『ジョジョの奇妙な冒険』はかつて「週刊少年ジャンプ」で連載され、その後も『ジョジョリオン』のタイトルで「ウルトラジャンプ」で最新作が連載中の荒木飛呂彦の人気作品です。特徴的な絵柄と魅力的な物語で、カルト的な人気を誇っています。面白い漫画なのは確かなのですが、シリーズ通算で100巻を超える長大のシリーズのため、未読の読者にとっては少々手が出しづらいもの……。 そこで今回は、各部の魅力を紹介しつつ、シリーズを読むおすすめの順番をご紹介しましょう。これを機に「ジョジョ」デビューしてみては?下のボタンのアプリから読むことができます!
荒木飛呂彦が描く漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(以下「ジョジョ」)は、今や日本を代表する超有名シリーズ作品です。
クールなセリフのやり取り、知略入り乱れた迫力の戦闘シーンの数々は特に有名です。「スタンド能力」という独特な表現は読者に大きな衝撃をもたらし、130種以上のスタンドによる多彩な能力バトルは、本作の魅力にもなっています。スタンド名に洋楽ネタが多いのも特徴です(「エアロスミス」など)。
アニメ、ゲーム化などのメディアミックスが多数おこなわれていることもあって、作品を読んだことがなくても、断片的な情報やタイトルだけは知っているという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
そんな「ジョジョ」は英国貴族ジョースター家の血筋に連なる主人公たちが、別々の時代、異なる価値観、それぞれの立場で正義の戦いに挑んでいくというあらすじの少年漫画(後に青年誌に移行)。
物語は必ずしも単純な勧善懲悪にはなっておらず、結末には考えさせる部分も多くあり、単純なハッピーエンドになっていないことも人気の理由でしょう。
シリーズ通算販売冊数は約1億冊を超える売り上げを誇っています。2019年3月現在で124巻も出版されている人気漫画です。
しかし、ここまで長く続いていると、いくら面白いと聞いていてもなかなか初心者が手を出すのは難しいと感じてしまうことでしょう。癖のある独特な絵柄も障壁となっているかもしれません。
本作はおよそ10〜20巻前後で一区切りがつき、各部でストーリーが完結していきます。基本的に各部で前後の繋がりは薄く独立しているので、実はどこから読んでも問題はありません。
そこで、初めて「ジョジョ」を読む方に向けて、読みやすいであろう、おすすめの順番をご紹介しましょう。絵柄に関しての苦手意識は、面白さが上回るのですぐに慣れるはずです。
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1番最初におすすめしたいのは第3部です。「ジョジョ」の代名詞であり、能力漫画に多大な影響を与えたスタンド能力が初登場した部でもあります。
スタンドとは超能力を擬人化したもの(人型でないこともありますが)。本体とスタンド能力という設定は、漫画における画期的な発明と言っても過言ではありません。敵の能力に柔軟に対処する頭脳戦要素が持ち込まれたのも、革命的でしょう。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1992-08-01
ジョースター家の血族である空条承太郎(くうじょう じょうたろう)が主人公となって、一族の仇敵・DIOを倒すために、仲間とともにエジプトまで旅をしていきます。 ロードムービー調で場面の転換がわかりやすく、新しい土地で新しい敵が出てくるところが面白いところ。
承太郎のスタープラチナとDIOのザ・ワールド、彼らが雌雄を決する最終決戦でロードローラーが登場したのも有名でしょう。ロードローラーを持ち上げて、そのまま相手を振り落とすなんて攻撃をするのは、やはりDIOだけなのではないでしょうか。
有名といえば、3部にはとある都市伝説があります。敵スタンド使いボインゴの「トト神」は未来予知が可能なのですが、その予知に9.11事件を想起させるものがあり、これが予言だったのではないかと言われているのです。もちろん、ただの偶然ですが。
ストーリー面、アクション面、表現力、どこをとっても1級品。そういった点で、初めての方にはこの第3部がおすすめなのです。
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2番におすすめなのは、第4部です。
こちらは第3部から11年後、日本の地方都市「杜王町」が舞台。承太郎をはじめとして、ジョセフ・ジョースターといった見慣れた3部キャラが再登場し、さらに磨きのかかったスタンド使い同士の知略戦が楽しめます。
日本が舞台ということで、国外の出来事より親しみやすいというのもおすすめの理由。第4部には「日常に潜む恐怖」というテーマがあり、身近に感じられる街で殺人やバトルが展開されるのも面白いところでしょう。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
主人公はジョセフの息子で、承太郎にとっては叔父という奇妙な関係の高校生・東方仗助(ひがしかた じょうすけ)。彼の時代錯誤なリーゼントも、見慣れればかっこよく思えてきます。
この他に荒木自身がモデルとファンから噂される漫画家・岸辺露伴や、スタンド・キラークイーンをもつラスボスで、偏執的殺人鬼・吉良吉影といった個性豊かなキャラクターが魅力的です。
