高野秀行のおすすめ本5選!世界を旅する「辺境作家」!

更新:2016.11.25 作成:2016.11.25

自称「辺境作家」の高野は、日本社会に合い過ぎる体質だからこそ、海外に目を向けたと言います。今回は、探検部で培われたパワー全開のおすすめ5作をご紹介します!

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三畳間から世界へ飛び出した、作家・高野秀行

高野は、日本のノンフィクション作家であり、翻訳家です。1966年に東京都八王子市で生まれ、早稲田大学第一文学部仏文科を卒業。在学中は探検部に所属し、探検紀をまとめた『幻の怪獣・ムベンベを追え』でデビューしました。

1992〜1993年には、タイ国立チェンマイ大学日本語科、2008〜2009年には上智大学外国語学部で講師を務めます。

自身の執筆作品を含めた「エンターテインメント的なノンフィクション」を、「エンタメ・ノンフ」と命名し、反響を呼びました。2009年1月には「エンタメノンフ文芸部」を結成、闘病記『困ってるひと』がベストセラーとなった、大野更紗のデビューのきっかけを作りました。

公式サイトのプロフィールでは、執筆活動のモットーは、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをして、それを面白おかしく書く」とされています。しかし、本来は、真面目でおとなしく、協調性がある、日本社会に合い過ぎる性質と自己分析されているようです。

1: 三畳一間で繰り広げられる、奇妙な青春日記『ワセダ三畳青春記』

酒飲み書店員大賞受賞作品。著者が、大学時代から11年間を過ごしたアパートでのできごとを綴った作品です。

著者
高野 秀行
出版日


三畳一間、家賃は月1万2千円、ワセダのボロボロアパート・野々村荘に入居した「私」は、奇妙な住人たちと、愉快な大家のおばちゃんに翻弄されることになります。主人公である「私」も、探検部の仲間たちと幻覚植物で人体実験をしてみたり、三味線屋台をはじめて儲けようとしてみたりと、はちゃめちゃで…。

ほのぼの青春日記のような本書には、心温まる善良なエピソードも、厳しく残酷な現実も出てきません。自分が知らない、経験もできないかもしれない、あまりも斬新な他人の生活をのぞくような感覚で読んでみると、本当に楽しめますよ。

2: 東京がトーキョーに見えるトキ『異国トーキョー漂流記』

多国籍の友達を持つ高野が、彼らと過ごす日々を綴る友情物語。自分探しに日本に来たフランス人、大連から来た回転寿司好きの中国人、故郷を追われたイラク人などが登場します。彼らとさまよう「東京」は、「トーキョー」で、「ガイコク」に見えてくるのだとか。

著者
高野 秀行
出版日


本書には、日本に来た外国人の孤独、肩身の狭さ、居心地の悪さが溢れていています。このような状況でも、楽しく快適に生活をし、日本が好きだと言って日本に残る人もいれば、残っていたいけれど出て行かねばならない人もいます。中には、日本に疲れて去ってしまう人も…。切なさを感じずにはいられません。

外国人と日本人がきちんと向き合い、お互いに理解を深められたのなら、日本に来た外国人も日本人も、楽になれるのではないかと思えた1冊でした。知り合いに外国籍の人がいなくても、視野が広まること間違いなしの作品です。

3: 異文化の中で、ごった煮状態?『アジア新聞屋台村』

著者
高野 秀行
出版日
2009-03-19

著者が、台湾人の経営する東京の新聞社に、唯一の日本人編集顧問として務めていた頃の話が、描かれています。

異文化に飛び込んだ高野が経験した驚き、葛藤、そして成長。語り口は軽妙で、随所で笑える部分もありますが、濃厚な内容となっています。

さくっと読めますが、刺激的。ぜひ手に取ってみてくださいね。

4: 実は真面目なミャンマー入門書『ミャンマーの柳生一族』

作り話ではなく、高野が経験した実話が描かれる本作。彼が、探検部の先輩である作家・船戸与一とともに、ミャンマーへ取材旅行に出かけたところ、軍事政権はふたりの行動を疑い、軍情報部を同行させます。情報部とは、江戸幕府や、徳川家のために武芸を指南し、隠密として暗躍していたとされる、柳生一族のようなはずでしたが…。

著者
高野 秀行
出版日
2006-03-17


「ミャンマーってこんな国なんだなあ」と目から鱗が落ちるような、道中記です。軍情報部を柳生一族に、アウンサン将軍は徳川家康に例えるなど、ミャンマーの状況や風土を知れる、非常に面白い作品です。椎名誠が「快怪作」と解説でうなるのも、うなずけます。

文体は魅力的で絶妙なので、読者は飽きさせません。ミャンマーを知るきっかけとしておすすめです。

5: トルコまで未確認生命体を追い駆ける!『怪獣記』

著者
高野 秀行
出版日
2010-08-12

怪しみながらも、謎の巨大生物・ジャナワールの噂を追い、トルコ東部のワン湖まで向かった高野は、真実に切り込む取材をスタートさせていきます。イスラム復興主義や、クルド問題が襲いかかってくるような状況の中、謎の物体が現れて…。高野も周囲も困惑する光景には、思わず笑ってしまいます。

未確認生命体になんか興味がないと言う方も、十分わくわくできて、笑えるオススメの1作!

高野秀行のエッセイは、自分では知ることができないような、面白いできごとに溢れています。はまってしまうと抜け出せなくなる可能性大アリの、高野ワールドをぜひ体感してみてくださいね!