頭のいい女性キャラクターが映画には少なすぎると、エイミー・アダムスが主張。話題のSF大作『メッセージ』のルイーズ・バンクス博士役に惹かれた理由を人気女優が会見で明かす。
今年の英ロンドン映画祭で上映され、大きな話題を呼んだSF大作『メッセージ』(2017年日本公開)。卓抜な演技を見せた主演のエイミー・アダムスは早くも、アカデミー賞確実と噂されている。
その理由の一つに、アダムスが今回、卓抜な才能を発揮し、深く掘り下げるに値する知的で複雑なキャラクターを初めてもらったことがある。深みのない平板な役を与えられる度、ハリウッド屈指の名女優は、それだったら別に自分でなくてもいいのでは、とも思っていたという。
実際、アダムスはこの機会にきっぱりと指摘した。たとえ頭のいい人物設定でも、女性キャラクターには大抵その知性を見せる機会がほとんどない。それだけに、そんなハリウッドの主流から外れたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の最新作『メッセージ』は溜飲を下げてくれた。
「脚本に頭のいい女性と書かれていても、知的な発言や行動をする場面は一つもない。そんな映画ばかりだけど、今回の役は知的に振る舞うだけじゃなくて、本当に知的な人でしょう。最高よね」と、アダムスは記者会見で語った。※ベルファスト・テレグラフより
『メッセージ』でアダムスが演じるのは、優秀な言語学者ルイーズ・バンクス。彼女は地球に突然降り立った謎の宇宙船の調査チームに抜擢される。地球外生命体との対話は可能なのか、世界大戦勃発の瀬戸際にいる人類を説得できるのか――地球の存続は彼女の双肩にかかっている。
共演者のジェレミー・レナーはこう言い添える。「僕がこの仕事を受けたのは第一に、エイミー(演じるバンクス博士)の相手役だったからだ。これは彼女にぴったりの役だと思う。実力のある女優に相応しいこういう役がハリウッドには少なすぎる。女性が演じるのはいつでも被害者、何かしらの犠牲者ばかり。でも今回の脚本は違う、知的な女性主人公が描かれている」
アダムスは語る。「彼女はスーパーヒーローであり、世界を救う――素晴らしいことよ。女は強いもの。私の母も姉妹もこの映画のキャラクターそのもの。心の知能が高くて、母なる大地的というか。バンクス博士は深い思いやりがあって、懐が深い。女性と男性との大きな違いは、そういう思いやりの遺伝子の差にあると思う」
『メッセージ』は全米・全英公開中。日本公開は2017年5月の予定。
Photo:(C)WENN / Zeta Image
Text:(C)The Independent / Zeta Image
Translation:Takatsugu Arai
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