ただの変な敵だと思ったら、なんと、その正体は王女様!? 砂の国・アラバスタの一国の王女でありながら、国を守るために必死で活動するビビ。応援せずにはいられない個性を持ったキャラクターです。 そんな、頑張り屋さんで健気な女の子である彼女の魅力を、5つご紹介しましょう。
本名、ネフェルタリ・ビビ。その正体は、砂の王国・アラバスタの王女様です。
王女として国のために奮闘していくことになる彼女ですが、作者によると、初めはそのような設定にする予定はなかったのだそう。
しかし髪を下したら王女様っぽくなったため、アラバスタの王女という話ができたのでした。そんなきっかけで名作と呼び声高いアラバスタ編が生まれたかと思うと、なんとも不思議な感じがしますね。
そんな彼女は12巻から登場します。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2000-02-02
彼女は、父のネフェルタリ・コブラいわく、山のようにくるお見合いの話はすべて断っている様子。コブラは自分の死期が近いことを悟っていて、唯一の娘である彼女に「結婚して跡を継いでほしい」と話しますが、ビビは「結婚する予定は今のところない」とはっきり拒絶。
親の望みであっても自分を曲げない姿勢からもわかるとおり、彼女の意志の強さも、多くのファンを惹き付ける魅力の1つでしょう。
ビビはバロックワークス編からアラバスタ編、その後かなり間を開けて、新世界の世界会議で登場。特に彼女がメインで活躍するアラバスタ編は人気が高く、「エピソード・オブ・アラバスタ」として映画化もされました。この映画はそれまでの作品とは違い、泣ける部分を前面に出したものとなっています。
ちなみに余談ですが、彼女のビブルカード、いわゆるキャラクターカードの番号は13番。これは麦わらの一味、最後の番号です。所属もアラバスタ王国と麦わらの一味で両立しています。
ルフィたちと別れても、やはり彼女は麦わらの一味なのだということが感じられ、ファンにとってはたまらなく嬉しい記述でしょう。
ネフェルタリ家について考察した<【ワンピース】ネフェルタリ家に隠された秘密が⁉︎ ビビの母親から考察!>の記事もおすすめです。気になる方はあわせてご覧ください。
アラバスタの王女様である彼女。しかし、初登場時はそのような立場であると隠している状態でした。しかも彼女は、敵組織バロックワークスのエージェントとして活躍していたのです。その際は、名前をミス・ウェンズデーと偽っていました。
アラバスタを救うため、護衛のイガラムと、お供の鳥である超カルガモ・カルーとともに潜入していたのです。
そんな彼女ですが、ところどころでボロを出しそうになることも……。そんな時に助けてくれていたのが、バロックワークス時代の相方・Mr.9です。
もっとも本人は彼女の正体も知らず、気づく様子もまったくありませんでした。いろいろ残念なところが多いのですが、最後はビビのために戦ってくれた人物です。
ビビが潜入していたバロックワークスは、王下七武海の1人、クロコダイルが作り上げた組織。彼らはアラバスタ王国を裏から手に入れようと、さまざまな工作をしていました。
そんな組織に潜入したビビですが、当時使っていたのは「魅惑のメマーイダンス」という、能力というより、色香と服の模様で敵を惑わす技。いわゆる黒歴史で、ビビ本人も、触れられたくない過去はある、と言うほどなのです。
そんな彼女の黒歴史は本編で1度しか使われていませんが、ゲーム作品「トレジャーバトル」にて必殺技として登録されています。
バロックワークスの島を脱出する際に護衛のイガラムを失ってしまったビビですが、危険をかえりみず、アラバスタに戻る決意をします。
自らの正体を一国の王女だと明かして麦わらの一味とともに国へと戻った彼女ですが、幼少期の仲間「砂砂団」のリーダー・コーザ率いる反乱軍が立ちはだかるのです。
かつては自分を命がけで守ってくれた、コーザ。変わってしまった2人の関係は、どうなるのでしょうか。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2000-02-02
そして、アラバスタ編のクライマックスでは、ルフィと黒幕・クロコダイルの激戦がくり広げられます。強敵を前にビビのため、そして国のために戦うルフィ。アツいバトルは、必見です。
最後は、クロコダイルから見事に勝利をおさめることに。やっと、故郷アラバスタに平和が訪れることとなったのでした。
本当は麦わらの一味として、ルフィたちについていきたかったビビ。しかし、アラバスタの王女という立場や誇りもあって、彼女は別れを選択します。その時の表情は、とても清々しいものでした。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2002-04-04
