日本のみならず海外でも大人気の漫画「ワンピース」。主人公のモンキー・D・ルフィが海賊王になるため仲間と数々の強敵を倒しながらひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を目指し冒険をくり広げていく物語です。 ここでは、仲間思いで人気が高く強い信念と高い志を持つ男気溢れる剣士ロロノア・ゾロの魅力を徹底解説します。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 1997-12-24
圧倒的な強さを誇り、冷静沈着で仲間意識が強いゾロですが、同じ麦わらの一味でもコックのサンジとは仲が悪くいつも張り合っています。
お互い名前では呼ばず、サンジはゾロを「クソ剣士」や「まりもヘッド」などのあだ名をつけ、ゾロはサンジのことを「クソコック」や「エロコック」と呼ぶことも。
また極度の方向音痴で迷子になる事も多く仲間を困らせています。戦いの時に時折見せるバンダナ姿がカッコいいキャラです。
ゾロが初めてワンピースに登場するのは、海軍にはりつけにされている所から。噂を聞きつけたルフィがそこへ行くと、心配した町の女の子がおにぎりを持ってやって来ます。
するとそこに海軍のモーガン大佐の息子ヘルメッポが現れ、罪人に肩入れするなと目の前でそのおにぎりを踏みにじり去っていきます。
悲しみながら女の子が帰った後、ゾロはルフィに砂まみれになったおにぎりを口に入れてくれと頼むのです。そしてそれをむせ返しながら食べ終えると、ルフィにこう伝えるのです。
「あのガキに伝えてくれねえか?
うまかった ごちそうさまでしたってよ」
(『ONE PIECE』1巻より引用)
それを伝えたとき、ゾロが捕えられている理由が判明します。オオカミに襲われそうになっていた少女を助けるため、そのオオカミを斬りつけたからでした。それは、ヘルメッポが飼っていたペットでした。
さらに許せないのが、1ヵ月生き延びたら解放するという言葉を信じてゾロは耐えているのですが、ヘルメッポ約束などなかったかのように3日後に公開処刑すると言い回るのです。
それに激怒したルフィはヘルメッポを殴り飛ばし、ゾロを助け仲間にしようと決めます。そして、なかば強引に了承させるのでした。
その代わりゾロは、俺には世界一の剣豪になる野望がある、それを断念するような事があれば腹を切って詫びろといいます。
それに対しルフィは、海賊王の仲間ならそれくらいなってもらわないと俺が困ると返したのでした。こうしてゾロはルフィの一人目の仲間になります。
仲間でなくても、幼い少女を助けるために自分の身を呈する姿に、男気を感じざるをえないキャラクターです。
ゾロは幼いころから、故郷の町で剣術道場に通っていました。そこには日々修行で切磋琢磨しともに剣豪を目指す道場の娘で幼馴染でもある、くいながいました。
彼女は女の子ながら道場で1番強く、ゾロはいつも勝てず。剣の才能に悔しさを感じていたゾロですが、実はくいなも、いつかは女であるゆえの体格差で彼に負ける時がくると悔しく思っていたのです。
そのことを涙を流しながら話す彼女に、ゾロはどっちが早く世界一の剣豪になれるか競争だと励まします。しかし翌朝、くいなは階段で転んで死んでしまうのです。
くいなへの誓いのエピソードは、第1巻に収録されています。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 1997-12-24
いつか必ずくいなに勝つことを目指していたゾロは、悲しみに暮れます。くいなの分まで強くなり、天国まで届くような世界一の大剣豪になることを誓いました。
そして師範であり、くいなの父親であるコウシロウからくいなの宝物である「和道一文字」を譲り受けます。
月日は流れ、大人になったある日、ゾロの前にくいなと瓜二つの容姿の女性が現れます。名前はたしぎ、敵対する海軍の女性中将です。
