漫画『るろうに剣心』比古清十郎に関する10個の事実!史上最強の師匠とは?

更新:2019.4.20

作者からも「本作登場キャラクターのうち最強」と言わしめる人物。作品全体を通しての登場期間は短いものでしたが、印象も、戦闘力も、個性も非常に強烈な人物でした。 そんな最強の男・比古清十郎のエピソードを10個集めてご紹介しましょう!

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漫画『るろうに剣心』最強のキャラクター・比古清十郎!モデル、身長、アニメの声優、実写俳優は?

 

本作のストーリーは、大まかに東京編・京都編・人誅編の3つに分けることができます。続編『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』を入れると4つです。このうち今回ご紹介する比古清十郎が登場するのは、実は京都編の一部分だけ。

それなのに強烈なインパクトを残したのは、自意識・自信・意志・剣術・体躯とすべての強さが揃った「最強キャラ」であったからでしょう。強さのメーターを振り切っているとさえいえる彼のデータは、いったいどういったものなのでしょうか。まずはプロフィールを見ていきましょう。

 

  • 生年月日:天保7(1836)年10月某日(43歳)
  • 星座:蠍座
  • 身長:189cm
  • 体重:87kg
  • 血液型:O型
  • 出身地:京都府
  • 趣味:自慢、もしくは弟子いじめ
  • 特技:あらゆる事柄すべて
  • 声優:池田秀一
  • 俳優:福山雅治

 

 

著者
和月 伸宏
出版日
2006-11-02

江戸後期から明治の人にしては、身長がとても高いです。当時としては、巨人と言っていいほどの高さでしょう。作中では筋肉隆々の体躯を見ることができましたが、見える筋肉量の割りに体重は軽めのようです。
 

世の中のすべてのことが「得意なこと」で、しかも、それを自慢するのが趣味という「いい性格」。いつも自信満々で、自慢も致し方なしの実力の持ち主でもあります。

すべてにおいて絶対的な自信を持った人物は、まさに「師匠」として信頼に足るもの。彼は、なんと本作の主人公・緋村剣心の師匠であり、「飛天御剣流」13代目継承者なのです。

自信のなさそうな人から技術を教えてもらおうという気には、なかなかなりません。その点彼は「師匠」としても最強といえるかもしれません。

 


『るろうに剣心』をもっと楽しむための秘密を集めた<漫画『るろうに剣心』の知られざる事実10選!剣心にはモデルがいた!?>の記事もおすすめです。

比古清十郎の事実1:モチーフは同名異人!? 『戦国の三日月』の登場人物!

『るろうに剣心』の主人公・緋村剣心らにはモデルとなった人物が存在しますが、比古清十郎にはモデルといえる人物はいません。しかし、作者・和月伸宏が本作以前に描いた作品『戦国の三日月』の主人公がモチーフであるといえるでしょう。

この作品は和月の読み切りでのデビュー作で、『るろうに剣心』6巻の巻末に収録されています。

舞台は戦国時代。剣豪・比古清十郎と、間に合わせの兵として戦場に駆り出された農民・一心太が、それぞれの想い人を胸に戦う姿を描きます。

るろうに剣心 6 (ジャンプコミックス)

1995年08月04日
和月 伸宏
集英社

 

この作品の比古清十郎は、「飛天三剣流」の使い手。黒い長髪に白いマントと見栄えがよく、『るろうに剣心』に登場する「飛天御剣流」の第13代継承者・比古清十郎の原型となっています。

ただしモチーフとされたのは外観のみで、性格などは引き継がれていません。また、物語上のつながり(血縁など)もないと、和月が明らかにしています。
 

同姓同名で、どちらも「ヒテンミツルギリュウ」を使う剣豪。さらに姿も似ていることから間違いやすいですが、『戦国の三日月』の彼にはなくて、『るろうに剣心』の彼が持つ「あるもの」があります。

もしも2人が並んで立つようなことがあっても、その「あるもの」で見分けられるかもしれません。それは何かと言うと……もう少し後の項目でお知らせしましょう。

 

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比古清十郎の事実2:代々受け継ぐ名前!