街に潜む殺人鬼である吉良を中心に、その被害者である幽霊の少女などを巻き込んで展開する物語は、他の部にはない親しみを感じさせてくれます。仗助の父親譲りのユニークさも、身近に感じられるポイントでしょう。
露伴や吉良については、彼らを主人公としたスピンオフ漫画もあるので、そちらも見逃せません。
総じて第4部は、キャラのやりとりや、スタンドバトルをさらに楽しめる物語となっています。
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次におすすめなのが、2019年3月現在テレビアニメ版も放送中の、第5部です。
舞台は一転して、イタリアの都市・ネアポリス。とある理由からギャングを志すようになった少年、ジョルノ・ジョバァーナが主人公です。 このジョルノはもちろんジョースター家の血筋ですが、なんと3部のラスボス・DIOとも関係しています。
実は、彼はDIOの息子なのです。しかしジョルノはその事実を知ることなく、あまり恵まれない家庭環境で育ったのでした。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
全体的なストーリーはやや陰鬱ですが、キャラクターの造形やファッションに、特に力が入っている部です。登場人物のなかでもパンナコッタ・フーゴのセクシーな出で立ちは、ファンの間でも語り草となっています。 また、サブカル界隈で有名な独特のポーズ「ジョジョ立ち」も、この5部から一段と磨きがかかっているのです。
主人公側だけでなく、悪役にもカリスマ的な魅力があるのも特徴。ある意味で共感出来る(または反面教師になる)印象的なキャラクターが多いのです。
主人公チームが組織を裏切り、中盤から一転して逃走しながら反撃していく濃厚なストーリーと、そこでくり広げられる複雑・多様化したスタンドバトルが楽しめるでしょう。
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ここまで順番に部を追っていきましたが、ここで一旦原点に立ち返りたいと思います。4番目におすすめしたいのは、初代ジョジョが登場する第1部です。
ジョースター家とDIOにまつわる因縁の発端が描かれ、後のスタンドにも繋がる「波紋法」が登場する、まさにシリーズの原点。主人公ジョナサン・ジョースターと吸血鬼と化したディオ・ブランドーの、身も凍るような戦いが魅力です。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
波紋とは生命エネルギーを操って、太陽と同じ力を発生させる技術。それを駆使した必殺技「山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)」は、スタンドに勝るとも劣らないかっこよさがあります。
ストーリーの面白さでいえば、次にご紹介する第2部の方が一般受けする面白さですが、時系列やジョースター家の因縁の原点であるため第1部から読んだ方がよいでしょう。シリーズで最も短いため、読むのに時間がかからないというのもおすすめする理由です。
紳士的で硬派、これぞ貴族という人物である主人公・ジョナサンにもぜひ注目してください。彼と恋人・エリナの関係も丁寧に描かれており、他の部にはない恋愛要素も楽しむことができます。
第1部「ファントムブラッド」については以下の記事で詳しく解説しています。
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第1部「ファントムブラッド」をネタバレ解説!
『ジョジョの奇妙な冒険』は今でもシリーズの連載が続く、日本を代表する漫画です。 今回はその第1部、19世紀のイギリスを舞台としてくり広げられる、波紋の戦士と吸血鬼との暗闘「ファントムブラッド」をご紹介。ジョジョとディオ。100年以上続く血の宿命の始まりです。
こちらは引き続き波紋がメインで、スタンドは登場しませんが、ストーリーが抜群に面白いのが特徴。
物語は、第1部から50年後のアメリカで始まります。主人公はジョナサンの孫・ジョセフ。先述したように、後に3部、4部にも登場することとなる非常に息の長いキャラクターです。
英国紳士だったジョナサンとは違い、軽いノリの現代人らしい青年ですが、シリーズの全主人公と比べてもジョセフより優れた策略家はいません。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1988-08-01
2部での敵は、古代から蘇った「柱の男」と呼ばれる者達。彼らは第1部の強敵だった吸血鬼を「捕食する」という、超越的種族です。ジョセフがいかにして彼らと立ち向かっていくのかが最大の魅力であり、見所でしょう。
このジョセフはシリーズでもかなり異色で、姑息な手や嘘を平気でつき、硬軟織り交ぜて立ち回る型破りな主人公でした。波紋だけでなく銃火器やボウガン、クラッカーをも巧みに操ります。
また準主人公格であるシーザー・ツェペリとのアツい友情も見逃せません。波紋の師匠・リサリサに鉄塔で課せられた過酷な試練どを経て、2人が急速に成長し、友情を育んでいくのもおすすめポイント。
最初はある事情から衝突し合っていた2人が、お互いのことを徐々に認め合っていくさまは、非常に感動的なシーンとなっているのです。