ローグタウンで出会った際には、ゾロは別人だと分かりながらも動揺。たしぎの存在が気に入らないなどと悪態をつきパクリ女とアダ名を付けます。
突然くいなにそっくりなたしぎが登場した事で、ファンの間では姉妹説や双子説などが飛び出し、話題になりました。
世界一の剣豪を目指し仲間たちと航海を続けているなかで、敵の手によって麦わらの一味は全員バラバラに別の場所まで飛ばされてしまいます。
ゾロが飛ばされたのはシッケアール王国という場所でした。そこには同じように飛ばされてきた、以前戦った事のある海賊団のペローナもいました。
そして何とその場所は王下七武海の1人で世界最強の剣士ミホークの住処でもありました。今のままでは実力不足だと痛感した一味はおのおの修行をすることを決意します。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2011-02-04
ゾロは宿敵であるミホークにプライドを捨てて土下座し、弟子入りを志願。ミホークに「敵に頭を下げ教えを乞うのは何の為だ」と尋ねられ、「お前を超える為」と答えます。
しかし、ミホークにはゾロのような男がプライドを捨てる時は、誰かのためだと分かっています。もちろん仲間のためであり、ルフィのためです。
それから2年間修行を積み、再び一味は集結します。そこには隻眼、つまり片目になっているゾロの姿がありました。
修行の内容は漫画には描かれていないので分かりませんが、激しい修行をおこなうなかで隻眼になったよう。その経緯も今後気になるところです。
ミホークについて考察した<「ワンピース」ミホークの強さとは?世界最強剣士の七武海解散後の懸賞金を考察!>の記事もおすすめです。
一味のなかでも中心戦力でルフィが信頼を寄せるゾロの武器はもちろん三刀流です。そんなゾロが愛用する刀を紹介します。
先程触れた幼馴染であるくいなの形見として譲り受けた刀。技を繰り出すときに口にくわえるのもこの刀です。
ローグタウンの武器屋で見つけた刀で所有した者は次々に悲運な死を遂げると言われる妖刀です。名前のとおり、鬼徹には初代と二代も存在します。ちなみにこの武器屋で幼馴染のくいなと瓜二つの女海軍たしぎと出会います。
同じくこの武器屋でゾロの男気に惚れた店長のいっぽんマツが自身の家宝であった雪走を譲ってくれました。
エニエス・ロビー編で海軍に破壊された雪走に代わる新しい刀。スリラーバーク編でゾンビ化した剣士のリューマに勝利し譲り受けます。
一本一本に、深い思い入れのあるゾロの刀。それぞれのエピソードを知るだけで、彼がどんな人間かが分かるような気がしますね。
世界一の剣豪になるために鍛錬を積むゾロが三刀流を駆使し繰り出す技は数知れず。その中の一部をご紹介します。
初期の頃から使用している技で両手の刀を交差させ、もう1本を口にくわえながら突進して斬り付けます。由来は食品のおにぎりだそうです。他にも焼鬼斬り(やきおにぎり)、艶美魔夜不眠鬼斬り(えんびまよねずおにぎり)、煉獄鬼斬り(れんごくおにぎり)などの進化版もあります。
両手の刀を回転させながら1本を口にくわえ突進して斬り付けえう技。強化された一大三千大千世界(いちだいさんぜんだいせんせかい)というものもあります。東の海編で初めて使います。
3本の刀を回転しながら斬ることで竜巻を起こし吹き飛ばす技で大人数相手に有効です。強化されたのが黒縄・大龍巻(こくじょう・おおたつまき)です。こちらも東の海編で初披露。過去には戦いの最中、相手に刀を奪われた際に素手でおこなう無刀流・龍巻きを使ったこともあります。
凄まじい気迫により顔を3個持つ鬼神・阿修羅のように見える事から九刀流の名前が付いた技です。九刀流で全ての攻撃を相手にぶつける弌霧銀(いちぶぎん)はエニエス・ロビー編、進化版の回転しながら斬りつける魔九閃(まきゅうせん)はシャボンディ諸島編で初めて使います。