彼女は民衆に向けたスピーチのなかで、海賊として一緒に冒険をしたかった胸の内を明かします。しかし、最後に「私はこの国を愛しているから、一緒には行けない」と断言したのでした。
国に残ることを決めたビビ。しかし、そうでありながら、ルフィたちの仲間でいたいという気持ちも強くありました。彼女は最後に、麦わらの一味に向かってこう言うのでした。
「いつかまた会えたら!!!もう一度 仲間と呼んでくれますか!!!?」
(『ONE PIECE』23巻より引用)
しかし、ルフィたちは答えません。彼らは追われる身。今答えれば、ビビは何かしらの疑惑を持たれてしまいます。それでもビビは、スピーチをしながらも、ルフィたちのもとまで駆け付けたのです。
言葉では最後まで答えることがなかった、麦わらの一味。しかし、彼らは腕をあげ、ビビとともにつけた仲間の印であるバツ印を掲げて見せたのでした。その行為こそ、何よりの答えだったのです。
たとえ王女であろうとも、1度は別れてしまったとしても、仲間であると感じることのできる、感動の別れでした。
世界会議編で再登場したビビ。彼女の出番を待ちわびていたファンは、多いのではないでしょうか。
彼女はルフィと友人であるということで、同じ世界会議に参加していた人魚姫で古代兵器「ポセイドン」でもある、しらほし姫、ドレスローザ国の先代国王の孫であるレベッカと仲良くなりました。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2018-09-04
そんな彼女の周りには、何やら不穏な空気が流れています。
天竜人の最高位であり、世界の頂点に立つ五老星と呼ばれる老人たちもが「様」をつけて呼ぶ、いわゆるラスボス的な存在が、彼女に目をつけているようなのです。
その人物の名前は、イム。世界会議編で登場し、誰も座るはずのない虚の玉座に座っています。すべての天竜人や世界政府を陰で操る黒幕的な存在なのか……まだ、はっきりとはわかっていません。
ただ、どうやら彼は、世界の不安要素たる人物を抹殺するよう命令を出し、次々と消しているようなのです。そんな彼が眺めていたのが、なんとビビの写真でした。
しらほしやルフィのように剣で突き刺すことなく眺めていただけだったので、彼女が消されるのかどうかは、まだわかりません。しかし、何やら穏やかでない雰囲気が伝わってきます。
1度は死んだかと思われたイガラムがまた護衛としてビビの傍に復活しているのですし、今度こそ頑張って彼女を守ってほしいものです。
「ワンピース」といえば、やはり数々の名言が印象的でしょう。それは、ビビも例外ではありません。そんな彼女の心の強さ、そして気高さがわかる名言をランキング形式でご紹介します。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2002-04-04
「考えるだけムダ!
…ただし彼らのやる事は全て…信じられる
彼は海賊王になる男よ」
(『ONE PIECE』45巻より引用)
ルフィたちの手配書を見てビビが悲しむと思い、それを隠そうとするイガラムたち。しかし手配書を見た彼女は迷わず、「彼のすることはすべて信じられる」と断言します。
登場した時は迷ってばかりだった彼女は、とても大きな女性に成長。そんな姿を見て、勇気をもらった人も多いのではないでしょうか。
「戦いを!!!やめて下さい!!!
戦いを…!!!やめて下さい!!!」
(『ONE PIECE』23巻より引用)
言葉にする、ただそれだけのことを、必死でくり返していたビビ。反乱軍と王国軍がアラバスタの最終決戦で激突した時、戦いを止めたかった彼女が口にしていた言葉です。
戦争の最中では、言葉は無力かもしれません。それでも彼女は、いつまでも叫ぶことをやめませんでした。
それほどに心から戦争をやめてほしいと願っていた彼女。そして雨が降り、やがて彼女の声は皆に届きます。それは諦めず、ひたすらに言葉をくり返し続けたからにほかなりません。
「私…一緒には行けません!!! 今まで本当にありがとう!!!
冒険はまだしたいけど 私はやっぱりこの国を 愛しているから!!!!
--だから行けません!!!
(中略)
いつかまた会えたら!!!
もう一度 仲間と呼んでくれますか!!!?」
(『ONE PIECE』23巻より引用)
ルフィたちについていくか、それとも国に残るか……その答えを伝えた名シーンです。もしかしたら彼女はついていくのではないか、と誰もが思ったことでしょう。しかし、彼女は残ることを選択しました。
その理由は、親のためとか王女としての責務とか、そんなことではなく「この国を愛しているから」なのです。誰かのためでなく、自分のために、そして愛する人たちのために選択したビビ。
そんな彼女の顔はとても輝いていました。その潔さ、かっこよさこそが彼女の愛される理由なのかもしれません。
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