岸本葉子のおすすめ書籍5選!がんや介護を赤裸々につづったエッセイが人気

更新:2019.2.14 作成:2019.2.14

がんの闘病や親の介護生活など、自身の体験をまっすぐにつづった飾り気のないエッセイが人気の岸本葉子。100点以上もある著作のなかから、特におすすめの5作をご紹介します。

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岸本葉子とは

 

1961年生まれ、神奈川県出身のエッセイスト岸本葉子。東京大学を卒業後、生命保険会社に勤め、自身の就職体験をつづった『クリスタルはきらいよ』で在職中にデビューしました。

当時はブランド志向の比較的裕福な女子大生が「クリスタル族」と呼ばれていて、「クリスタル族」ではない彼女が挫折をしながらも奮闘する姿が描かれています。多くの共感を呼び、ドラマ化もされました。

保険会社を退職した後は北京の語学学校へ留学。帰国してから本格的に執筆業を始め、100点以上の作品を世に送り出しています。

2001年に虫垂がんと診断され、2003年にはその体験を記した『がんから始まる』を発表。がん克服キャンペーンに参加するなど、さまざまな啓蒙活動もおこなっている人物です。

 

岸本葉子ががん体験を赤裸々に語ったエッセイ『がんから始まる』

 

40歳で突然のがん告知を受けた岸本葉子。本書は、闘病生活を赤裸々につづったエッセイです。

命の重み、当たり前の日常の尊さ、自身の身体を他人にゆだねることへの覚悟などが、彼女ならではの落ち着いた視点で語られていきます。

 

著者
岸本 葉子
出版日

 

手術、再発の不安、死の恐怖と直面しても、岸本の感性は腐りません。がんになっても、病気に支配されるのではなく、人間としての主体性を失わない強さを感じられるでしょう。

文章のトーンは暗くなく、時にはあまりにもあっけらかんとしている描写に笑えることも。前向きな闘病生活の様子は、がんでなくても、困難に直面している読者の胸に響くはずです。

その一方で、タイトルにもあるとおり、がんを宣告されたことは始まりでしかありません。ずっと続く再発と転移の不安と闘いながらも、真剣に対峙していく岸本の生き方を感じられる一冊です。

 

岸本葉子の体当たり俳句入門エッセイ『俳句、はじめました』

 

テレビ番組「NHK俳句」の司会を務めている岸本葉子。本書は、俳句の初心者だったころの体験を記したエッセイです。

句会に参加してみたり、季語の力に驚いたり、仲間の鋭い指摘にドキリとしたりする日々。これから俳句をはじめてみようと思っている方、俳句初心者の方には特におすすめの一冊です。

 

著者
岸本 葉子
出版日
2012-12-25

 

俳句の初心者がどんなことにつまずくのか、その悩みをどう解決したらいいのかなどが、岸本の体験を追う形で具体的に知ることができます。いわゆる「初心者あるある」が満載で、微笑ましく読むことができるでしょう。

独学で俳句を始めた岸本が、自分の実力を知りたいと、冷や汗をかきながらも句会や選評会に参加する様子を見ると、何事にも体当たりで挑戦していく彼女の芯の強さをうかがい知ることができます。

景色をスケッチするように表す言葉の美しさや、論理的な推敲の方法など、そもそも俳句とは何かも学べる一冊です。

 

岸本葉子が老後のことを考える『ちょっと早めの老い支度』

 

迫りくる老いを前に、「モノと収納の話」「住まいと家事の話」「健康と食の話」「人付き合いと防犯の話」「お金と遺言の話」「これからの話」という6つのテーマをつづった作品です。

まだ老人ではないけれど、確実の老いの兆候は感じている50代。見ないふりをするのでなく、きちんと考えたいと岸本は語ります。

 

著者
岸本 葉子
出版日
2015-11-25

 

岸本葉子は、30代、40代とそれぞれの年代で感じたことをエッセイにしてきました。50代になり、ついに老いの話題です。岸本はすでに世に出ている老後関連の本を読み、「早すぎる」と感じたそうで、では 今やるべきことは何なのか、どんな準備をすればいいのかを彼女なりに考えてまとめました。

岸本葉子は自由業の単身者で、がんの闘病者でもあり、親の介護もしています。すべてが同じ条件の人は少ないかもしれませんが、 50代で感じる老いをヒントに来たる本番にそなえて準備をするというスタンスは、参考になるでしょう。

気張りすぎず、より楽しく、自分らしい生き方をしていくための心構えを学べる内容です。

 

認知症の親の介護を赤裸々に語ったエッセイ『週末介護』

 

認知症の父親のため、自宅の近くに父のマンションを購入した岸本葉子。親戚たちと協力しながら、5年間の介護生活を送りました。

本書は父親を見送ってから1年が経ち、当時を振り返りながら、今後の自身の老後にも思いをはせたエッセイです。

 

著者
岸本 葉子
出版日
2016-07-16

 

仕事と介護との両立、排泄介助や介護用品のあれこれなどを、自分自身の老後も見据えながら赤裸々に語る内容。また介護そのものはもちろんですが、老いることとはどういうことなのかも考えさせられるでしょう。

岸本葉子の父親は、認知症のなかでも比較的穏やかな症状だったようですが、それでも肉体的な疲労だけでなく精神的に疲弊したことが感じられます。軽快な筆致ではありますが、その内容は重く、介護を経験した人はより共感できるはずです。

 

エッセイのプロ岸本葉子が伝授する文章術『エッセイの書き方』

 

エッセイストとして数多くの作品を発表している岸本葉子。本書は、読み手に「へぇー!」と思わせるように書く極意を、惜しげもなく伝授した内容です。

スマホで読まれることも意識しているそうで、現代に知っておくべき文章術だといえるでしょう。

 

著者
岸本 葉子
出版日
2018-08-21

 

まずお手本として掲載されている岸本の文章が面白く、楽しく読み進めることができます。その文章を見ながら、読ませる文章を書くにあたってのノウハウを実際にどういかしているのか、具体的に学べる校正です。

インターネットが普及したことにより、個人の書いた文章を不特定多数の人に発表できる機会が増えました。エッセイストやライターを目指しているわけではなくても、自分の文章を効果的に他人に届ける文章術を学ぶことは、多くの人にとって必要なことでしょう。

わかりやすい解説で、初心者の方におすすめの一冊です。