他にも、居合いの構えから2本の刀で斬撃し電車も切り裂いた二刀流・羅生門(らしょうもん)や、自ら生み出した相手の呼吸を読みながら斬撃をおこなう一刀流・獅子歌歌(ししそんそん)、強化版は死・獅子歌歌(し・ししそんそん)などの技もあります。しかし、三刀流ではなくても強さは変わりません。
ゾロの技一覧を紹介した<漫画「ワンピース」ロロノア=ゾロの技一覧!セリフがいちいちカッコいい!>の記事もおすすめです。
決して揺るぐ事のない信念を貫き、そのためなら死ぬことすら恐れないゾロだから言える名言、格言がたくさんあります。普段から口数が多くないからこそ、カッコよく感じる名言、名シーンを紹介します。
東の海編で世界最強の剣士ミホークと初めて顔を合わせ、戦いを挑みますが、世界最強の力の前にまったく歯が立たず敗北を覚悟したゾロ。とどめを刺しにきたミホークの方を向いて放った一言です。
「背中の傷は剣士の恥だ」
(『ONE PIECE』6巻より引用)
ファンの間でも人気の高いセリフです。この時、ミホークはゾロの心意気を認め、いつか自分を倒しに来いと、剣士として応えます。ゾロの生きざまそのもので誇り高き剣士であることが分かる名言です。
そして、ミホークに負けた後にゾロが涙を流しながらルフィに誓った言葉がこちら。
「二度と敗けねェから!!!!
あいつに勝って大剣豪になる日まで
絶対に もう
おれは敗けねェ!!!!」
(『ONE PIECE』6巻より引用)
現時点での圧倒的な力の差を痛感し、自分の弱さを受け入れる姿に胸を打たれます。海賊王に見合う大剣豪になる事を誓う姿に、ルフィとの絆を感じる名シーンです。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 1998-12-03
「礼を言う。おれはまだまだ強くなれる」
(『ワンピース』21巻より引用)
アラバスタ編で秘密犯罪会社バロックワークスのMr.1ことダズ・ボーネスとの戦いの中で、ゾロは瀕死の重傷を負いながらギリギリの所ところで相手を倒します。そのような窮地に追い込まれながらも勝ったことで限界を1つ超えた事に感謝し放った言葉です。
逆境を乗り越える事で今よりも強くなれる、その成長の機会を与えてくれた敵にお礼を言うゾロがどれだけ強さにストイックなのかが分かる名言です。
「……なにも!!!な″かった…!!!」
(ワンピース50巻より引用)
シャボンディ諸島編で、王下七武海の1人で改造人間のバーソロミュー・くまにルフィがとどめを刺されそうになったとき、身代わりを買って出たゾロ。
結果的にくまの能力でルフィの全てのダメージをゾロに与える拷問を受けることになります。その後仲間たちが目を覚ましゾロに何があったのか問いかけに答えとして言った一言です。
仲間のためなら命も惜しまず、壮絶な拷問を受けたことも言わない姿。短いセリフの中にゾロの人間性が詰まった、カッコよすぎる名言です。
「船を 間違えた」(ワンピース61巻より引用)
魚人島編で2年間の修行が終わり、シャボンディ諸島に最初に着いていたゾロが間違えて他の海賊船に乗ってしまいました。船を間違えたという理由で海賊船を真っ二つに斬り、シャボンディ諸島に戻ってきた時に放った一言。
ある意味ゾロらしい行動ですが、海賊船をあっさり斬ってしまうとは……。2年間でどれほどパワーを身に付けたのかが分かるシーンです。
ゾロの魅力は伝わったでしょうか。ゾロ の男気は、何度読んでも胸を震わされます。気になった方はぜひ、手にとってご覧ください。
麦わらの一味については<漫画「ワンピース」麦わら海賊団メンバー一覧!ついにジンベエが加入!?>で紹介しています。あわせてご覧ください。
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