることを表現した最終話。残ったものはあるものの、失ったもののほうが大きいこと感じさせる展開に、どこか寂しさを覚えます。

紗和々とヒロは、次にお世話になる屋敷へと引っ越すのですが、そこにはなんと、ずっと一緒に過ごしてきたリザ、令裡、フランドルが勢ぞろいしていたのです。

そして、姫は……。

 

著者
光永 康則
出版日
2013-04-09

 

戦いの末に多くの命が失われましたが、その結末は希望を感じさせるものとなっています。それぞれがそれぞれの「生きる道」を決めた最終話は、物語最後としては非常によい終わりなのではないでしょうか。ぜひ、彼らのこれからを見届けてみてください。
 

 

『怪物王女ナイトメア』もおすすめ!魅力を少しご紹介!【ネタバレ注意】

 

綺麗な終わりを迎えた『怪物王女』ですが、実は第2弾が存在します。それが『怪物王女ナイトメア』。『怪物王女』の続編のような気もしてしまいますが、本作は続編とは少し違った物語となっているのです。

姫の血をもらって目覚めた少年・ヒロは、それまでの記憶を有してしませんでした。同じように部屋の一室にいた姫、人狼のリザも、自身の名前を思い出せずにいたのです。

屋敷をめぐり、吸血鬼の令裡、人造人間のフランドルと合流した3人は、記憶のないまま命を狙われている現状を打開しようと戦うこととなるのでした。

 

著者
光永 康則
出版日
2018-05-09

 

本作の魅力は、なんといっても、もう1度『怪物王女』のようなドキドキでワクワクする話を読めるところ。『怪物王女ナイトメア』の世界は王位継承戦真っただ中で、それぞれが互いのことを覚えていないスタート地点にいる状態になります。

しかも、王位継承権を争っていた兄弟姉妹に変化があり、『怪物王女』とは違う展開になっているのも面白いところ。本作が『怪物王女』のパラレルワールドなのか、前作で書かなかった番外編なのかはわかりませんが、まったく新しい作品と楽しめるのも魅力的なところです。

『怪物王女』が好きだった人には、非常にオススメの作品となっていますよ。

『怪物王女ナイトメア』についてはこちらの記事で紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。

『怪物王女ナイトメア』全巻ネタバレ考察!新シリーズが面白い!【無料】

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気の弱い少年・ヒロは、とある屋敷で記憶のない状態で目覚めました。そして同じく記憶のない怪物の国の王女・姫、人狼・リザ、吸血鬼・令裡とともに、王位継承権争い参加することとなり……。 『怪物王女』から時を経て、完全新シリーズとして4人の新たな戦いを描いた『怪物王女ナイトメア』。スマホのアプリで無料で読める本作の魅力や見所を紹介していきます。

 

怪異、ホラー、グロなどの要素がありながら、どこか温かい気持ちにさせてくれる『怪物王女』。本筋となる話と単発の話がそれぞれ混在し、最終巻まで読んで初めて、作中の時系列や、これまでの話の謎がわかる作品となっています。読むたびに理解度が上がっていく本作は、何度も読み返したい人にもオススメです。

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