僕のことです。 「来年こそは、きっと、きっと...」と祈っていますが、去年の今頃も同じようなことを祈っていた思い出があります。 人によってですが、時間が比較的あるこの時期に「読み納め」しませんか?
2度目の投稿ですが、コンセプトである「困ったあなたに勧めたい本」が自分の中で思い浮かびません。ピンチ。まぁ、1回目で紹介した本も怪しい感じがしますが。(汗)
話は変わってもう12月も中旬で、2019年を迎えようとしています。 12月は陰暦で師走とよく言われます。由来は「12月になるとお坊さんが各地でお経をあげるために走り回るため」という説が有力らしいです。
お坊さんではありませんが、僕も「12月だけ過ぎていくの早っ!」と薄々感じていました。
こうなると生じる「クリスマスと年末年始をどう過ごすか」問題。対策を急がないと、致命傷は避けられなさそうです。 「人生の夏休み」と称される大学生の癖にお付き合いしてる方もいなければ、数少ない友人は帰省して近くにはいない状況で割と追い詰められてます。 思いつく対応策は、「とりあえず、しばらくTwitterとInstagramはアンインストールする」だけという頼りなさ。
暇な時は本でも読みましょう!
でも、「暇な時間に本を読みたいけど何を読めばいいか分からない」と困っている方向けに紹介していきます。と、無理矢理コンセプトに話を持っていきます。
今回は、「単純に僕が最近読んで面白かったけど、あんまり周りで読んでいる人がいないので、ただただ広めたい本」を紹介します。エゴがすごいとかはなしで。
- 著者
- 村田 沙耶香
- 出版日
- 2018-08-31
この物語は、魔法少女と自称する奈月が小学生の時から始まります。奈月は、少しずつ「魔法」を身に付け、母親や姉からの虐待や容姿の整った大学生塾講師の性暴力を耐えて生活を続けていきます。そんな中、奈月の従弟であり、自身を「ポハピピンポポピア星から来た宇宙人」と疑う由宇と恋人関係になります。しかし、祖父の葬式を行った日に起きた出来事によって、2度と会えない関係になってしまいます。
大人になった奈月は、周りからの圧力から逃れるように、神経質な性格である智臣と「性的な関係を持たない」ことを条件に契約同然な結婚をします。お互いに自由に暮らし、迷惑を掛けずに生活を過ごす奈月と智臣ですが、「子供が出来ない」や「性的関係がない」という理由から周囲の人間の介入が入り、奈月たちの平和な生活は終わりを迎えます。
その後2人は、奈月が小学生の頃よく訪れた田舎に逃げ込み、再び再開した由宇とともに3人で地球人であることを辞め、異星人として生きていくようになります。この異星人達の判断基準は「自分たちにとって、合理的であるかどうか」だけ。しばらくして、3人を追う地球人が見た風景とは……
というストーリーになっています。あまり馴染みのない設定だけに読みにくさを感じるかもしれませんが、普段から使い慣れている言葉が多いので読みやすい小説といえるでしょう。というか、なんでこんな聞き馴染みのある言葉だけなのに、こんな物語が思いつくんだろうと不思議でした。
地球星人を読んだ後、しばらく何も考えられない、言葉が出ない状態でした。感想を言葉にするのが難しいこともありますが、なにより「自分が今まで信じていた常識を破壊された気分」にさせられたことが大きかったです。今まで小説や映画、音楽などに「常識を破壊された」ことは、この地球星人を含めて何回か経験したことがありますが、そのなかでも一番衝撃が大きかったです。
僕が読書や音楽・映画鑑賞を続ける理由は「自分の常識を破壊してくれる作品に出会いたい」というもので、破壊された後にいろいろ考える、その作品について調べる、友人と話すことで、自分の中で何かが再構築されてなんだか自分の世界が少しだけ広がった気がする瞬間が好きです。
そんな疑似体験より直接体験した方が得られるものは多いと頭では分かっているのですが、なかなか止められるものではありませんね。
少し話は逸れてしまいますが、友人に谷崎潤一郎の「痴人の愛」を貸したところ、嘔吐して次の日も何も手に付かなくなる程、衝撃を受けていました。その友人は、あまり本を読まないタイプでしたが、今では1日一冊読んでいます。名作と言われている作品は、人の人生に多少なりとも影響を与えてしまう存在なんだなと思いました。
- 著者
- 谷崎 潤一郎
- 出版日
- 1947-11-12
困シェルジュ
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