すでにご存じの通り、彼は緋村剣心の剣術の師匠です。剣心と初めて出会ったときには、飛天御剣流という流派を受け継ぎ、次代に継ぐ者となっていた様子。

飛天御剣流を継ぐには、奥義の会得が必要です。奥義は「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」。これを体得して自分の師匠を倒したとき、やっと飛天御剣流は継承されます。

るろうに剣心 10 (ジャンプコミックス)

1996年04月04日
和月 伸宏
集英社

 

清十郎は13代目の継承者。奥義と流派、そして「比古清十郎」の名も同時に引き継いだのです。
 

つまり、剣心の師匠である彼も、この名を継ぐ以前には別の名を名乗っていたということ。剣心が奥義の伝授を求めて京都の山中へ訪ねていったときには、彼は清十郎であると同時に「新津覚之進」と名乗って陶芸家として生活していました。

新津の焼きものが売れているのかどうかはわかりませんが、「陶芸界でちょっと注目の新人」だそうで、常に酒が買える程度の生活はできているようです。

ただし、「新津覚之進」という名ももともと持っていた名前なのか、陶芸家としての号で誰かからもらったものなのか、あるいは自分ででっち上げた名前なのかはわかりません。「特技は万事」の何でもできる人ですから、姓名判断でもして自分で名付けてしまったのかもしれませんね。

 

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比古清十郎の事実3:美形にして四十路!驚異の肉体

 

彼は作中に初めて姿を見せたときから、白い外套(マント)をまとっていました。それを着けた身長189cmの人は、実際よりもさらに背が高く見えるのではないでしょうか。

しかし、その姿がひょろ長いかといえば決してそのようなことはありません。それどころか、外套を取ると怖ろしいほどゴツい筋肉の鎧をまとった、いかにも頑丈そうな体躯が現れます。胸は厚く、腕は太く、素手同士で戦うなら誰にも負けることはなさそうです。

そのうえに刀剣を持ち、さらに飛天御剣流という神速の剣術を身につけているのですから、向かうところ敵なし。その頑健な肉体を保ち、守るものが白い外套なのです。飛天御剣流の継承者たる者が代々受け継ぐこの外套には、受け継いだ者の肉体をつくり、また維持するための仕掛けが潜んでいます。

清十郎がいつもまとっているのは、「重さ10貫の肩当てと、筋肉を逆さに反る撥条(ばね)が仕込まれた」外套です。40kg近い重さのものを常に着けているだけでも、身体を支える筋力が養われます。そのうえ筋肉の動きを妨げるバネが身体の動きを抑制すると同時に、筋肉を発達させるのです。 

飛天御剣流は神速の剣術。その神速は、全身の筋力が生み出すものです。飛天御剣流を身につけて修行するうちに、術とともに筋力もついていくのでしょう。継承者ともなれば並外れて発達した肉体を持っているのが当然です。

そして、その筋力は常に維持しておかなければ、いざというときに飛天御剣流の技を使うことができません。いつでも技を以て守るべきものを守れるよう、白い外套は身に着けておく必要があるのです。

また、これは清十郎の肉体が持つ力を、日常で抑え込んでおく役割も担っています。抑えておかなければならないほどの力が、彼の肉体には秘められているのです。

そんな彼ですが、隆々たる肉体、怖しいほどの強さを持ちながら、顔立ちは細面で美形と言って差し支えない整い方。涼やかな面差しは、20代と言われても納得できるでしょう。

しかし、現在28歳の剣心の師匠ですから、当然、剣心よりもずっと年長のはず……初対面の弥彦と操が不審にさえ思い訊ねてみると、なんと43歳。まさかのアラフォーでした。その年令を感じさせない容貌と肉体のたくましさ。比古清十郎は、まさに奇跡の40代なのです。

 

比古清十郎の事実4:よくも悪くも最強の男!

前項までに目を通した方はすでにおわかりの通り、彼は圧倒的な強さを持ちます。強すぎます。作中では飛天御剣流奥義を得て志々雄と対峙しなければならないという剣心を前に、清十郎自身が次のように発言。

俺自身が出張れば一番てっとり早えんだが
今更そんな面倒臭え事は御免だ 
(『るろうに剣心』11巻より引用)

本当に彼が志々雄の前に出ていたら、1人で十本刀もをサクサク倒して、京都編はあっさりと終わっていたかもしれません。

作中の日本にとってはそれもよかったかもしれませんが、ストーリーを追う読者としては全然面白くないでしょう。彼が面倒くさがってくれたおかげで、『るろうに剣心』は波乱万丈のドラマティックな展開になりました。

るろうに剣心 11 (ジャンプコミックス)

1996年06月04日
和月 伸宏
集英社

 

作者の和月やその担当編集者が連載時に、清十郎は「トランプでいえばジョーカー」だと言っていたことが、和月自身の筆やそれを伝える記事で周知されています。
 

トランプゲームにおいてジョーカーは、基本的に有利となるカード。しかし時折、不利をもたらすカードにもなり、また決定的な切り札とすることも可能です。和月は比古清十郎というジョーカーを、巧くストーリーのアクセントに用いてみせました。

 

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比古清十郎の事実5:本当に同じ人?原作とテレビアニメ版を比較!

