新一年生にとって、小学校はまさに未知の世界。通学にはじまり、授業や友達との関係、トイレなど、期待と同時に不安も感じているでしょう。そしてそれはきっと、親御さんも同じなはず。この記事では、いきいきと学校生活を送れるよう手助けをしてくれる絵本をご紹介していきます。ぜひ親子一緒に読んでみてください。進学祝いのプレゼントにもおすすめです。
まど・みちおが作詞を担当した童謡の「一年生になったら」に、イラストをつけて絵本にした作品です。
3番まである歌詞にあわせ、さまざまな動きをする子どもたちがいきいきと描かれているのが特徴。小学校の楽しそうなイメージをく膨らませてくれるでしょう。
- 著者
- 出版日
- 2011-03-05
親しみやすいタッチと、豊かな表情が魅力的。何より、歌詞になぞらえて100人の子どもを描いたページは圧巻です。
子どもにとって、「100」という数字はとてつもなく大きく感じるものでしょう。しかし本書を読むと、100人に100通りの物語があり、小学校に行ったら、一年生になったらどれだけ楽しいことが待っているのかと想像が膨らむはずです。
新しい環境へ一歩を踏み出すことは勇気がいることですが、歌いながら本書を読めば、新一年生の抱える不安も飛んでいくかもしれません。
小学一年生になったこぐまのくんちゃん。今日は、初めて小学校へと向かいます。
いつもより早く起きて、お母さんと一緒に家を出るくんちゃん。学校に着くとお母さんと別れて自分の席につきますが、上級生の姿を見たとたんに不安になって、逃げだしてしまいました……。
- 著者
- ドロシー・マリノ
- 出版日
新一年生のくんちゃん。楽しみにしていたはずなのに、集団生活や勉強に不安を覚えてしまいます。教室の窓の外からそっと様子をうかがっていると、担任の先生は決して無理強いはせず、優しく招き入れてくれました。
初めての小学校に対する、楽しみな気持ちと不安な気持ちがよく表れた作品でしょう。くんちゃんの頑張る姿を見て、子どもたちも勇気をもらえるはずです。
通学の仕方や朝礼、授業と休み時間、保健室の使い方……小学校で1日どのように過ごすかを描いた、いわばハウツー本のような絵本です。
『ルドルフとイッパイアッテナ』で有名な斉藤洋がユーモアあふれる文章を綴り、漫画家でもある田中六大が独特ながらもかわいらしいイラストを添えています。
- 著者
- ["斉藤 洋", "田中 六大"]
- 出版日
- 2012-02-16
1日の流れがわかるので、子どもにとって未知の世界である小学校へのイメージを膨らませることができるはず。不安な気持ちも払拭できるでしょう。
また本書の特徴は、迷路やクイズ、間違い探しなどをとおして遊びながら学べるようになっていること。細かく書き込まれたイラストを存分に楽しみながら、豆知識を得ることができます。
入学後も、何度も読み込める内容です。
とある小学一年生のクラスの1日を追った、写真で見る絵本です。
生徒たちが登校してくる様子、みんなが下校した後の夜の学校の様子など、入学前にはなかなか知ることのできないことを、写真をとおして明確にイメージすることができるでしょう。
- 著者
- 川島 敏生
- 出版日
- 2010-09-01
作者は、写真家の川島敏生。雑誌や実用書などに参加するかたわら、子ども向けに写真絵本を発行している人物です。
本書ではひとつのクラスをとりあげて、1日の流れを追いながら、生徒たちのやりとりなども含めて学校生活の様子を写し出しています。持ち物や給食の様子など細かい写真もあり、どんな子どもでも興味を抱くポイントがあるはず。
文章は会話調になっていて、読者に語りかけてくれているようです。より明確に小学校生活のイメージを膨らませたい方におすすめです。
入学が待ち遠しくてたまらない小学校ですが、子どもたちにとって最大の難関はトイレかもしれません。
家のものと違うと、使い方がわからずに我慢をしてしまう子も多いんだとか。本書で、トイレにまつわる戸惑いや疑問を解消していきましょう。
- 著者
- 村上 八千世
- 出版日
- 2004-08-01
副題に「うんこのえほん」とあるとおり、学校でうんこをすることが恥ずかしくないこと、我慢してはいけないこと、もしも便器を汚してしまった時にすること……などがかわいらしいイラストとともに描かれています。
また、自宅ではなかなか触れることのない和式トイレの使い方や、授業中にトイレに行きたくなってしまった時の対処法にも言及。
どんな場所でも気持ちよくトイレに行けるように、ぜひ本書で一緒に練習してみてください。
詩人の谷川俊太郎が、新一年生の心境をあたたかい言葉で表した詩集です。雑誌「小学一年生」で連載されて好評を博し、満を持して絵本として発表されました。
初めての学校生活に踏み出す際の期待や不安、すべてが新鮮な学校生活の思い出は、いくつになっても色褪せない大切なもの。大人が読んでも懐かしい気持ちになれる作品です。
- 著者
- 谷川 俊太郎
- 出版日
- 1987-12-10
せんせいが わたしのなまえをよびました
せんせいは わたしのなまえをしってるんだね
せんせいが めがねをはずしてふきました
せんせいは ちょっぴりおとうさんににている(『いちねんせい』より引用)
新一年生にとって、学校生活はきっと毎日が発見と驚きの連続。嬉しい思いも悲しい思いもするでしょう。そんな子どもたちの些細な、それでいて繊細な感情を詩で表現しています。
文字はすべてひらがなで書かれています。詩というと難しくとらえがちですが、純粋に絵本として楽しむのもよいでしょう。ぜひ親子で読みたい一冊です。