第2部「戦闘潮流」については以下の記事で詳しく解説しています。
『ジョジョの奇妙な冒険』第2部「戦闘潮流」をネタバレ解説!隠れた面白さをご紹介
2021年現在、第8部『ジョジョリオン』が連載されている『ジョジョの奇妙な冒険』。どの部も面白いものの、フォーカスが当たるのは派手なスタンドバトルが見られる第3部以降になりがちです。 今回はスタンドではない波紋バトルがもっとも楽しめて、キャラも台詞も熱い第2部「戦闘潮流」についてご紹介。「ジョジョ」に長らく登場する、ジョセフ・ジョースターが主人公です。下のボタンのアプリから読むことができます。
こちらは「ジョジョ」シリーズの重要な転換点となった部です。
主人公は初の女性ジョースター、空条徐倫(くうじょう じょりーん)。彼女は3部および4部に登場した空条承太郎の娘です。
主な舞台となるのはアメリカの犯罪者収容施設、G.D.st刑務所。なんと彼女は無実にも関わらず罪を着せられて、服役囚となってしまったのでした。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
徐倫はこの部のラスボス、エンリコ・プッチ神父の計画によって捕らえられます。その敵の目的は、父・承太郎の能力を奪うことでした。徐倫は承太郎の能力を取り返し、父を目覚めさせ、そして刑務所から脱獄するために戦っていくことになります。
彼女のスタンドであるストーン・フリーより、仲間のスタンド、ウェザー・リポートの方が強力というのも特徴。ウェザー・リポートはストーリー上でも、非常に重大な役割を果たします。
本作の大きな見所は、徐倫と承太郎の親子関係です。ほとんど家にいることのなかった父の影響もあって、徐倫は非行に走るように。そして父親がいない寂しさを埋めるためにボーイフレンドと交際するも、その交際相手のせいでさらに傷つくことになるのです。
ずっと自分は大切にされていないと思い込んでいた徐倫。しかし、彼女にあるピンチが訪れたのをきっかけに、決してそうではなかったことに気づきます。そこから彼女は父を目覚めさせるために、すべてをかなぐり捨てて敵に挑んでいくことになるのです。
そんな本作のラストバトルですが、なんと宇宙が一巡します。1つの宇宙が終わり、新しい宇宙が誕生するのですが……何が起こったのかは、実際に読んで確認していただいた方がいいでしょう。
1部から長く続いたジョースター家とDIOの間にあった因縁が決着する第6部。親子にスポットサイトが当たった内容は、ジョースター家の血をもっとも深く感じられるものといってよいでしょう。
こちらは、19世紀後半が舞台。簡単にいえば、よく似た並行世界といったところでしょう。
馬を使った、世界最大規模のアメリカ大陸横断レース。主人公ジョニィ・ジョースターとジャイロ・ツェペリの2人が、他の出場選手や国家の陰謀に巻き込まれつつ、総走行距離6000kmの過酷なレースに挑んでいきます。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 2004-05-20
本作の主人公の名前が初代のジョナサンを思わせ、しかも相棒がツェペリ(第1部のキャラ、ウィル・A・ツェペリと同じ)ということもあって、ファンは騒然としました。連載開始時点では「ジョジョ」シリーズとの関係は伏せられていましたが、後に正式に第7部であると明かされた作品です。
驚くべきことに当初はスタンド能力も出てこず、ジョニィやジャイロがスタンドを身に付けるのは後になってからでした。その分、超能力とは違った「鉄球」の技術や、使えるものはなんでも使うテクニカルな攻防が多く見られるのが面白いところでしょう。
並行世界だからこそ可能な懐かしキャラの共演もあり、ある種のオールスター的な盛り上がりが第7部の魅力です。
2011年から「ウルトラジャンプ」で連載されているのが、「ジョジョ」シリーズ最新作となる第8部です。
舞台は日本のM県S市「杜王町」――つまり、4部と同じ街が舞台となっています。この符合に何らかの意味があるのか、あるいは作者・荒木の生まれ育った地域をモチーフとした街だから思い入れがあるため登場させたのか、そのあたりはまだわかっていません。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 2011-12-19
主人公は東方定助(ひがしかた じょうすけ)。漢字こそ違いますが、4部の主人公と同じです。記憶喪失の彼が自分の出自を探りながら、奇妙な敵「岩人間」に立ち向かっていきます。
最新作ではありますが、旧作との関連性を匂わせる設定が多々登場すること、7部に引き続き平行世界の話であることから、シリーズのなかでは最後に読むべきでしょう。かなり複雑な内容となっているので、先の展開を予想しながら物語を読みたい方にとっては、特に楽しめる部となっています。
また、重要人物として吉良吉影が登場するのも見逃せないところ。こちらは漢字も含めて、同姓同名です。本作の鍵を握る重要人物として登場します。
定助はとぼけたキャラですが、それに似合わない鋭い判断力が読んでいて爽快です。まだ完結していないので、今後激化するであろう謎めいた岩人間との戦いが楽しみな部といえるでしょう。
いかがでしたか?「ジョジョ」はもはや1つの漫画作品の枠を越えて、架空の一大叙事詩のようになっています。この面白さをまったく知らないのはもったいないので、この機会にぜひ物語を読み始めてください。