寝ても覚めても「ジョジョ」が好き。ジョジョとの出会いに、日々感謝。そんな気持ちを常に胸に抱えた筆者からすると、ぜひ皆さんに「ジョジョ」を読んでいただきたい!でも、実際はあまりにも量が多すぎて、読み始めるには勇気がいるもの。 読みたいけどな〜、と悩んでいる、そこのあなた。まずは第3部「スターダストクルセイダース」から始めましょう。
「ジョジョ」との出会いは、小学生に上がるか、上がらないかの頃。父親がジャンプ読者だった私の家には、『ドラゴンボール』『リングにかけろ』など多くの漫画があったのですが、そのなかで幼い私がなんとなく手に取ったのが、『ジョジョの奇妙な冒険』17巻でした。
ちなみに第3部「スターダストクルセイダース」は、以下の画像、12巻からスタートします。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
今思うと、「ジョジョ」デビュー早すぎるだろ〜、と思うのですが、ここがまさに運命の分かれ道。この時の決断によって、私は筋金入りのジョジョラーになったのでした。
おかげで私は、「そこにシビれる!あこがれるゥ!」も「だが断る」も日常的に使いたくなってしまうという、そこそこ痛い大人に成長したのです。
ちなみに、なんで最初に「ジョジョ」の17巻を手に取ったかというと、その表紙に惹かれたから。鮮やかなエメラルドグリーンをベースとした背景に、キャラクターたちが並ぶそのさまがかっこよくて、思わずページをめくったのでした。
やっぱり「ジョジョ」は、漫画としてもだけど、芸術としても最高だよね!
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
ここをスタートにした私は、ある衝撃的な話に出会います。それはデス13 VS 花京院の戦いです。デス13とは夢のなかで攻撃してくるスタンドで、その本体は、なんと赤ん坊!これがなかなかの曲者なのです。
トラウマ級の内容。子供なら、怖くて夜に寝付けないかも……しかし、私はこの話にまんまと惹きつけられました。不気味だけど美しい世界。アクロバティックなバトルシーン。肉体だけでなく戦略も必要とされる真剣勝負。すべてが衝撃でした。
その当時、まだ完璧に文字の意味はわからなかったはずですが、その絵だけでもわかる圧倒的な迫力に魅了され、私はジョジョラーとしてのキャリアをスタートさせたのです。
そんな私が、なぜ「ジョジョ」の読み始めを第3部からおすすめするのか?もちろん自分の「ジョジョ」との出会いがここからだったからというのは大きいですが、他にも具体的な理由があります。
まず、「ジョジョ」において重要となってくる「スタンド」の存在。これは本体の守護霊のようなもので、さまざまな能力・強さを持ったものがいます。このスタンドが登場するのが、何を言おう、この第3部からなのです。
ここからの登場になるということは、もちろんスタンドというものに関する説明が物語を追うごとに懇切丁寧に書かれているということ。第4部以降になると、スタンドはあって当たり前になってしまうので、スタンドそのものに関する説明が入ることはありません。そういった意味でも、非常に初心者向けなのです。
ちなみに、以下の画像29巻は、「ジョジョ」第4部スタートの巻。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
そして、第3部は理解しやすいというのも特徴。スタンドの能力は、最近の作品になればなるほど複雑化しています。よく読み込まなければ、なかなか理解できないものも多いのです。
そんななかで、第3部はわかりやすい能力(アヴドゥルのマジシャンズレッドは炎を操る、イギーのザ・フールは砂を操るなど)がほとんど。混乱することも、きっとないでしょう。
現在連載中の『ジョジョリオン』ももちろん最高ですが、ストーリーもスタンドもけっこう複雑化しているので、ここから読み始めるのよりは遡って第3部から手を出すことをおすすめします。
この意見、ごもっともです。私も大概の作品に関しては、順番を入れ替えて途中から読むなんて、邪道中の邪道だと思います。
しかし、「ジョジョ」に関しては別!第3部から読み始めても圧倒的に面白い!と、堂々と宣言させていただきます。
すべての始まりとなる第1部は、第3部で登場するジョセフの祖父・ジョナサンが主人公。そしてラスボスは、なんと第3部でもラスボスとなっていた、あのディオなのです。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
第3部ではジョセフの口から、「ディオの首から下はジョナサンの体だ」ということが語られます。第1部では、そうなった経緯、ディオという存在、そして彼とジョースター家の因縁を知ることができるのです。つまり、第3部から読み始めた人にとっては、エピソード0として楽しめるということ。
ジョースター家とディオの因縁→ジョナサンの孫・ジョセフによって語られるディオの存在→打倒ディオ!という正当な流れはもちろん最高ですが、ジョナサンの孫・ジョセフによって語られるディオの存在→打倒ディオ!→こうなった理由には、こんなドラマがあった……!!も間違いなく最高なのです。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1988-08-01
そして第2部は、先ほどから散々登場しているジョセフが主人公になります。第3部で見る彼は初老ですが、ここでは第3部の主人公・承太郎と変わらないくらいの年齢の、非常に若々しい姿を見せてくれるのです。
最初に第3部を読んだ人にとっては、そのエネルギッシュな若さに驚くはず。本来は第2部を先に読むことによって、第3部を読んだ時に「ジョセフ、年とったなぁ……」と思うところですが、逆にすると「若い!かっこいい!!」と、きっと感動することでしょう(もちろん初老のジョセフも「お茶目なおじさん、色気もあってかわいいわ……」と、魅力満載です)。
ちなみに彼は第4部にも登場するので、非常に息の長いキャラクター。作品のムードメーカー的存在にもなっています。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1992-08-01
その独特の絵や表現で「ジョジョ」はジャンプ漫画のなかで異端だと思われている人もいらっしゃるかもしれませんが、実は超王道。バトル、友情、熱血、出会い、別れ……それらのものが余すとこなく詰め込まれています。
そこに加えて深く描かれているのは、命について。私たち読者は作品をとおして、生きる意味などを非常に考えさせられるのです。
「ジョジョ」で徹底的に描かれているのは「人間賛歌」。主人公たちはもちろんですが、敵たちも自分の生を全うしようと、そのために全力で生きています。
ディオは「恐怖を克服することが生きること」だと言い、第4部のラスボス・吉良吉影は「ただ静かに暮らしたい」と言いました。彼らはそういった「生きる姿勢」を貫くために、結果的に人を殺していきます。これが正しいことだとは言いませんが、彼らの姿勢は間違いなく「人間賛歌」を表したものでしょう。
「ジョジョ」の登場人物たちから感じる「生きる」力。それはきっと、他のどんな作品よりも強いのではないだろうか、と私は感じてしまうのです。
ここまで長々と書いて何が言いたいかというと、「みんな、『ジョジョ』読もうぜ!」と、ただそれだけ。ジャンプ系王道バトル漫画が好きな人なら、きっとハマれるはずです。素晴らしき「ジョジョ」の世界に足を踏み入れるため、まずは第3部から読み始めてみてはいかがでしょうか?
「ジョジョ」をどこどの順番で読むべきか紹介した<漫画「ジョジョ」シリーズは何部から読むべき!?おすすめの順番と各部の魅力>もおすすめです。あわせてご覧ください。
気づいたら通常の倍以上の文字数を書いていて、自分でもドン引きです。しかし、それほどまでに「ジョジョ」を愛しているのです。
ちなみに私の初恋相手は、第3部で登場する花京院でした。本気で好きなのに住む世界(漫画と現実)が違うため、一生出会えない……。そう気づいて1人涙したことを、昨日のことのように思い出します。そんな意味でも、思い出深い作品です……。
困シェルジュ
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