 

尊大とすら感じられる落ち着きっぷりの彼ですが、テレビアニメ版に登場した彼は、ちょっと様子が違います。

原作版は白い外套の下に赤色を基調とした着物をきていますが、アニメ版では青色の着物を着用。これだけでも別人感がずいぶん増しますが、違いはこれだけではありません。

なんとアニメ版は、ものの言い方がまったく異なります。原作では志々雄一派の件も「自分が出張れば手っ取り早い」とさらりと言ってしまうほど自分の強さに自信を持ち、誇る気持ちも隠そうともしていません。何しろ趣味が「自慢」ですから、自分が優れていることを隠す理由など微塵もないのです。

一方アニメの彼は、自分の剣術についても「剣を少々やる」などと控えめな口振りで、どうやらそれは芝居などではない様子。原作の彼が持ち合わせていない謙虚・謙遜の心を見せているのです。

また幕末期、苦しんでいる人々を放っておけないと剣心が動乱に身を投じようというときも、原作では意見を違えてまったくの喧嘩別れでしたが、アニメ版では破門のようなかたちを取りながらも喧嘩はせず、剣心を見送っています。

アニメ版の清十郎は沈着とした、いかにも多くの人がイメージする「剣術を極めた隠者」といったキャラクターでした。一般受けする「かっこいい」「シブい」人物ですね。

対して原作は己れの才能・技術に絶対の自信を持ち、さらにそれを堂々と誇ってみせるキャラクターです。これは原作者の和月のイメージする「師匠」がかたちになったものと、単行本で述べています。

同じ名前・同じ姿・同じ剣術の使い手でありながら、印象が異なる原作版とアニメ版。みなさんは、どちらの彼がお好きでしょうか。ちなみに実写映画版は、前半では青系の色の着物を、後半では赤系の色の着物を着るという原作とアニメのハイブリッドといった感じでした。

 

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比古清十郎の事実6:愛刀は強靱・頑強!

 

剣豪である彼がいつも身近に置くものが3つあります。刀と酒、そして白い外套です。刀と酒には、それぞれに名前があります。

彼が使うやや長尺の日本刀の名は「桔梗仙冬月(ききょうせんふゆつき)」。剣心が使う逆刃刀よりも少し刀身が長く、おそろしいほどの頑丈さを誇ります。その強度は清十郎の筋力・腕力を以てくり出す九頭龍閃や、山のような巨人の不二が振り下ろした大刀の一撃にも、なお耐えきるほどです。

さらに単行本巻之十五第百二十六幕「巨人対超人(前編)」から3話に渡って、十本刀の1人、不二と比古の1対1の戦いが描かれますが、その中で比古は桔梗仙冬月で不二の巨大かつ重厚な大刀を完全に貫いています。

人並み外れた腕力や剣の技を備えていても、それに耐えられる刀剣がなければ戦えません。飛天御剣流を極める者が持つに相応しい剛刀、それが桔梗仙冬月です。

 

比古清十郎の事実6:愛刀は強靱・頑強!

剣豪である彼がいつも身近に置くものが3つあります。刀と酒、そして白い外套です。刀と酒には、それぞれに名前があります。

彼が使うやや長尺の日本刀の名は「桔梗仙冬月(ききょうせんふゆつき)」。剣心が使う逆刃刀よりも少し刀身が長く、おそろしいほどの頑丈さを誇ります。その強度は清十郎の筋力・腕力を以てくり出す九頭龍閃や、山のような巨人の不二が振り下ろした大刀の一撃にも、なお耐えきるほどです。

るろうに剣心 1 (ジャンプコミックス)

和月 伸宏
集英社

さらに単行本15巻第百二十六幕「巨人対超人(前編)」から3話に渡って十本刀の1人・不二との1対1の戦いが描かれますが、そのなかで清十郎は桔梗仙冬月で相手の巨大かつ重厚な大刀を完全に貫いてしまうのです。

人並み外れた腕力や剣の技を備えていても、それに耐えられる刀剣がなければ戦えません。飛天御剣流を極める者が持つに相応しい剛刀、それが桔梗仙冬月なのです。

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比古清十郎の事実7:白い外套の秘密!

