「行動に移せない」困ったさんよ、『描かないマンガ家』を読むだけで良い。

更新:2021.12.2

理想を持つのは簡単だ。だが、それを行動に移すのはかくも難しい。 何も起こせない毎日が、ただただ消費されていく。挙句の果てには、自己嫌悪。 かく言う私も、そんなひとり。 今回ご紹介するのは、そんな「行動に移せない」あなたと私に贈る、この一作。

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遂に掴んだ、「ホンシェルジュ」での連載権!

はじめまして!2019年1月より「ホンシェルジュ」に勤めておりますインターン生の吉野真悟と申します。

別名義は、「吉野シンゴ」。この世を忍ぶ仮の名前で、ブロガーやライターとしての活動をし……実はあともう一つ別の活動をしているのですが、それは絶対に秘密です。秘密結社の代表取繕役社長をしているなんて、口が裂けても言えません。(気になって仕方のない方は、「吉野シンゴ」「-秘密結社ATrACT-」と検索をしてみてください。)

さて、今回から私も「ホンシェルジュ」での連載をさせていただきます。ずーっとやってみたかったんですよね、エッセイ連載!夢が、ひとつ叶いました。 

しかし、この連載権を得るに至るまでの道のりは本当に長く険しいもので、何度も何度も挫折しそうになったものでしたが……諦めなくて良かったなぁ。 

長く険しい試練を経て、ようやっと連載させてもらえることが決定したのは、つい先ほど。 

 

「あのー東海林さん。僕も連載記事を書いてみたいんですけど…」 
「お、書きなよ!」  

このように。「ホンシェルジュ」編集長・東海林さんと交わした、時間にして5秒は下らないであろう激しい連載権交渉合戦を今でも鮮明に思い出します。まるで15分前に起きた出来事かのように。

 

記念すべき第一回目は、「行動に移せない」あなたに。

この連載のテーマは、「沈んだあなたにおすすめの一冊」。悩める人に読んでほしい本を紹介してほしい、とのことで、私は勝利を確信しました。大得意です。だって、いつも悩んで沈んでいましたから、私。

やりたいこと・なりたいもの・こうありたい姿……理想はあるが、なかなか行動には移せない。あーだこーだと悩んでいるうちに。何も生産しない日々が、ただ過ぎていく。そして、自己嫌悪。こんな経験をしている人は、多いのではないでしょうか。

かく言う私も。そんなひとり。

めくるめく自己嫌悪の日々の中で出会った、この本に。私は、少し、救われました。記念すべき連載第一回目は、理想を「行動に移せない」あなたへ贈る、この作品。

口だけ達者で、なーんも行動しないダメ主人公に共感! こんな生き方もアリかも……?

著者
えりちん
出版日
2010-11-29

この物語の主人公・渡辺勇大(P.N.器根田刃)は、人気漫画家になることを夢見ながらにして未だ一回も漫画を描いたことのない「描かないマンガ家」です。漫画を描いたことは一切ないくせに、無駄に凝ったペンネームと無駄に立派なサインを持っています。そんな彼。

彼のスタンスは、「描けない」のではなく「描かない」。「中途半端な作品は世に送り出せない。納得のいく大作ができるまでこの腕は温めておく。」「マンガ家デビューは絶対に最大手から。中小出版社なんて、こちらから願い下げだ。」とまぁ、こんなかんじ。

プライドばっかり大きくなって・言い訳や詭弁を身にまとい・現実から逃げ続け、彼は一向に漫画を描きません。

理想・妄想ばかりが膨らみ、批評されることから逃げているだけの彼なのですが……(根拠と実績が無くとも)自信と漫画愛に満ち溢れた彼の言葉は、図らずも彼の周りの人々を勇気づけ・励まし・突き動かします。まぁ、「想い」だけは誰よりも熱いので。一切、行動には移しませんが。

そんな彼の姿を面白おかしく描いたコメディ漫画『描かないマンガ家』。行動なんかしなくても、夢や理想を持つだけで周りを幸せにできるなら。それも悪くはないのかも……!行動できない自分を、肯定してあげても良いのでは……?

なんて思っていた時期が、私にもありました。

口だけ野郎よ、目を覚ませ。ナシに決まっているだろう。

著者
えりちん
出版日
2014-04-28

物語後半。目を逸らし続けていた「現実」が、じわりじわりと彼を蝕んでいく。

彼が頑なに漫画を描かないその一方で、見下していた仲間たちは少しずつ・でも着実に歩みを進めていました。気が付けば、取り残されたのは自分ひとり……仲間たちから痛いほどに現実を突きつけられた器根田刃は、遂に漫画を────⁉

というわけで、前半のコメディ展開は何処へやら。後半には、見ていられないほどに痛々しい「描かないマンガ家」の姿が描かれていきます。前半で「描かない=行動しない」彼に共感してしまったばっかりに。後半に彼が受けるショックを・ダメージを、読んでいるこっちもモロにくらうワケなんですよね。もう、逃げられません。

さぁ、現実を見よう。どんなに立派な理想を持っていても、やっぱり動き出さないと何も起こらないらしい。動いて、失敗して、失敗して。そうして少しずつ・でも着実に人は成長する。そんな単純で当たり前の事実に、打ちのめされてください。

「行動に移せない」と悩む、そこのあなた。『描かないマンガ家』を読むだけで、動き出さずにはいられなくなりますよ。

実際に……「書かないブロガー」であった私は約一年前にこの本に出会い、打ちのめされ。それからはバリバリと執筆活動に励み、一年間でなんと4本ものブログ記事を書き上げました。私に書く力をくれてありがとう、『描かないマンガ家』。

偉そうなことを書きましたが、私も「行動に移せなかった」ひとりです。こんな記事を書いたからには、私は行動し続けるしかありませんね。これからも一生懸命に頑張ります。 
それではまた再来週、連載第2回目でお会いしましょう!ありがとうございました。

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