 

彼がいつも羽織っている白い外套については「事実3」の項でも少しふれましたが、もう少し詳しく見ておきましょう。

外套には「重さ10貫の肩当てと、筋肉を逆さに反る撥条(バネ)が仕込まれ」ていると作中で述べられています。「重さ10貫」といえば、メートル法で換算すると37.5kgです。「筋肉を逆さに反る撥条」とは筋肉を収縮させたい、あるいは伸展させたい方向とは反対の方に力がかかるようなバネのことと考えられます。

清十郎が着けている外套は、野球漫画『巨人の星』に登場する「大リーグ養成ギプス」のようなものに、さらに40kg近いおもりが付いたものと考えればいいでしょうか。

そのようなものを身につけないと抑えられないほどの強靭さを持ち、また、そのようなものを身につけたままで剣心と対等に打ち合って、なお圧倒する彼の真の強さはいかばかりかと考えると、身体に震えがくるようです。

 

るろうに剣心 12 (ジャンプコミックス)

1996年09月04日
和月 伸宏
集英社

彼が作中で外套を脱いだのは、単行本12巻第九十六幕「生と死の間で…」で剣心に奥義を伝授したときだけ。つまり、前項で桔梗仙冬月の紹介の際に登場した山のような巨人・不二との戦いの際には、着けたままだったのです。ここでも清十郎の圧倒的強さと自信が、まざまざと見せつけられます。

飛天御剣流奥義とともに継がれていく外套ですが、彼の弟子である剣心には継がれませんでした。剣心は奥義の伝授を受けましたが、飛天御剣流を継ぐつもりはないと明言しています。また、清十郎にちょうどいいサイズの外套は小柄な剣心には明らかに不似合いなため、剣心自身が拒んだのでした。

飛天御剣流も外套も継がない剣心は、清十郎から「俺とお前はもう師でも弟子でもない」と言い渡されます。破門ということです。しかし、今度は喧嘩別れではありません。師弟関係の「発展的解消」というところでしょうか。

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比古清十郎の事実8:酒は男らしさの証し、無二の友!

 

彼は常にといっていいくらいに酒を飲みます。いつも徳利を一提、傍らに置いたり手に提げていたりして酒を口にしていますが、酔っている様子は見せません。飲んでも飲まれることはないようです。

春は夜桜 
夏には星 
秋に満月 
冬には雪 
それで十分酒は美味い 
(『るろうに剣心』19巻から引用) 

このように言うほど彼は酒を愛し、季節を愛でる風流人なのです。作者・和月が言うには、酒は男らしさを表現するアイテム。『るろうに剣心』主要人物のうち常に酒を嗜む者は彼以外に見当たらないことから、作中でもっとも男らしい人物であると考えていいでしょう。

 

著者
和月 伸宏
出版日
1998-02-04

 

風流人・清十郎が愛飲する酒の名は「朝日山万寿」。いつも傍らに置く徳利に、その名が書かれています。新潟の地酒に「朝日山 萬寿盃」という大吟醸酒があり、おそらくこれがモチーフになっているのでしょう。

本作に登場するキャラクターは、作者である和月の出身地・新潟県長岡市周辺の地名から名付けられている者が多いのですが、酒のような小道具に関しても、同様に地元周辺のものを題材に取っているようです。

さて、本稿の事実1で『戦国の三日月』の主人公・比古清十郎と、剣心の師匠である比古清十郎がもしも並んで立つことがあったらどうやって見分けるか、ということを述べました。答えはここにあります。

『戦国の三日月』の彼は、酒を携えていません。手許を確かめて朝日山万寿の徳利を提げていれば、そちらが剣心の師匠の比古清十郎なのです。

 

比古清十郎の事実9:最強ゆえに可能!巨人の魂を見抜き、真っ向勝負!

 

清十郎はとても印象が強いキャラクターですが、本稿の最初の方でも述べました通り、ストーリーのごく一部分にしか登場しません。さらには最強のキャラクターでありながら、たった1度、ただ1人としか戦っていないのです。

京都大火を謀った十本刀の1人、破軍の不二がその相手。1人とはいえ、身の丈840cmという文字通り「山のような」大男ですから、1000人を1度に相手にするようなものかもしれません。

不二は人として生まれながら、巨体ゆえに怪物としてしか扱われてこなかったという不遇の人物。しかし、その心は侍そのもの。最初に受けた一撃が「剣術の基本に則ったもの」だということを看破した清十郎は、これまで誰もが怪物扱いをして対話をしようとしなかった不二と話そうとします。

巨体を持つために、それだけで「卑怯」とされてしまう不二。そのうえ人として扱われないために、「全力を以て正々堂々と戦う」という武人としての戦い方ができずに生きてきました。そんな彼に、清十郎は堂々と言い放つのです。

 

るろうに剣心 1 (ジャンプコミックス)

和月 伸宏
集英社

だが今日は違う
お前が全力を出しても倒せない男が
こうして目の前に立ってやっているんだぜ
(『るろうに剣心』15巻より引用)

 

自分をまともに人として扱う相手と出会えたこと、その者と真っ向から戦えることに不二は歓喜し、涙さえ流しました。こうして清十郎は不二と戦うのですが、勝負は一瞬で決まります。不二の渾身の一撃を身軽くかわし、手加減なしの九頭龍閃を打ち込んだのです。

手加減なし、奇計なしの真っ向勝負で敗北を喫した不二ですが、武人として対等に渡り合えたことにきっと満足していることでしょう。

不二の太刀筋をたった一撃受けるだけで見極め、外見だけでひととなりを判断せず1人の武人と認め対話をするということは、清十郎の確かな強さと揺るがぬ自信があったればこそできたこと。

『るろうに剣心』全編を通して彼が戦ったのはこの場面だけですが、きっとほかの者では戦いきれなかった場面でしょう。

 

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比古清十郎の事実10:辛辣に見えて実は大甘!? 剣心との師弟関係!

 

人買いにさらわれて運ばれる途上、野盗に襲われ、たった1人生きのこった少年。それが幼い頃の剣心でした。もとは「心太」という名でしたが、「剣心」の名は清十郎が与えました。

1度は捨て置いた少年を手許に置き、飛天御剣流を教えた清十郎。彼は非情なもの言いをすることもありますが、実は情に厚い人のようです。

彼は、剣心が幕末の動乱に飛び込むことをよしとしませんでした。しかし剣心は、清十郎の制止を聞かずに喧嘩別れのかたちで許を離れ、動乱のなかで人斬りとなります。

教えに背いて、仲違えして姿を消した者が出戻ってきて、奥義の伝授を乞うというのは、大変都合のいい話です。しかし、文句のようなことを言いながらも、清十郎はそれを聞き入れます。

幕末のエピソードだけでも彼がかなり剣心に対して甘いということがわかりますが、明治になってからの再会後も口悪しく難点の指摘をする一方で、やはり剣心を甘やかしてしまっています。

剣心が彼の目の前から消えて再び現れるまで、15年が過ぎていました。その間に何があったのか、剣心を追ってきた薫や弥彦たちに、清十郎は訊ねます。喧嘩別れをしたというのに、ずっと剣心のことが心配だったのでしょう。

 

るろうに剣心 12 (ジャンプコミックス)

1996年09月04日
和月 伸宏
集英社

さらには腕が鈍っていた剣心を1週間かけて特訓し、それでも欠けているものがあるというので一晩の猶予を与えたり、そればかりかその一晩に剣心が自身の「欠けたもの」に気づくかどうかを心配したのか、清十郎も眠れずにいるほど……。

「引導を渡す」と言いながら奥義を伝授したばかりか、それでも「飛天御剣流を継がない」などと勝手なことを言ううえに「葵屋を守ってくれ」という剣心の我が儘を、「あまったれんのもイイ加減にしやがれ」と怒っておきながら、実際には出掛けていって不二と戦っています。

突き放すような素振りでいながら、まったく剣心には甘い師匠なのです。いつも彼の身を案じていて、奥義伝授の後「師でも弟子でもない」と背を向けたときも、こんなことを言っています。

俺がお前に飛天御剣流を教えたのは 
お前を不幸にするためではないことだけ覚えておけ 
(『るろうに剣心』12巻から引用) 

「バカ弟子」と罵りはするものの、たった1人の弟子である剣心が大事で心配で仕方がないのでしょう。何でもできる天才であると自ら認める清十郎ですが、「弟子がかわいくてならない」などと口に出すということは、とてもできなさそうです。

 


剣心について考察した<『るろうに剣心』緋村剣心に関する6つの事実と考察!人気根強い剣士の実像>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。

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『るろうに剣心』最強キャラクター・比古清十郎に関するあれこれをご紹介しました。登場場面は少ないものの、強いインパクトを残した人物について、新しく知ったことはあったでしょうか。北海道編に登場する気配はまだありませんが、もしかしたら……?活躍を期待したいですね。

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